LIL LEAGUE「2024年はグループの挑戦期」 “大人”な表現を手にして開いた新しい扉

LIL LEAGUE「2024年はグループの挑戦期」

 2022年、LDH史上最大規模のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』男性部門でグランプリを獲得し、アーティストの仲間入りを果たしたLIL LEAGUE。NEO EXILE世代の筆頭となる6人組グループが、7月31日に3rdシングル『Youth Spark』をリリースした。

 LIL LEAGUEはかねてから幅広いジャンルの楽曲を発表してきたグループだが、今作ではまた新たな表現の扉を開いた印象を受ける。タイトル曲「Youth Spark」では、70年代~80年代のファンクミュージックを基調としたサウンドの中で、これまでにないグッと大人びた表現を実現。そんな今作を制作する上で、LIL LEAGUEの6人はどのようなことを考え、意識してきたのだろうか。楽曲の制作秘話についてたっぷりと語ってもらった。(市岡光子)※取材は6月中旬に実施

10代らしいエネルギーと大人の色気が両立した「Youth Spark」

難波碧空、岡尾真虎、中村竜大

——3rdシングルのタイトル曲「Youth Spark」は、どのような楽曲なのでしょうか。

岩城星那(以下、岩城):「Youth Spark」は、ファンクミュージックが基調となった、明るくおしゃれなサウンドの楽曲です。実は僕と中村竜大が秋に20歳になるんですけど、メンバー全員が10代で迎える夏は今年が最後ということで、10代らしくはち切れるようなエネルギーを放ちつつ、でもどこか大人っぽさや色気を醸し出している、そんな雰囲気の楽曲になっていますね。

——楽曲を初めて聴かせてもらったとき、岩城さんのおっしゃる通り、大人っぽい表現が全開でLIL LEAGUEがまた新たな境地に達した印象を受けました。メンバーの皆さんは、この曲をもらったときの第一印象はいかがでしたか?

中村竜大(以下、中村):70年代、80年代っぽいサウンドの、どこか懐かしさを感じる楽曲だなと思いました。小さい頃からダンスレッスンを通じていろいろなダンスミュージックに触れてきたので、年齢を重ねた今、こういう楽曲を自分たちなりに表現できるのが嬉しいです。グループとしても、新しい挑戦がいろいろなところに散りばめられた楽曲になっていると思います。曲の冒頭もデジタル音ではなく僕らの声から始まっていますし、歌詞の内容もこれまでのような自然的なエネルギーではなく、自分たちから生み出す人工的なエネルギーみたいなものを描いていて。今の等身大の僕らを表現しつつ、グループとして未来を見据えたときに必要な大人っぽい表現を少し背伸びして追求できたんじゃないかなと思います。

岡尾真虎(以下、岡尾):今年の2月にリリースした1stアルバム『TRICKSTER』で「Lollipop」というダークな雰囲気の漂うHIPHOP調の楽曲をリリースしたんですけど、それを経て今回、ファンクというジャンルに行くとは思っていなかったので、結構衝撃を受けました。でも、メンバーやスタッフさんたちと歌詞の世界観や今この楽曲をリリースする意味を紐解いていく中で、自分の中でいろいろなことが腑に落ちてきて。この楽曲ならグループとして新しい扉を開けるなと思えましたし、メンバーと話し合いながら練習するうちに、この楽曲を完全に自分たちのものにして表現できるようになったなと思います。

岩城星那、山田晃大、百田隼麻

——「今この楽曲をリリースする意味」としては、どんな答えが見つかったのでしょう?

岡尾:メンバーと話す中で出てきたのは、どんなLIL LEAGUEにもなれる、どんな楽曲でも表現できるということを今作で示したいということでした。僕らはこれまで、明るい曲も暗い曲もかなり幅広いジャンルで表現をしてきましたけど、「Youth Spark」で新しいジャンルに挑戦して、さらに高まった表現力をお見せできたのかなと思います。

——レコーディングで意識したことがあれば教えてください。

難波碧空(以下、難波):たっちゃん(中村)も言っていたように、今回の楽曲は70~80年代が題材になっている印象が強かったので、レコーディングでは「海外のどこかの国の街中で音楽をかけて楽しんでいる人たち」を頭の中で想像しながら歌いました。僕の中では、ファンクってそういうイメージなんです。

 僕の場合は、頭の中に映像が浮かぶと、歌にも良い影響があって理想の表現に近づきます。楽曲の各パートで細かく表現を見直していくよりも、想像からインスピレーションを受けてレコーディングに臨むスタイルのほうがしっくり来たんですよ。そういう方法は今まで試してこなかったので、今回は個人的に新しい挑戦ができたレコーディングでした。

