堺正章&Rockon Social Club、LUNA SEA、坂崎幸之助×吉田拓郎……ラジオが引き出すアーティストの新たな魅力

 また、LUNA SEA同様に久しぶりの『オールナイトニッポンGOLD』登場となったのが“幸拓”の愛称でもおなじみのTHE ALFEE 坂崎幸之助と吉田拓郎である。2024年8月に放送されたこの放送は、なんと約11年ぶりの復活だったという。吉田は2022年に音楽活動からの引退を表明しているが、2023年には『オールナイトニッポン55周年記念 オールナイトニッポン55時間スペシャル』にも出演しており、ラジオへの情熱は変わらない。この放送ではギターを片手に軽妙なトークが展開され、坂崎と吉田の息の合った掛け合いが聞きどころ。放送は、吉田が松田聖子の「小麦色のマーメイド」を弾き語りしながらスタート。なんともふたりらしいリラックス加減で、何年経っても吉田の自由ぶりは変わらない。また、坂崎が11年前の番組終了時に吉田からプレゼントされたというマフラーをいまだに大切にしている話や、吉田の韓流エンタメへの熱中ぶりを語る場面もあり、さまざまな話題でリスナーを楽しませた。さらにかつて吉田が探していたギターを加藤和彦が見事に見つけ出したという思い出話を発端に、彼とともに楽曲制作に取り組んだエピソードも語られるなど、音楽制作の裏側やそれを支える友情が垣間見えるのもこの放送ならではである。

 そして、ニッポン放送の開局70周年を記念して昨年10月に放送された、『竹内まりやのオールナイトニッポンGOLD』も特筆すべきである。この放送では、10年ぶりのリリースとなったアルバム『Precious Days』をテーマに進行し、竹内自身がアルバム制作にまつわるエピソードや当時の心境を語った。コロナ禍と重なった制作背景や、キャンセルを余儀なくされた全国ツアー、無観客配信ライブ『LIVE Turntable』の回想を交えることで、アルバムの持つ深い意味をリスナーに届けた。さらにこの放送は、リスナーを招いた公開収録となっており、現場の温かい雰囲気を通して彼女の人柄がより一層伝わるそのアットホームさは、『オールナイトニッポンGOLD』の中でもこの回特有のもの。収録当日、会場に集まった70名のリスナーの拍手に迎えられ、竹内は「一番遠いところから来られたという自信がある方?」と問いかけるなど、冒頭から和やかなムードを醸し出した。放送は山下達郎が作曲し、竹内が作詞を手掛けたアルバム収録曲「Days of Love」で幕を開け、ゲストには友人でもあるミッツ・マングローブが登場。2人が初めて会った2014年のラジオ番組での思い出話やプレゼントのエピソードが語られ、笑顔の絶えないトークが展開された。

 こうした放送を通じて、キャリアを重ねたアーティストたちの音楽活動だけでは気づくことのできない新しい魅力を垣間見ることができるのも『オールナイトニッポン』の魅力である。音楽を軸にしたトークではアーティストたちの真摯な姿勢が浮かび上がり、プライベートなエピソードからはユーモア溢れる姿や新たな発見、意外な視点を共有することができる。今後も続いていくであろうこの番組にこれからどのようなアーティストが登場し、どのような瞬間を届けてくれるのか、その未来に期待が高まる。

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