Touaは“YouTuberの音楽”に対する偏見を打ち砕く 初EPに込めた現代的なメッセージと音楽的挑戦
今やYouTuberやインフルエンサーがアーティスト業に挑戦することは珍しくはないが、本業ではない者が音楽活動に挑むことを良く思わない人も少なくはないだろう。しかし、自身が辿ってきた過去や見てきたもの、感じてきたことを投影したリアルなメッセージをさらに広く発信するため、音楽活動に挑戦する者も確かに存在する。
そんなアーティストのひとりがToua(とうあ)だ。性別にとらわれない自由なビジュアルや考え方と個性的な言動で10代、20代を中心に人気を集め、SNSの総フォロワー数は300万人超え、Z世代のニューアイコンとの呼び声も高い。11月27日にリリースした初のEP『I am I』を聴けば、「YouTuberが音楽に挑戦してみた」といった生半可な動機ではなく、確かな足取りで、本気で音楽に取り組んでいることが分かるはずだ。
Toua(とうあ)といえば、日常的にSNSで自身のありのままの姿を発信し、誰もが共感できるメッセージを届けていることでも知られる。アパレルブランド「BG(ビージー)」のクリエイティブディレクターやモデル、YouTuberとしてもマルチに活躍しながら、自らの生き方を開拓している時代の申し子だ。SNSを通して不特定多数の声が目に入り、“自身の在り方”について悩み苦しむことも多い現代において、前を向いて自分らしく活動するToua(とうあ)の姿に日々勇気や元気をもらっている視聴者も多い。
EPのリード曲となるのは、7月26日にリリースされ、TikTokでも話題となった2ndシングル「I am I」だ。型にはまらないスタイリングでさまざまな自分になるMVや、〈OK OK あたしのまんまで!〉〈OK OK 生まれたまんまで!〉とありのままの自分を認める歌詞は、日々を懸命に生きながら不安や悩みを抱えるリスナーの共感を集め、MVにはポジティブなマインドに救われている旨のコメントが数多く寄せられている。本作が包含する“ありのままの自分を愛する”というテーマは、まさにToua(とうあ)の活動に一貫しているメッセージであり、YouTuberとしての活動とアーティスト活動が延長線上にあることが見て取れるのではないだろうか。
Toua(とうあ)は本楽曲が生まれた経緯について、「本当に私って、恋愛のことだったり人間関係だったり、仕事のこともそうだし、すごいたくさんお悩み相談をいただくの」としたうえで、そのようなDMのメッセージを見て「もっとありのままで自分らしく生きたらいいのに」と思ったことを歌詞に落とし込んだと語っている(※1)。昔の自分と似ていて共感できる点も多く、そういった部分ともリンクさせて制作したそうだ。