櫻坂46の海外進出が示すグループの明るい未来 香港でも初ステージ、アイドル文化の架け橋となる可能性

 そして、まもなく開催される『Clockenflap Music & Arts Festival 2024』には11月30日に出演する。過去にはmilet、BABYMETAL、CHAI、羊文学、MONOといった日本のアーティストが出演してきたが、櫻坂46は日本人アイドルグループとして初となるメインステージ「Harbourflap Stage」に立つ。このことからも、櫻坂46が海外、特にアジア圏において高く評価されていることが窺える。『アップトゥボーイ』vol.335(ワニブックス)で行われた大園玲と守屋麗奈の対談の中で、守屋は「Buddiesの皆さんと櫻坂46メンバーが一体となって同じ方向へと進むことができた実感があります。Asia Artist Awardsではすごく刺激を受けました。私たちももっと実力をつけて世界でも戦えるようになりたいと思っています!海外でも単独ライブができるグループになることが目標です!」(※2)と海外単独ライブへの意欲を見せていたが、櫻坂46は着実にグローバルなアイドルグループへと成長している。

 昨年も海外進出に関するコラム(※3)で振り返ったが、櫻坂46が海外で評価されている理由のひとつは、そのパフォーマンス力の高さにある。これまで日本のアイドルは海外では通用しないという言説が当たり前だった。それはアイドルの成長過程を見守ることが文化として根付いている日本の価値観が、表現者としてのクオリティを求める傾向にある他の国々の価値観とは合致しないことも大きく関係していると思う。その意味では、昨今韓国のアイドルグループが国外で評価されているのは、グローバルな価値観に適応してきているからだと言えるだろう。

 しかし、近年は日本ならではのアイドル文化がSNSなどを通じて広まりつつあり、徐々に受け入れられてきた。その文脈の中で、櫻坂46は日本や韓国などのアイドルグループとも異なる、パフォーマンスの総体としてのクオリティを突き詰めていった結果、独自の世界観を築き上げている。ダンスパフォーマンスや映像の表現に言語の壁は一切ない。櫻坂46のクリエイティビティこそが海外進出を進展させた大きな要因である。

 守屋の言葉からもわかるように、櫻坂46が見据えているのは海外での単独ライブと、その先にあるグローバルでの評価だろう。日本の“KAWAII”文化がアイドルシーンで再評価されている中で、櫻坂46は違った形で海外との架け橋になろうとしている。

※1:https://sakurazaka46.com/s/s46/news/detail/E00350
※2:https://news.mynavi.jp/article/20240123-2868055/
※3:https://realsound.jp/2023/08/post-1405319.html

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