Kis-My-Ft2、『Curtain call』で拓いた新境地 貪欲なまでに多彩なサウンドと見事なボーカルワークを解説

CD Chart Focus

参考:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2025-01-20/

 2025年1月20日付(1月16日発表)のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得したのは、Kis-My-Ft2の『Curtain call』。これにより、Kis-My-Ft2は2011年のデビューシングル『Everybody Go』から32作連続1位という記録を更新することになりました(※1)。

Kis-My-Ft2 /「Curtain call」Music Video

 「Curtain call」を聴いてイントロの段階で驚いたのは、サンプリングされたかのようなジャジーなフレーズがループしており、トラックがまるでヒップホップであることでした。それは、10秒ほどの短いイントロが終わって、Aメロの歌が始まっても同様。メンバーのボーカルは、それぞれの歌い出しが強めであるなど、リズムをかなり意識していることが窺えます。そこからBメロになると、メロディが一気にボーカルの艶を引き出し、EDMのビルドアップのようなリズムが軽く響いてサビへと流れ込んでいきます。ジャジーなフレーズのループによる間奏を挟んで、2番では1番に比べてボーカルがやや熱さを増しているのも心憎いボーカルコントロールだと感じました。また、2分14秒を過ぎたあたりで曲調が突然変わり、クールなR&Bナンバーと化す展開もユニークです。「Curtain call」は、ヒップホップとR&Bの要素を駆使しながら、メンバーのボーカルの魅力を浮き上がらせています。

Kis-My-Ft2 /「Meramera」Music Video

 通常盤のカップリング曲も聴いていきましょう。「Meramera」は、ピアノが前面に出たエレクトロニカのようなアプローチに度肝を抜かれました。間奏ではエレキギターも響く中、特にボーカルとトラックが絡み合うかのようなBメロがスリリング。そこからサビの開放感へと繋がっていきます。歌モノではあるものの、サウンドにはポストロックの要素も潜んでおり、個人的にはKis-My-Ft2というグループのイメージが一新されるかのような驚きがありました。

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