富田美憂、音楽とひたむきに向き合い続けた5年間の集大成と歓び 3rdワンマン『Violet Bullet』を振り返る

富田美憂、3rdワンマンレポ

 そんな富田だが、MCでアーティスト活動に対する悩みや葛藤があったと明かす場面があった。その最中に作詞をすることになり、自分とじっくり向き合った結果、「結局、自分が楽しいと思うほうに行けばいいんだ」と思えるようになった、と。

 「だから、今は楽しい! 今日も楽しい!」と笑顔を浮かべる富田。そうして歌詞を書き上げた楽曲「Stellar」は、「『歌を手放さない』という決意表明です」と伝えられ、ライブ本編のラストに披露された。悩みや葛藤を振り切り、心身ともに強くなった彼女の歌声は、より一層豊かで、澄み渡っていた。

 さらにアンコールを受けて再登場した時には、この日初解禁となったギターを弾きながら歌唱。「Golden Rain」を歌い切り、「難所を越えたー!」と喜んだ。

 バンドとともに生で音を作り出せるライブ空間で、歌はもとより、ギターにも挑戦。彼女は、ライブでできるすべてをこの公演に詰め込み、「楽しい!」と感じられるようになった音楽を、より好きになろうとしていたように思えた。そんな折、マイクを通して観客に伝えたのが、冒頭の「今まででいちばんのびのび歌えた気がしてる!」「楽しかった!」だ。

 一度は葛藤を感じた音楽を再び手に入れた彼女。「ライブが楽しい!」という気持ちは、音楽への愛にほかならない。アーティスト・富田美憂はこの先、これまで以上の愛をもって音楽と歩んでいく。

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