iScream、自信に満ちた歌声とダンスで圧倒的なステージに 夢を追い続ける約束を交わした『i2023』ファイナル

iScream『i2023』ファイナルレポ

 LDH発の3人組ガールズユニット iScreamが2月25日、東京・duo MUSIC EXCHANGEで『i -Special Edition-』リリース記念ライブ『iScream LIVE i2023』の最終公演を開催した。

 3人にとって初となるこの東名阪ライブのテーマは“約束の場所”。ファンと一緒に成長しながら夢を叶えることを決意するステージにしたいーーそんな想いから名づけられたものだ。名古屋、大阪の会場でたくさんのファンとの絆を深め、迎えたファイナル。ライブハウスならではの熱気が戻ってきた会場に流麗なピアノの旋律が響く中、ステージに現れた3人を大歓声が包み込んだ。1曲目は「ホワイト・ラブ」。3人の歌声と表現力だけでどこまでも景色を描いていけることを証明するような、堂々たるパフォーマンスだ。ライブのテーマにもある“成長”というワードをいきなり具現化したような3人の自信に満ちた姿は、間違いなくオーディエンスを圧倒するものだった。

 ステージを支配していた“静”の力強さから一転、軽やかなビートと共に空気が動き出した「Catwalk」からの4曲は、驚くほどのスキルアップを果たした3人のダンスパフォーマンスに息を呑んだ。もともとダンスの実力には定評がある彼女たちだが、ターンやステップの一つひとつが美しくキマっているのはもちろん、身体の動きそのものがまるで音楽を奏でているかのような一体感があったからだ。RUIとHINATAの長い髪がなびく時も、YUNAのスカートの裾が弾む瞬間も、キラキラとした音の粒が見えるような感覚。鏡を見ながら振り付けを覚えた結果ではなく、「目の前にいるファンのみんなにどうやったらこの愛が伝わるか」をワクワクしながら考えてきたからこそ、こんなにも躍動するパフォーマンスが生まれたのではないだろうか。「Catwalk」で3人がハグし合った時の可愛らしさ。コール&レスポンスでオーディエンスを巻き込みながらも、キレキレのダンスを見せつけ圧倒した「Sugar Bomb」の凄さ。今回のグッズであるリングライトが華麗に揺れた「Pendulum」から、女の子の強さと誇りを漲らせた「Scream Out」への流れも心地よく、iScreamの魅力を存分に散りばめた前半戦になっていた。

 会場に足を運んでくれたファンへの感謝を伝えるMCを挟み、ここからはラブソングを3曲。YUNAのホイッスルボイス、そして3人の大人っぽいボーカルが堪能できる「つつみ込むように…」は最後の部分を力強いアカペラで締めくくり、「恋するプラネット」と「Secret Love」では、可愛かったりもどかしかったりする恋のシチュエーションをキュートに表現した。

 夢の中へと誘うようなSEが、次のセクションの幕を開ける。まずはグッと大人っぽいボーカルで魅了するR&Bナンバー「夢色 Tear Drops」。楽曲のベースとなる世界観を作り上げるRUIの歌声にHINATAが色彩を加え、YUNAのニュアンスがグルーヴを生み出していく。アップテンポの楽曲でもしっかりと伝わってきたが、今回のライブでは3人の声の成分や特性を活かした選曲になっていたのが印象的だった。映像を取り入れたポップな演出で視覚的にも楽しめるようになっていた去年の『i2022』とは違い、3人の歌とパフォーマンスだけで勝負するといった潔い演出も、3人の自信と成長あってこそだろう。

 「この現代だからこそ感じてしまう悲しいことや、頑張っているからこそ抱えてしまう悩みや辛い思いがある中で、終わりが見えなくなっても、自分のことだけは、大切な人のことだけは、愛を持って大事にしたいという願いが書かれた曲です」(RUI)というメッセージを添えて披露された「愛だけは…」では、消え入りそうな繊細なフェイクや、生命力にあふれた渾身のロングトーンなど、感情をダイレクトに反映させたボーカルで魅了。サビの3声が美しく重なる「茉莉花 -Jasmine-」は、ドラマチックな世界観をより深く解釈したような説得力のあるボーカルに仕上がっていた。

 3人も右手にはめたリングライトを光らせながら歌った「Diamond」から、輝く未来に向かう気持ちをパワフルなハーモニーで届けた「So Bright」、そして記念すべきデビュー曲である「Maybe...YES」をファンと共に楽しんだあとは、ジャンプとクラップでさらに盛り上がる「Eyes to Eyes」へとテンポよく進んでいく。本編ラストは新曲「Love Me Better」が披露されたのだが、性別や音楽のジャンルは関係なく、自分らしさ/iScreamらしさを胸に、誇り高くパフォーマンスする3人の姿が印象的だった。

 アンコールでは、ジェシー・J、アリアナ・グランデ、ニッキー・ミナージュの「Bang Bang」、テイラー・スウィフトの「We Are Never Ever Getting Back Together」、映画『アラジン』でジャスミン役のナオミ・スコットが歌って絶賛された「Speechless」のサビをアカペラで披露。続く「himawari」のサビ頭もアカペラで見事に歌い上げ、透明感と力強さを併せ持ったハーモニーでオーディエンスの心を包み込んでいった。

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