稲垣吾郎と木梨憲武、久しぶりの再会で繰り広げたスター同士の“チャンバラ” SMAP&とんねるずの絆も

 稲垣吾郎がパーソナリティを務めるラジオ『THE TRAD』(TOKYO FM)の11月11日放送回に、木梨憲武がゲストとして生出演。登場するやいなや圧倒的なパワーを見せつける木梨と、どんな発言にも柔軟に対応していく稲垣という、スター同士の“チャンバラ”のようなトークが繰り広げられた。

 まずは先手、稲垣が「いらっしゃいませ、『THE TRAD』にようこそ。お待ちしておりました」と、いつも通り架空のレコード店『THE TRAD』の店長としてゲストを迎えるセリフを放つ。すると、「あ、いいですか? お邪魔して。店長! 店長!」と、おどけながらまくしたてる木梨。これには稲垣も「どうしようかな」といなしてみせる。すると、すかさず木梨が「おじさんでも入っていいお店ですか?」と応酬したかと思えば、今度は稲垣が「はい、僕もおじさんですから」と受けて立つのだった。

 さらに木梨が「吾郎ちゃん!」と声をかけると、稲垣が「吾郎ちゃんですよ! 吾郎ちゃん、久しぶり?」なんて茶目っ気たっぷりに返す。そんなふたりの声は、ラジオであるがゆえに顔こそ見えないものの、口角が上がるのを抑えきれないといった様子。ともに平成を戦い抜いてきたSMAPととんねるず。ふたりは久しぶりの再会を喜びながらも、お互いにその腕が落ちていないかと手合わせしているかのようだった。

 続けて、木梨は「すれ違わないもんだね」と、稲垣とは仕事やプライベートでもなかなか遭遇することがなかったという話を展開していく。「(香取)慎吾ちゃんは展覧会に行ったり、俺のも来てくれたり。木村(拓哉)さんはDA PUMPのライブですれ違ったり……」と次々にSMAPメンバーとの接点について語りだしたのだ。

 少し前までSMAPの話題を出すことさえも緊張感が走る時期があったからだろうか、まだどこかでSMAPメンバーの名前が出ると、「稲垣はどういう反応をするのだろうか」と、つい身構えて聞いてしまう。だが、当の本人である稲垣はさらりと「草彅(剛)くんは?」「中居(正広)さんは?」と自ら話を広げていく。あまりに華麗な身のこなしに、そこに忖度するフェーズはすでに過ぎ去っているのだと涼やかに諭されているかのようだった。

 そんな稲垣に、木梨も安心して「SMAPとは長いよ」とトークを加速させていく。『第22回日本歌謡大賞』(1991年)にて、とんねるずが「情けねえ」で大賞を受賞した際、SMAPが「Can’t Stop!! -LOVING-」で最優秀放送音楽新人賞を獲ったと話し、「そのへんから歌やってんだよ、おじさんは!」と懐かしむ。

 それから30年以上の時が経つが、木梨はソロで歌い続けながら、自らリスペクトする多くのアーティストともコラボを実現させてきた。10月30日にリリースされた3rdアルバム『木梨ソウル』には松本孝弘(B'z)やナオト・インティライミ、AI、Crystal Kay、松下洸平などの名前も連なる。これだけのメンバーを集めることができるのも、“とんねるずのノリさん”だからこそ、と言いたくなる。

 そして11月8日、9日には、とんねるずとして29年ぶりとなる単独コンサートを日本武道館で開催するなど、年々パワーアップしていく印象だ。それは本人も「今、いちばん元気!」と豪語するほど。そんな精力的に活動する姿、充実した表情に「変わらない」という言葉をかけたくなるが、もちろん変わっていないものなどない。彼らは「おじさん」と自称するように、年を重ねていることから目をそむけて、無理して若くいようとしているわけではない。「朝2時半には起きてる」という木梨の発言に「自分も10年ぐらい経ったらそうなってるかも」という稲垣の発言からも、自身の変化に寛容でもある。

 時は流れる。誰もがずっと同じ状態ではいられない。ならば、そのうえで何ができるか。どうしたらファンを楽しませ、自分自身がご機嫌でいられるのかを考えていく。SMAP、とんねるずとして一時代を築いたうえに、さらに年を重ねてもずっと若々しく見えるのは、その活力が尽きないからだろう。

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