iScreamが求める、自分らしい生き方という光 『TWENTY』で再確認した3人ならではのカラー
——4曲目に収録された今作のリードトラック「ハルジオン」は、Da-iCEの花村想太さんがプロデュースした楽曲です。皆さんの歌声が十二分に活かされたバラードだと感じたのですが、この曲に込めた想いを聞かせてください。
HINATA:「ハルジオン」は久々のバラード曲です。お互いを想いあっていた男女が、似た者同士だからこそすれ違ってしまった、関係の終わりのタイミングを描いた楽曲で。歌詞は1番が男性目線、2番が女性目線で描かれているんですけど、この曲で初めて男性目線での歌詞を歌ったんです。1番では男性目線で〈震えてる背中見送った〉、2番では女性目線で〈振り向かず背中で待ってた〉と、歌詞を読めば読むほどエモくて切ない。その雰囲気にぜひ浸っていただきたい楽曲です。
——こういう「不器用な愛」や「関係性の終わり」を描いた楽曲を歌う際、皆さんはどのように気持ちを作り込んでいくのでしょう?
RUI:この曲に関しては、歌っているうちに世界観に浸っていくことができました。レコーディングの後半では「本当に切ない、悲しい」ってずっと言っていた気がします(笑)。ドラマのように世界観にグッと引き込まれていく、パワーのある楽曲を作ってくださった花村さんには本当に感謝していますし、すごい方だなと改めて感じます。
——花村さんとは、どのような経緯でコラボレーションするに至ったのですか?
HINATA:実は、花村さんが以前から、私たちの1stアルバム『i』に収録した「茉莉花 -Jasmine-」という楽曲を気に入ってくださっていたんです。SNSでもこの楽曲のことを大好きだと公言してくださっていたんですけど、そこから今回やっと、満を持して楽曲提供していただくことができました。花村さん自身、アーティストとして活動されていますから、分かり合える部分がたくさんあって、レコーディングなどでも密にコミュニケーションをとりながら制作していきました。
RUI:花村さんは、私たちから見ればめちゃくちゃ大先輩。ですが、レコーディングでは同じアーティストとして対等に接してくださったのが印象的でした。自分たちが表現しようとしているものを全肯定してくださって、2つの歌い方で迷ったときも「RUIさんのやりたいほうで」と任せてくださったのが嬉しかったです。デモ音源は花村さんが歌ってくださったんですけど、実際にこの曲を歌ったことのある方だからこそのディレクションですごく説得力がありましたし、特別レッスンを受けているような気持ちになりながら、とても貴重な時間を過ごすことができました。
——5曲目「Runnin'」に込めた想いやコンセプトはいかがですか?
YUNA:この曲は、Dr.Rさんと曲を作り始めてから、次にどういう作品を作りたいのかを話し合う中で出てきた私の想いや感情を原案に、最終的に3人の意見を組み合わせて完成した楽曲です。例えば、周囲に「こうしなさい」と自分のやるべきことを決められてしまって、「本当はこういう生き方をしたいのに」「本当の私はこうじゃないのに」と感情が爆発することって、特に若い方だとあると思うんですけど、そういう夜中に突然家を飛び出して走り出したくなってしまう気持ちを曲の中で描いています。
自分らしい生き方を光として求めつつ、それを許されない現状にもどかしさを感じるような、複雑な感情を歌っていますね。私は歌詞の中でも、大サビの直前にある〈きっと叶わない 叶えられない願い そんな言葉に泣くのは一度きり〉〈自由は奪えない〉という言葉が好きで。人に左右されずに、自分らしく自由を大切にしていたいというメッセージがこの歌詞に込められているので、大切に歌っていきたいです。
HINATA:この楽曲はまだリリースしていない時でも、プライベートでもずっと聴いているくらい大好きな楽曲で。ツアーのタイトルを考えたときも、「Runnin'」以外あり得ないなと思ってしまうくらい、メッセージ性の強い楽曲なので、11月から始まるツアーに繋がっていく、架け橋のような楽曲になっていると思います。
RUI:私もHINATAと同じく、プライベートでも「Runnin'」をめちゃくちゃ聴いています。iScreamの中でも一番ディープな曲ができたと感じていて。きっとこういう楽曲は、10代の頃だったら歌い切れていなかったと思うんですね。グループとして「Runnin'」のような楽曲を歌える雰囲気になってきたことが大きな変化だと感じますし、すごく嬉しい。iScreamの成長を実感できる楽曲になっていると思います。
——「自分らしく自由に生きる」というメッセージを伝えるためには、メンバーの皆さん自身がその大切さを実感して、価値観として持っていないと難しいのかなと思ったのですが、3人の中でどのように価値観をすり合わせていったのでしょうか。
YUNA:お互いの価値観や考え方を確認する場を特別に設けたというよりも、少しずつお互いの考え方が合ってきたというほうが正しいかもしれないです。
RUI:YUNAの考えを聞いて、共感できる部分を確認して、逆に自分の意見を少しずつ加えていった感じですね。歌詞を書くときは、自分の想いもしっかりと書きつつ、他の2人の考えや想いもイメージしながら言葉を選びました。
YUNA:私の言葉に2人が寄り添ってくれる部分もあれば、逆に1人の言葉で歌詞や曲の方向性が決まることもあったかな。
HINATA:3年間ずっと一緒にやってきたからこそ、あえて言葉にしなくても分かること、感じることが各々あると思っていて。皆がもともと持っていた想い、言葉を楽曲制作の中で再確認できたのかなと思います。
YUNA:今回のEPは自分たちの主張をたくさんしている作品なので、改めて自分の感情や意思、グループのカラーに思いを巡らせることのできた良い機会になりました。
2024年のiScreamを凝縮したパフォーマンスをツアーで展開
——11月28日から始まる全国ツアー『iScream LIVE TOUR 2024 "Runnin'"』の注目ポイントや、ツアーにかける想いを教えてください。
YUNA:今回のツアーは、今までのような“ガーリーさ”はないのかなと思います。私たちはこれまで、どちらかというと女の子の可愛らしい部分をたくさん歌ってきましたけれど、今回のEPに収録された楽曲やアーティスト写真から伝わってくる、自信たっぷりでクールなイメージそのままのステージを作っていきたいです。今のiScreamの姿を自信を持って届けていきたいですね。本当に今までのツアーの雰囲気とは全く違うものになると思いますし、これまでの楽曲と今回新たに追加された楽曲とのギャップも楽しんでいただければ嬉しいです。
HINATA:3カ月連続リリースと2ndEPのリリースを経て、2024年最後のライブなので、今年のiScreamを凝縮したパフォーマンスを観ていただけると思います。今回、自分の地元の仙台にも訪れるんですけど、また1つ新しい地域でiScreamのライブを開催できることがすごく嬉しいです。初日が地元での公演なので、個人的にはすごく緊張してそわそわしているんですけど(笑)。 でも、iScreamはライブあってのグループだと思いますし、盛り上がれる楽曲もたくさん増えたので、またおもしろいライブになりそうだなと今からワクワクしています!
