GLAYが示したデビュー30年目の底力 『Back To The Pops』で首位獲得、大胆な“曲順”が生んだ効果

CD Chart Focus

参考:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2024-10-21/

 2024年10月21日付(10月15日発表)のオリコン週間アルバムランキングで首位を飾ったのはGLAY『Back To The Pops』で、推定売上枚数は25,773枚だった。ほか、トップ10圏内の初登場作品は以下の三作。3位に年内いっぱいでの無期限活動休止を控える和楽器バンドのベストアルバム『ALL TIME BEST ALBUM THANKS 〜八奏ノ音〜』(9,550枚)、7位には来年頭のライブをもって解散が発表されているでんぱ組.incのラストEP『We need the DEMPA』(6,022枚)、8位には女性向けコンテンツ『うたの☆プリンスさまっ♪』のドラマCD、『うたの☆プリンスさまっ♪HE★VENSドラマCD「新選組~残陽の行く末~」』(5,653枚)と、奇しくも活動に区切りをつけるグループの作品が2作ランクインした。

 さて、今回取り上げるのは首位のGLAY『Back To The Pops』。前作『FREEDOM ONLY』からおよそ3年ぶりとなるニューアルバムであり、デビュー30周年である2024年の今「ポップスへの回帰(Back to the pops)」を掲げた意欲作でもある。もっとも、アルバムの雰囲気からしても、あるいはメンバーインタビューを読んでみても、「ポップスへの回帰」というのは、20世紀のポップミュージック史を貫くような視座というよりも、むしろGLAYの面々が触れてきた、ある種の“原体験”として浴びてきたポップスと言える。

Back To The Pops “Albumovie”

 ENHYPENのJAYをフィーチャーし、オートチューンも取り入れたダンサブルなロックチューン(“デジタルロック”などと懐かしい言葉を重ねたくなる)「whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)」や、ピアニスト・清塚信也のピアノソロを大胆にイントロと楽曲終盤の間奏にフィーチャーした「なんて野蛮にECSTASY」など、バラエティ豊かな楽曲が並ぶ本作。個人的に惹かれたのはバンドらしいロックなアンサンブルが詰まった「V.」だ。曲の尺も2分55秒ほどとかなりタイトで、シンプルでインパクトのあるフレーズをシャウトするボーカルもアツい。一方で、ギターリフもギターソロも少しクセのあるフレージングで、パンク的なストレートさよりはポストパンク的な味わいのある、ひねくれた音選びがたまらない。

GLAY×JAY (ENHYPEN) / whodunit

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