藤井 風、Mrs. GREEN APPLE、MISIA & Rockon Social Club……スポーツ中継テーマソング、令和の新機軸とは
日本中が『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』に夢中だ。格上であるフィンランド戦での劇的勝利、そしてカーボベルデ戦での勝利によって、日本代表は2024年パリ五輪の出場枠を獲得し、日本中が歓喜に包まれた。つい先日終映を迎えた映画『THE FIRST SLAM DUNK』も合わせて、日本でのバスケットボール熱は右肩上がりに高まるばかりだ。
そんな『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』日本テレビ系/テレビ朝日系の中継テーマソングは藤井 風の「Workin' Hard」。ゆったりとしたテンポとジャジーな音像もさることながら、なにより印象的なのはその歌詞だ。〈結果なんぞかったりーわ〉という、常に結果がつきまとうスポーツにおける“勝ち負け”を根底から覆しかねないフレーズに衝撃を受けたリスナーも多いだろう。しかし重要なのはその前に置かれているこのフレーズだ。〈みんなほんまよーやるわ めっちゃがんばっとるわ〉結果ではなく努力の過程にこそ意味がある。そんなスポーツの本質をこんなにも何気ない、彼らしいフレーズで表出する藤井 風の才はやはり底知れぬものがある。
今年のスポーツ中継テーマソングと言えば、Mrs. GREEN APPLEの「ANTENNA」は『FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』のフジテレビ系バレーボール日本代表応援ソングに抜擢されている。煌びやかな打ち込みサウンドと、Mrs. GREEN APPLEらしいビート感のあるロックサウンドが溶け合った、キャッチーでポップなサウンドメイクは聴く者の気持ちを昂らせる。やはりこちらも印象的なのは歌詞だ。〈良し悪しじゃない好きな方角/どれもが奇跡〉このフレーズもまた、結果ではなくその選択にこそ意味があることを説き、肯定している。