タイの音楽フェス『Maho Rasop Festival』は20歳以上入場可! 大人に刺さる現地アーティストをピックアップ





Flower.farは、日本のbutajiや3Houseともコラボしている、フレッシュなR&Bシンガー、ディーバです。「Flower」は、本当のチューレン(タイ人が本名とは別に親につけてもらうニックネーム)ということで、素敵ねぇ。似合うなぁ。「Flower」を早く何回も呼ぶと「far」と聞こえるから、アーティスト名が「Flower.far」になったそう。勝手にゴージャスで色っぽいイメージを持っていたのですが、実際に観たライブは、フロアに降りてきてファンに囲まれて歌うようなフレンドリーさとロックな一面があって、そこに集まったみんなと音楽を楽しむようなスタンスを感じました。また、バックバンドのメンバー紹介が上手いなと唸りました。彼女がアドリブで歌ったフレーズを楽器が真似し、声と楽器がジャムるような、観ていて興奮するセッションでメンバーを紹介していくんです。全員良いプレーヤーだから、その魅力も伝えたくて、こういうことを初めてやってみたんですって。白熱しました。ちなみに彼女は、タイ人として『Coachella Valley Music and Arts Festival』に初めて出演したMILLIと、Nulbarichとのコラボ経験もあるGALCHANIEと3人でガールズグループ・DREAMGALSを結成しています。これは、MILLIがfarをSNSで見つけて、「一緒にガールズグループやって!」とラブコールを送ったことで実現したんだそうです。DREAMGALSも観たいなぁ。



Vennは5人組のバンド。予習をした時の自分のメモに「フォーク?」とあるのですが、ライブをみた今もまだ「フォーク?」という感覚です(衣装はちょっと奇抜で個性的でした)。11月21日にニューアルバム『Mölkky』をリリースしたばかりで、1曲目は、民謡のような合唱と口琴のような音色が混じったサウンドから始まり、オルタナロックに変貌し、情熱的なボーカルが入ったと思ったらホーンやテルミンの音も……壮大でチルなムードや、あちこちに聞き流すことができない引っかかりがあるユニークなアルバムです。お気に入りは「Much More」と「Alehouse Tale」。よくまとめるなぁと思うほど、様々なジャンル、様々な楽器、様々な要素が混じっています。聴けば聴くほど感動が広がります。ライブを1回観ただけじゃ判断できない、説明できない気になるバンドです。来日しないかな……。
実際に参加してみて、このフェスがバンコクに存在することの意義をすごく感じました。今回初出演した私の大好きなYONLAPAに話を聞いてみると、やはり憧れのステージだと。過去にお客さんとして遊びにきたことがあったそうですが、海外のビッグアーティストをたくさん観ることができて、知らないアーティストもカッコ良くて、いつか出たいと憧れていたのだそう。観るだけでも嬉しいことだけど、そこに実際に自分たちの名前が並ぶ、同じステージに立てるなんて、どんなに刺激になることでしょうか。YONLAPAの出番は一番手で、めちゃくちゃ気温が高くて、日が暮れて涼しくなってからやってくる大人のお客さんも多い中、日本では見たことのない映像を使ったYONLAPAのステージはよりポップな一面がクローズアップされるようで、フレッシュでした。





そういえば、前述のSoft PineのギターボーカルのXくんは、当日楽器周りのスタッフとして働いていて、まさかのWhite Liesにステージでギターを渡す役割を務めたのだと嬉しそうに話してくれました。グローバルに活躍するアーティストの仕事を内側から見るのは、きっと勉強になることもあったのでしょう。繰り返しになりますが、このフェスがバンコクで開催される意義の大きさを感じます。
大阪に住んでいると『SUMMER SONIC』が毎年開催され、海外のアーティストをまとめて観ることができることを普通のことのように感じてしまいそうですが、それは全然当たり前じゃない、とっても特別なことなんだよなと実感しました。あ、『SUMMER SONIC Bangkok』でも同じことを思ってたかも! YONLAPAに「日本人が多い~」と言われたのですが、確かに日本人のお客さんを結構見かけた気がします。2025年の『Maho Rasop』にあなたも行ってみませんか? ステージ間の移動距離が少ないのでラクですよ~。蚊と暑さ対策はしっかり!
























