矢沢永吉、ゴダイゴ、岩崎宏美、岡田奈々……2025年に”50周年”を迎えるアーティストの偉大な足跡
次はアイドルでデビューし、今でも歌手活動を続けている、岩崎宏美、そして俳優として活動している岡田奈々をピックアップする。両者とも2025年でデビュー50周年を迎える人物だ。
岩崎宏美は、国民的オーディション番組『スター誕生』(日本テレビ系)の決勝大会に出場し、その高い歌唱力でデビューを決めた実力派だ。デビュー当時のキャッチフレーズは“天まで響け岩崎宏美”で、最初からその歌唱力で勝負しようというスタンスがわかる。1995年発売のシングル『ロマンス』でオリコンチャート1位を獲得。様々な音楽賞で新人賞を総なめにしたほか、同年末には『第26回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場を果たしている。1976年発売の「センチメンタル」は、フィリ―ソウル歌謡の先駆けといっても差し支えない名曲である。そんな岩崎の転機となる1曲が「聖母たちのララバイ」(1982年)である。
本曲は2時間ドラマ『火曜サスペンス劇場』(日本テレビ系/1981年)の主題歌に起用され、彼女を代表する大ヒット曲となり、同曲で『日本歌謡大賞』の大賞を受賞している。1995年からは、幅広いジャンルのアーティストとのコラボレーションを開始。カバーアルバムも好評で、2019年までに洋邦問わず、13枚のカバーアルバムをリリースしている。近年では、単独でのコンサート、実妹である岩崎良美とのコンサート、アコースティックコンサート、ピアノと歌だけで聴かせる『ピアノ・ソングス』など、様々なスタイルのコンサートを並行して行い、全国各地でその歌声を今でも響かせている。
最後は岡田奈々。AKB48の元メンバーである岡田奈々の認知度が上がってからは“昭和の岡田奈々”とも呼ばれ、その存在感はデビュー当時から変わっていない。1975年に、シングル『ひとりごと』で歌手デビューを果たした岡田。同年にはポッキーの初代CMガールに抜擢され、同時期にライオン油脂『エメロンシャンプー』のCMにも出演していることに加え、テレビドラマ『俺たちの旅』(日本テレビ系/1975年)に主人公の妹役で出演するなど、まさに一瞬で“お茶の間”の人気者になった。歌手活動でも『青春の坂道』(1976年)などをヒットさせ、定期的に新曲をリリース。歌手、俳優、CMと、テレビというメディアを網羅した、岡田の多角的な活動スタイルは、歌番組やコンサートを中心に展開していた他のアイドルや歌手とは、一線を画すものであった。
少し年代が前後するが、そんな多角的な活動スタイルの中でも、天真爛漫なキャラクターとキュートな歌声、その美少女ぶりで“清純派アイドル”というジャンルを作った岡田は、20歳頃から本格的に俳優業にシフトし、以降、多くの作品に多彩な役柄で出演。現在も活躍中だ。芸能活動のスタートから50周年を迎える2025年2月5日には、岡田がNAVレコードおよびキャニオンレコードより発売したアルバムをコンプリートした『青春のアルバム 復刻CDボックス』が高音質盤(UHQCD)で初リリースされる。
矢沢永吉、ゴダイゴ、岩崎宏美、岡田奈々ーーそれぞれが活動50周年を迎え、昭和、平成、令和という時代をまたぎ、その歩みが多くの表現者やファンに影響を与え続けてきた。彼らの「継続」が持つ意義とその軌跡は、今後も語り継がれていくだろう。
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