弓木奈於&奥田いろは、“乃木坂46に懸ける想い”を重ねた「歩道橋」 新体制目前の2024年に培ったもの

乃木坂46 弓木&奥田が振り返る2024年

「歩道橋」で気づいた“乃木坂46らしさ”の意味

──ここからは37thシングル『歩道橋』についてお話を伺っていきます。表題曲を初めて聴いたときはどういう印象を持ちましたか?

弓木:温かい曲だなって思いました。優しいメロディと相まって、全編通して聴き手に寄り添ってくれるような歌詞になっているんじゃないかなと。悩みがあったときに「こうすればいいじゃん」みたいにアドバイスしてくれる人もいるけど、私はどちらかというと「うんうん」って黙って聞いてくれて、「わかるよ」って寄り添ってもらったほうが嬉しいタイプなので、この楽曲はまさにそういう内容の楽曲なんじゃないかなと思いました。

奥田:私も「乃木坂46らしさ」が詰まった、温かさが伝わる曲だなと思って。歌詞を読むと、何歳になっても挑戦していいんだって思えましたし、どんな道を進んでいても、その道での葛藤とか悩みとかいろいろあると思うんですけど、そういうときに背中を押してくれるような曲だなって感じました。

乃木坂46 弓木奈於・奥田いろは(撮影=梁瀬玉実)

──奥田さんはこの楽曲で初選抜入りを果たしました。

奥田:本当にありがたいです。乃木坂46人生の中で選抜入りはひとつの大きな夢だったので、こんな素敵な楽曲で選んでもらえたことはすごく幸せですし、この期間は今私にできる最大限のことをぶつけていきたいです。

──歌詞の中で心に響いたフレーズってありますか?

奥田:36枚目シングル『チートデイ』でアンダーセンター(「落とし物」)に選んでいただきましたが、今回37枚目の選抜発表のときは「もうすぐ後輩も入ってくるし、もしここで選ばれなかったら、もう選抜入りは無理なんじゃないかな」っていう気持ちを抱えていたんです。なので、〈このチャンスをもし逃したら/信号までは遠すぎる〉っていうフレーズは今の自分の状況と重なりすぎて、すごく刺さりました。

弓木:私は……最後に〈このまま 渡ろう〉というフレーズがあるじゃないですか。その前には〈本当に渡っていいのかなって…〉とすごく躊躇しているんですよね。先に何があるかもわからないし、明るいのか暗いのかもわからない状態で「どうする?」って聞かれて迷うことは、誰しもあると思うんです。私自身、4期生として乃木坂46に加入する前は坂道研修生としてレッスンを続けていたんですが、研修生として活動するかどうかは自分の意思で決めることができたんです。私はその時点で20歳になっていたし、家族も多かったので安定した道を歩いた方が家族としても経済的に助かるんじゃないかなと思って、一度は諦めようかと考えたこともあったんですけど、母親も父親も「全力でやってダメだったら、それで辞めても後悔しないかもしれないけど、やる前から諦めたらあとで絶対後悔するから、私たちのことは気にしないでやっておいで」と言ってくれて。その言葉があったから私は今ここにいるので、〈このまま 渡ろう〉というフレーズは私には「ひとりぼっちじゃないよ、このまま一緒に渡ろう」と言われているような気がして大好きです。

──そう考えると、この歌詞は主人公の独白というよりも、他者から言ってもらっている言葉なのかもしれないですね。だからこそ、より温かみが伝わるというか。

弓木:そうですね。乃木坂46ってメンバーはもちろん、ファンの方もスタッフさんもそうですけど、誰かがくじけそうになったときに「助けたいな、補いたいな」って思えるような方が周りにいっぱいいるので、それがきっと「乃木坂46らしさ」につながっているんじゃないかなと思います。

乃木坂46 弓木奈於・奥田いろは(撮影=梁瀬玉実)

──この曲は11月9日にYouTube生配信にて初披露されました。

奥田:生配信で一発勝負だったので、ドキドキしました。

弓木:本番で使った歩道橋に行く前も何時間も練習して、実際に現場に着いたあとも入念にリハーサルしました。

──お二人が登場するのは2番からだったので、待機しているときは寒さ対策含め大変だったのでは?

奥田:そうなんです! でもカメラが来た瞬間みんなスイッチが入って、ちゃんと綺麗に見せられる。その姿がやっぱりプロだなって思いながら、客観的に見てました。

弓木:あーや(小川彩)が私の隣だったんですけど、ずっと「はぁ……緊張するなぁ、緊張するなぁ……」と言っていて。私も少しでも緊張をほぐせればなと思いながら、「奈於のカイロになってくれる?」とか言って、ちょっとふざけて、あーやに抱きついて温め合っていました(笑)。それこそ、私たちの歌割りの直前までギュッとしていたんですけど、私も安心したし、あーやも「弓木さんがずっと隣にいてくれて安心しました」と言ってくれて。こっちからしたらしてやったりなんですけど(笑)、とっても嬉しかったです。

奥田:私は隣にやんちゃん(金川紗耶)がいて、ずっと喋ってお互いにテンションを上げていました(笑)。生配信っていう独特の緊張感はあったんですけど、いろんな場面でメンバーに気持ちをほぐしてもらえた気がします。

乃木坂46『歩道橋』

──振り付けに関して、印象的なパートってありますか?

奥田:私はサビで、みんな一度後ろ向きになってから順番に戻ってくる振り付けがすごく綺麗で好きです。サビという大事なパートなのに、一旦後ろを向くっていう斬新さも好きですし、何よりすごく綺麗なので。

弓木:パッと広がるんだよね。

奥田:そうなんです。あそこは見応えがあるんじゃないかと思います。

弓木:私は2番に出てくる“シェネ”っていう、くるくる回る動きが印象的で。いろはが言ったサビの、1回縮まって後ろを向いて、そこから回転しながら広がるっていう振り付けなんですけど、振り付けの先生が練習のときに「ここのシェネは大事だからね」と何回も言っていたんです。それがあまりにも続くものだから、メンバーもシェネって言葉を使いたくなっちゃって(笑)。

奥田:みんな言ってましたね(笑)。このシングルまではシェネって知らなかったんですよ。

弓木:知らなかった! 田村真佑なんて最初は間違えて“シャニ”って言ってたんですけど、私は「え、シェネじゃない?」とずっと思っていたんです(笑)。でも、振付師さんが「シェネですよ」って指摘したら、「知ってますよ?」っていう顔をしていて、それが可愛いなと思いながら見てました(笑)。

──(笑)。今回のMVについても教えてください。

弓木:歩道橋で撮ったイメージカットとダンスシーンが中心で。私たちは黒い衣装に身を包んで、雪が降っている中エキストラさんが傘をさして行き交う中でダンスしています。

奥田:実際に撮った映像を観たら真っ黒な衣装と真っ白な雪の対比がすごく綺麗でした。

弓木:1サビとか2サビまでは歌詞のように、まだまだ躊躇していて殻に閉じこもっているような雰囲気なんですけど、ラストサビでは前半とは違った表情やパフォーマンスになっているので、そこにも注目してほしいです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる