稲垣吾郎、50代に突入して見つかった新たな顔 歌手、愛猫、ラジオ……余白とゆとりが魅力に繋がった一年
稲垣吾郎が、12月8日に51歳の誕生日を迎えた。2024年は50代に突入するという節目の年だったが、この一年を振り返ってみるとますます大人の色気が漂っていたように思う。それは、キャリアに裏付けされた高い対応力からくる余裕であったり、相手はもちろん自分自身をいわば許していく肩の力の抜け具合だったり。“ゆとり”や“隙”と呼ばれる遊びの部分が広がり、さらなる魅力として光った一年だったのではないだろうか。
引き出しの多さを見せてくれたバラエティでの立ち振舞い
たとえば、レギュラー番組『ななにー 地下ABEMA』(ABEMA/以下、『ななにー』)の#51(2024年12月1日放送)は、ななにーメンバーの私物をガチ鑑定する人気企画第2弾がオンエアされた。そこで、進行役のキャイ~ン・天野ひろゆきから「吾郎ちゃんはいかがでしょう?」と振られた稲垣は、表情はクールなままではありながら、どうやら不満があることが窺える雰囲気に。なんでも、前回は大好きなヴィンテージカメラを扱っていたのに、今回はそれがないと聞いて納得がいかないようなのだ。そして、「カメラはいまいちみんな刺さんなかったのかな?」とカメラの向こうにいるスタッフたちを一瞥してみせ、笑いを誘う。
穏やかな口調でありながらピリッとしたものを感じさせ、笑いにしていく。ともすれば、そのピリッとした部分が少しでも強すぎれば笑えない世の中になったことを考えても、なんて絶妙なバランスなのかと感服する。それができているのは、きっと稲垣自らが時には汚れ役も引き受けることを私たちは知っているから。この時も天野にすぐさま「今日、これ“背もたれ吾郎”です!」とイジり返されていた稲垣。そのイジりに対しても、「そうそう」と言うかのように静かに頷いているのも面白かった。
また、その前週に放送された#50ではシングルマザー&シングルファザーたちをゲストに招いて、その苦労や悩みを知ろうという企画が行われたのだが、「僕もシングルです」と率先して自らイジられにいく様子も見受けられた。その場に合わせた温度感の立ち回りに磨きがかかったのは、きっと生放送の帯ラジオ番組『THE TRAD』(TOKYO FM)を続けてきていることも大きいのではないか。11月11日にはとんねるずの木梨憲武がゲスト出演したが、「まだ言っちゃいけないのでは?」という音楽番組への出演情報が飛び出すなど、ハラハラな展開に。だが稲垣はまったく動じることなく、むしろそのハプニングも楽しむかのような余裕を感じた。
そして、2024年は愛猫にメロメロな新鮮な顔を積極的に見せてくれたのも新たな動きとして印象に残っている。『ななにー』#39(2024年8月25日放送)、#40(2024年9月1日放送)では『いぬ好き、ねこ好き芸能人が大集合!ペットの激カワ自慢&プライベート映像大公開SP』をオンエア。稲垣はねこ好きチームのリーダーとして、2年前に迎えたというブリティッシュショートヘア、ペルシャ、ミヌエットの3匹について表情を緩ませながら語っていた。これまでもデリケートな植物たちを大切に育てていた稲垣だが、動物を家族として迎えて愛でる様子は新鮮そのもの。猫たちに翻弄されながらも、メロメロになっているプライベートを想像すると、ピシッと整えられた稲垣のパーソナルイメージが、その懐に飛び込みやすい印象を与えてくれるようだった。思い通りにはいかないけれど、そこにたしかにある愛らしい魅力で思わず笑顔になる。稲垣の見せる隙は、まるで猫のようなしなやかな動きに影響されたものかもしれない。
この投稿をInstagramで見る