RUI:今回の全国ツアーは5公演ありますが、あっという間に過ぎていくんだろうなというのを、今からすでに感じていて。なので、一つひとつの公演でしっかりと覚悟を持ってステージに立ちたいですね。自分たちのこだわりやプライドを詰め込んだ楽曲が5曲も加わって、私たちのコンセプトを理解して応援してくださるたくさんのファンの方々がいて、最高のライブにするための材料は全部そろっていると思うんです。ここまでつくり上げてきた作品をライブで体現できてこそ真のアーティストだと思うので、責任と覚悟を持ちながら、頑張っていきたいなと思います。
HINATA:「あとは調理するだけです!」ってね(笑)。
RUI:そう、あとは調理するだけ(笑)。頑張ります!
——ツアーに向けて、ファンの皆さんに準備してきてほしいことは何かありますか?
HINATA:グッズのタオルと、ペンライト、あとは楽しむ気持ち(笑)! 今回のグッズは、iScreamがこれまでよく使っていたピンクや紫ではなく、赤と黒で統一して作りました。なので、ステージからまた違った景色が見えるのだろうなと思うと、すごくワクワクします。タオルは思う存分、毛玉ができるまで回してほしいです(笑)。ライブならではのあの熱気を感じられることを楽しみにしています。
RUI:楽しむ気持ちさえ持ってきていただけたら、ずっとファンでいてくださっている方も、新しくファンになってくださった方も、盛り上がれるライブになると思います。iScreamの楽曲は、今回のEPでこそクールな楽曲が揃っていますけれど、本当にあらゆるジャンルの楽曲でいろいろな感情を歌っているので、どんな方でも絶対にどれか1曲は自分の今の気持ちにぴったりとフィットする楽曲があると思います。それがiScreamの強みだと思いますし、気持ちを乗せられるようなパフォーマンスをしていくので、ぜひ楽しみに待っていてください!
——2024年も残りわずかですが、今年中にやり切りたいことは何かありますか?
RUI:えー! あと3カ月しかないんですね! やり残したこと、何かあったかな……。
HINATA:私は、メイクでキャットアイを上手くつくれるようになりたいです。「Sorry Not Sorry」からビジュアルをチェンジして、MVとかアーティスト写真では、メイクさんに猫目になるようなアイラインをしてもらっているんですね。それに合わせて今、プライベートの服装も改革しているところなので、今年中にキャットアイのアイラインを自分で上手に引けるようになれたらなと思います。
RUI:それで言うと、私は今年中に部屋の模様替えをしたいです。
HINATA:それ、去年も言ってたよね(笑)。
RUI:うん(笑)。でも、去年はやれなかったんですよ。去年も年の瀬に「模様替えをする!」って宣言していたんですけど、普通に年を越して、春と夏が過ぎてしまったので(笑)。今年こそは落ち着いた雰囲気の部屋に変えたいなと思います!
YUNA:私もいろいろ考えてみたんですけど、シンプルに仕事を頑張りたいなと思いました。去年は私にとって結構悔しさの残る年だったので、今年はツアーでも他の仕事でもいろいろな想いや夢を形にできている分、最後までやり切りたいなと。
——昨年は、どんなことに悔しさを感じていたのですか?
YUNA:何か特別な出来事があったわけではないんです。去年はツアーなど、いろいろなことを実現してやり切ることができましたし。でも、10代最後の年だったからこそ、デビュー当時からずっとやりたいと思っていてできなかったことも目についてしまったというか。だから今回、「自分で音楽を作る」という夢が叶えられて、本当に嬉しく思っているんです。iScreamとして掲げていきたいコンセプト、届けていきたい楽曲のイメージも明確になりましたし、今は少しでも早く、私たちの音楽やパフォーマンスを世の中のたくさんの方に知っていただきたいです。そのためにも、3人の個性や強みをさらに磨いて、光らせていきたいなと思います。
※1:https://realsound.jp/2024/01/post-1546680.html
■リリース情報
iScream
2nd EP『TWENTY』
2024年10月23日(水)リリース
商品形態:通常盤(CD) XNLD-10228 / ¥2,200(税込)
レーベル:LDH Records
収録曲:
1. Sorry Not Sorry
2. Jellly Fish
3. Kira Kira
4. ハルジオン
5. Runnin’
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