百田隼麻(以下、百田):僕は「Youth Spark」のような曲調の楽曲をあまり聴いてこなかったので、表現の仕方については本当にゼロに近い、全く知識のない状態でレコーディングに挑みました。自分なりにどういう歌い方がカッコいいのかを研究しながら、正解を探していって。アクセントを強めにして歌うことなど、ディレクターさんにもたくさんアドバイスをいただいて、それを真似しながら自分の色を出していくという作業を繰り返していましたね。

山田晃大(以下、山田):僕は真虎(岡尾)と一緒にユニゾンで歌うパートが多くて、特にBメロ前は楽曲のテイストを変えて盛り上げられるように、声の飛ばし方にはすごくこだわってレコーディングしました。これまでの楽曲にはなかったようなパートだったので、レコーディング前には真虎とニュアンスを合わせられるように、2人で何度も練習したんです。

岡尾:ユニゾンの部分は、ほとんどが英語の歌詞なんだよね。僕は英語の発音が少し苦手なので、英語が得意な晃大くんに発音の仕方を教えてもらったりして完成度を高めていきました。

——今回のレコーディングでは、SHOKICHIさんから何かアドバイスや声かけはありましたか?

岩城:それが、「Youth Spark」はレコーディングも新しい体制でやったんですよ。先輩方の楽曲を書き下ろしている方にディレクターとして初めて入っていただいて、その方を中心にレコーディングを進めていったので、自分たちにとっても新しい挑戦になりました。

——MVの見どころも知りたいです。

岩城:今回のMVは、自分たちのことを知っている方にも、新しく知ってくださった方にも、海外の方にも、どんな方にもシンプルに「おもしろい」と思ってもらえるような映像になっていると思います。ダンスシーンは朝から晩まで目一杯の時間を使って撮影したので注目してほしいですし、あとは今回、僕らが演技をするシーンもすごく多いです。バラエティ色の強い演技から小道具を使った演技まで、本当にいろんな挑戦をさせていただいて、新しい一面を出せていると思うので、僕らがどういう演技をしているのかぜひ楽しみに観ていただきたいです。一個一個のシーンが見逃せないと思います。MVを何回も繰り返し観て、「あ、このメンバーはこんな道具触ってる!」って思っていただけたら(笑)。

LIL LEAGUE 'Youth Spark' Music Video

——ダンスはどんな雰囲気の振付になるのでしょう?

岡尾:今回の楽曲はファンクミュージックなので、楽し気な雰囲気が振付にも出ていると思います。前作の「Lollipop」は世界観重視で振付もしっかり揃えることを大切にしていましたが、今回は特にメロの部分で、メンバーそれぞれの自由さや楽しさを表現することを意識しているんです。だけど、6人がバチッとキメるところはキメる振付になっているので、楽しさとカッコよさ、LIL LEAGUEらしさが全部詰め込まれたダンスになっています。これまで以上に一人ひとりのメンバーが楽曲に憑依している姿を見られますし、各自の自由さというか、それぞれの自然な表情が垣間見える振付だと思います。

百田:真虎が話してくれた楽し気な雰囲気の振付を披露する箇所は、実は僕がメインで踊るんですけど、本当に遊び心が満載のパフォーマンスで、めちゃめちゃカッコよくておもしろい、1つの作品としていい味を出している部分になっているので、そこはぜひ観ていただきたいです。僕の推しポイントです。

多彩なカラーのカップリング曲。メンバーイチ押しの必聴ポイントは?

——3rdシングルに収録された他の楽曲の必聴ポイントについても教えてください。

中村:2曲目の「The Walk」は、ありがたいことにアニメ『ぼのぼの』(フジテレビ)の主題歌として起用していただきました。LIL LEAGUEの楽曲の中では一番ゆったりとした曲調でありつつ、「Rollah Coaster」との繋がりを感じるような曲でもあって。コンセプトビデオも公開しているんですけど、ゆったりしたサウンドの中にわちゃわちゃと皆が集まってくるような、1つのストーリーを描いた映像になっているので、動物を描いたアニメにすごくぴったりな一曲になっていると思います。すごくキャッチーな曲なので、これをライブで披露するときは、みんなでゆっくりしながら楽しめる、遊べる時間になるんじゃないかな。

