THE ALFEE、イルカは二度目の出場 GLAY、高橋真梨子……ベテランアーティストの『紅白』出場の歴史
『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の出場アーティストが発表となり、1年の終わりが近づいていることを感じさせる。『紅白』と言えば特に初出場アーティストが話題に上がることが多いが、今年はベテランアーティストのカムバックにも注目が集まっている。本稿では『紅白』のステージに久しぶりの登場となるアーティストを紹介する。
1983年の『第34回NHK紅白歌合戦』以来41年ぶりの出場となるTHE ALFEE。1983年に初の日本武道館公演開催、シングル『メリーアン』のヒット、そして翌年の1984年には『星空のディスタンス』も大きなセールスを記録し、テレビへの露出も増加するなど、前回の『紅白』出場前後はTHE ALFEEの活動におけるターニングポイントの時期だった。
今年は、ベストアルバム『THE ALFEE 50 SONGS 1974-1996』やトリビュートアルバム『五十年祭』のリリース、さらには展覧会『THE ALFEE'S LEGACY ~50年の足跡~』、神奈川県・Kアリーナ横浜でのアニバーサリーライブ『U-NEXT Presents THE ALFEE 2024 Wind of Time 50年目の夏祭り Supported by 第一興商』、そして全国ホールツアー『THE ALFEE 50th Anniversary 秋の祭典』、恒例の武道館公演の開催と、デビュー50年を迎えたベテランとは思えない幅広い活動を展開してきたTHE ALFEE。彼らにとっても大きな節目となった2024年の締めに相応しいパフォーマンスに期待がかかる。
1992年の『第43回NHK紅白歌合戦』以来32年ぶりの出場となるイルカ。当時の歌唱曲は「なごり雪」だが、実はこの曲はイルカの持ち曲ではなく、フォークバンド・かぐや姫のカバー。1975年にリリースされたイルカのカバーバージョンによる「なごり雪」はいわゆるニューミュージックの潮流の中、当時の日本音楽シーンにおいては異例となるカバーソングのヒットとなった。
前回の出場時はイルカの「なごり雪」から南こうせつの「神田川」へと連なる曲順となり、フォークソングとニューミュージックの系譜、そして「なごり雪」の成り立ち、ひいてはかぐや姫とイルカの関係性も踏まえた流れだったと言えるだろう。そして今年は32年ぶりにイルカ、そして南こうせつがともに『紅白』のステージに登場する。32年ぶりの共演にも期待したい。