多次元アイドル『UniteUp!』の多面的な進化と挑戦 「Ready Steady Live」含む7曲連続リリース総括

『UniteUp!』、7曲連続リリース総括

 多次元アイドルプロジェクト『UniteUp!』が、9月11日に「Ready Steady Live」をリリースした。本楽曲は、6月から行われた7曲連続デジタルシングルリリースの最後を飾る全体曲である。

 今回はこの「Ready Steady Live」と、これまでリリースされてきたPROTOSTAR、LEGIT、JAXX/JAXXの楽曲を含めた7曲を中心に、各ユニットの個性と魅力、『UniteUp!』の現在地を振り返ってみたい。

 “王道”を掲げ、ユニークなアイドルソングを数々リリースしてきた、清瀬明良(CV:戸谷菊之介)、直江万里(CV:山口諒太郎)、五十鈴川千紘(CV:平井亜門)の3人から成るグループ・PROTOSTAR。今回の連続リリースで放たれた「愛のリグレット」はグループ初の歌謡曲テイストの楽曲である。「王道アイドル」である側面を強く打ち出すと同時に、レトロなキュートさは彼らの持つユーモアセンスとの親和性が非常に高く、実写MVも含めPROTOSTARにしか成し得ない魅力的な表現となっている。

PROTOSTAR - 愛のリグレット (Music Video)

 そしてPROTOSTARの3人が作詞に挑んだ「より道Cheers!」は、キャスト陣が個性・クリエイティビティを発揮し、独特のセンスを内包した3人の楽しい空気をダイレクトに反映させた名曲だ。MVで描かれた数々の眩い青春の一コマも、王道アイドルらしい映像作品となった。前作の「シュガーHi Hi!」から連なったこれらの楽曲は、PROTOSTARとしての独自性を確立する過程の中で、かなり重要なポイントとなるのかもしれない。

PROTOSTAR - より道Cheers! (Music Video)

 高尾大毅(CV:助川真蔵)、二条瑛士郎(CV:森蔭晨之介)、東郷楓雅(CV:坂田隆一郎)から成るLEGITも、個性的な2曲をリリースした。前作「MAGIC」に続き、リラックスしたオフのLEGITを見せた「Summer Vacation」。実写MVは韓国・釜山で撮影され、スタイリッシュでどこかかわいらしさも滲んだMVも話題となった。衣装や振り付け、表現の工夫などキャスト陣の才能が遺憾なく発揮された映像からは、改めて三次元のLEGITの強みが感じられた。

LEGIT - Summer Vacation(Music Video)

 「MOVE MOVE MOVE」は、激しさとクールさが同居したダンスミュージックで、パフォーマンスによって自分たちの立ち位置を示してきたLEGITらしい一曲だ。キレのあるラップと声の個性を活かしたボーカルワークは、過去作と比較してもスキルアップしていると同時に自由度も上がっており、その余白から表現者としての3人の才能を味わうことができる。

LEGIT - MOVE MOVE MOVE (Music Video)

 アーティストが舵を切るグループらしく、これまでとテイストの違う楽曲をリリースした、春賀楽翔(Vo/CV:masa)、桂ほまれ(Key/CV:下前祐貴)、香椎一澄(Dr/CV:馬越琢己)、若桜潤(Ba/CV:坪倉康晴)、森ノ宮奏太(Gt/CV:高本学)の5人で構成されたJAXX/JAXX。「恋しようぜ」はついつい口ずさみたくなるようなキャッチーさに加え、バンドのコーラスワークや掛け声から感じられる、彼らならではの爽やかな幸福感にあふれたポップなラブソングだ。実写MVの和気藹々とした空気感からは、バンドの関係性の良さが窺える。

JAXX/JAXX - 恋しようぜ (Music Video)

 一方「どうにでもなれ!」は、聴く人の背中を押すようなエンパワーメントに溢れ、ライブ映えすること間違いなしのJAXX/JAXXらしい一曲だ。キャスト陣の関係性によって、masa、そして春賀楽翔がこのバンドでしかできない表現を追求し続けていることが聴きとれる。前作「JOKER」が内省的かつストーリー性を含んだ楽曲であったことを考えると、バンドという括りの中にありながら、春賀楽翔の稀有な才能とJAXX/JAXXというグループの音楽性の幅広さを感じさせる2曲だと言えるだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる