pachaeの根底にある“変態的”なキャッチーさ 『妻、小学生になる。』主題歌にも表れるバンドの核
音楽の真理は聴いてくれる人を幸せにするためじゃない
ーーこの曲も歌詞がスッと入ってきますよね。先ほど「文句を言う曲はいくらでも書ける」と言われてましたが、こんなにストレートなラブソングはpachaeの中でも少ないのかなと思います。
音山:そうですね。僕は幸せ真っただ中、みたいな曲はそもそも何十曲もいらないとは思っているんです。音楽の真理は、聴いてくれる人を幸せにするためとかじゃないと思ってるから。
ーーと言うのは?
音山:幸せな人がより幸せになる曲の方が多いと思うんですけど、でも、音楽を聴く人間の割合は、絶対に辛い人の方が多いと思っていて。だから「私は最高です」みたいな曲を何十曲も出したくないのは、俺が「今幸せやねん」って言いまくってもな......というのがあるんですよね。今辛いと思ってる人に刺さる曲を書きたいから、「愛してます」みたいな曲を量産しないのはそういう理由があります。ただ、だからこそ、今回のように良い作品でこうした曲を書かしていただいて感謝してます。
ーーちょっと後暗い感情があったり、悲しいことを抱えてる人の方が音楽を求めてるんじゃないか、ということですか?
音山:割合としては絶対そうやなと思います。ただ、そこから救いますみたいな曲も書くつもりはなくて。なんとなくpachaeのみんなを見て元気になる、ぐらいが一番いいことやと思うんで。歌詞に依存するわけでもなく、曲に依存するわけでもなく、ライブに出ている僕らの姿を見ることに依存するわけでもなく、ほんまに明日から逞しく生きていけるみたいな世界を作り出せればと思っています。
ーー音楽はそのくらいカジュアルに楽しむものだと。
音山:音楽以外もそうだと思ってます。「これがないと生きていけない」をなくすのが、逞しいってことなので。
ーーなるほど。
音山:「これがあるとなおさら元気になる」というのが一番いいと思うから、そういう対象になれればと思っています。
ーー2024年は沢山シングルをリリースしてきました。メジャーデビューも果たし波に乗っている時期だと思いますが、これからどんな活動をしていきたいと思っていますか。
音山:自然の流れがそうさせてくれるのであれば全然違う曲も出したいですし、でもその合間にめっちゃpachaeっぽい曲もちょこちょこ出したいですね。
ーーpachaeっぽさっていうのは、どういうところにあると思いますか?
音山:そうですね、変態というか。
ーーやっぱりそうなんですね。
さなえ:(笑)。
音山:誰が弾けんねんみたいな、難しい曲もひとつの個性なんで。ただ、そこにもうひとつ、ライブでとにかく盛り上がる曲があると面白いと思う。今はライブにも力を入れたいんで、そういう曲を書きたいです。
バンバ:僕もライブを頑張っていきたい。ライブバンドって言われたい気持ちがありますね。曲がいいのは絶対として、それでライブもいいなら最強やんって思う。今出している音源って全部デジタルなので演奏している人が見えないと思うんですけど、ライブやったらそこにおる人に対して発信できるから。ライブってやっぱり凄いよなって最近思うので、そこでがっつり言っていきたいですね。
さなえ:「Trick or Trick」というツアーも決まっているので、初タイアップで繋がった皆さんと一緒に楽しんでいきたいです。
ーーマネージャーの方からは、同期は一切使わず生演奏でやっていると聞きました。
さなえ:そうです。
バンバ:当たり前すぎてそんなこと考えなかったけど、セールスポイントですね。
音山:ステージメンバーの出した音のみで作ってるんで、ほんまに地の力のみで演奏している生き残りのバンドですね。なのでほんまガチの音楽やとは思ってますし、他とは一味違うライブバンドになりたいですね。洗練されたフレーズとか非常に難しい楽器を横目で見つつ盛り上がってくれたらと思いながら最近はやっているので、是非観にきてほしいです。
■リリース情報
pachae New Digital Single 「アイノリユニオン」
配信リンク:https://pachaemusic.lnk.to/Aino-Reunion
■ライブ情報
pachae presents 『Trick or Trick』 vol.3
11月20日(水)愛知 CLUB UPSET
11月22日(金) 大阪 OSAKA RUIDO
11月28日(火)東京 shibuya eggman
各日対バン有り
全日程共通
OPEN 18:30 / START 19:00
チケット ¥3,500- / 学割 ¥2,800-(D別)
https://eplus.jp/pachae/