百田:「The Walk」は本当にゆったりした曲調だよね。こういう風な感じの(ゆったりとしたリズムを全身で刻み始める)。

中村:「こういう風な」って動いても記事じゃ伝わらないでしょ(笑)。

百田:ゆっくりノれるような、プールの上に浮かんだ風船みたいな楽曲なんですよ。僕もすごく好きな楽曲なので、本当に聴いていただきたいです。特に歌詞の中で〈ゆらゆら揺れる U.F.O oh oh oh oh oh〉っていうところがあるんですけど、そこが個人的にはめちゃくちゃ好きで。言葉に遊び心が感じられる歌詞になっているので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

LIL LEAGUE 'The Walk' Concept Video

——3曲目は「Beat Loud」ですね。

岩城:この楽曲は、すごく分かりやすくLIL LEAGUEの進化を伝えている楽曲なんじゃないかなと思っていて。アフロビーツというジャンルを基調にしながらも、HIPHOPだったり、R&Bだったり、いくつかの要素を混ぜ込んだ楽曲になっているんですけど、歌詞では自分たちが次世代を担っていく責任や覚悟を示しています。今までのLIL LEAGUEの雰囲気を本当にガラッと360度変えられるような楽曲というか。

山田:180度ね(笑)?

中村:360度じゃ戻ってきちゃうから(笑)。

岩城:はい(笑)。この楽曲を通じて、僕らの雰囲気が180度ガラッと変わっているんじゃないかなと思います。あと、「Beat Loud」のサビは岩城と岡尾の2人で歌っています。2人で低音が響く部分を担当したり、ボーカルラインは美しい高音が響くパートがあったり、魅力がたくさん詰まっている楽曲なので、ぜひLIL LEAGUEの「THE・カッコよさ」みたいなものを感じ取っていただけたらなと思います。

LIL LEAGUE 'Beat Loud' Performance Video

岡尾:この楽曲はYouTubeでパフォーマンスビデオが公開されているんですけど、LIL LEAGUEの中でもダンスが一番難しいと感じる曲です。振付の質感に特にこだわっている楽曲なので、練習では擬音を使いながらメンバーと振付を合わせていきました。でも、なんていうのかな、ただ振付の角度やタイミングを合わせるだけじゃないんですよ。それだけなら多分誰でもできると思うんですけど、メンバー間で楽曲の意味や想いを理解して、振付のニュアンスに対しても共通認識ができていないと魅せることができない楽曲なんです。なので、パフォーマンスを作る上では、さっき星那くん(岩城)が話してくれた「この楽曲で僕たちLIL LEAGUEが何を提示するのか」という部分は本当に大切にしました。こういう次元の振付は、たぶんこの楽曲以外ほかにないです。その背景を知った上でパフォーマンスビデオやステージを観てもらえると、新しいLIL LEAGUEを感じられて、鳥肌が立ってくると思います。

——4曲目の「HEAVY GAMER」はいかがですか?

難波:これはアニメ『シャドウバースF アーク編』(テレビ東京系)のエンディングテーマとして起用していただいた楽曲です。タイトルだけ聞くと、ゲームをやり込んでいる人、ゲームガチ勢みたいな印象を皆さん受けられると思うんですけど、歌詞にはもっと深い意味が込められているので、注目していただきたいです。パッと聴いた感じは、すごく爽快感のあるフレッシュな曲で、今まで自分たちがリリースしてきた楽曲と似たような曲調だと感じるかもしれません。でも、「ゲーム」を人生に例えて歌詞が作られていて、サビにも〈何万回生まれ変わっても 何がしたいか単純明快〉というフレーズがあるように、自分がどんな道を進んだとしても最終的には自分であり続けたいっていう強い意志や信念を描いているので、この楽曲を聴いて自分自身を肯定してあげられる部分がすごくあるんじゃないかなと思っています。

山田:この楽曲は、誰の人生にも絶対にある困難な出来事を〈無謀なダンジョン〉とか〈ハードなシュミレーション〉って言葉で表現して、比喩表現を織り交ぜながら世界観を描いているんですね。なので、老若男女問わず共感できる楽曲になっていると思います。アニメを観ている子どもたちにも伝わるものがあると思いますし、逆に人生経験を積んできて、いろいろな困難や挫折を知っているからこそ伝わるようなメッセージも込められている。何より僕たちもアーティストという道を選んで、今まで一筋縄ではいかなかったこともたくさんあったからこそ、説得力を持って届けられるエールソングになっている気がしていて。この歌詞のメッセージがファンの皆さんに伝わった時にはじめて、楽曲に込めた意味が完成するんじゃないかなと思うので、ぜひ歌詞に注目しながら、たくさんの方に聴いていただきたいです。

LIL LEAGUE 'HEAVY GAMER' Visualizar
LIL LEAGUE 'HEAVY GAMER' Dance Practice

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