「UniteUp!」、11人勢揃いで渦巻いた熱狂 グループごとの個性も発揮された二度目の単独ライブ
多次元アイドルプロジェクト「UniteUp!」による二度目の単独ライブ『sMiLea LIVE -Unite with You- ELEVEN』が、2024年4月14日恵比寿 The Garden Hallで昼夜2公演開催された。本公演は昨年7月に行われた初ライブ『sMiLea LIVE -Unite with You-』を11人で再編成、新曲を追加しバージョンアップしたスペシャルライブ。本稿では夜公演の模様をレポートする。
暖かい春の日、今回のライブはオールスタンディングでの開催ということもあり、多くのファンが詰め掛けた会場にはこれまでにない熱気が満ち溢れていた。開始前のアナウンスはAnelaのふたりによるもので、開演を待ちわびるファンのボルテージを押し上げていく。
キャラクターとキャストの紹介ムービーが流れると、いよいよ開演だ。オープニングナンバーは「Unite up!」。この日出演の11人全員がステージ中央から飛び出すと、歓声が巻き起こる。イベントなどで幾度となく披露されてきた代表曲ということもあり、キャスト同士の息の合ったフォーメーションダンスや、随所に挟み込まれるファンサービスなど、完璧なパフォーマンスを見せつける。
前回のライブに出られなかった清瀬明良役・戸谷菊之介の自己紹介の番になると、観客からは「おかえり!」の声がかかる。戸谷も笑顔で「ただいま!」と返し、曲中の熱狂とは一味違うあたたかい空気に包まれた。メンバー全員の自己紹介に続き、客席を半分に分けて声出し対決、両手でUUの文字をかたどった「UniteUp!」ポーズで起こすウェーブなどファンと楽しむ場面もあり、ますます会場の一体感が増していく。
いよいよグループごとのパフォーマンスへ移る。トップバッターはLEGITだ。「THE DAY」「ON MY WAY」と2曲続けて軽やかに踊り歌いこなしていく。ダンスに定評のあるユニットという2次元の設定そのままに、アクセントとなる動きで個性を表現しつつ、シンクロする部分は見事なチームワークを発揮、堂々たるパフォーマンスで観客を惹きつける。
MCでは、高尾大毅役・助川真蔵が夜公演は生配信されていることに触れ、「配信を観てくれているみんなは会場に来てくれているみんなに負けないように、会場にいるみんなは配信のみんなに負けないように、楽しめますか?」と煽りながら問いかける。自己紹介とコール&レスポンスでは、それぞれが「愛してるよ」と惜しみなく愛を告げ、ファンをときめかせるシーンもあった。
丁寧な振り付けのレクチャーの後に披露されたのは新曲「MAGIC」。メンバーの個性を反映したチャーミングな表情や、キャラクターを思わせる切れ味鋭くクールな振り付けなど数々の「多次元アイドル」らしい見せ場を作り、リラックスした空気で会場を一つにする。さらに客席との激しいコール&レスポンスで大盛り上がりの「Twenty Four」、激しさと熱さで魅せた「FIRE」と強さと自信を感じさせるステージを展開した。
次に登場したのはバンドスタイルのユニット・JAXX/JAXX。楽器がセットされ、暗転の中メンバーがスタンバイすると大きな声援が贈られる。1曲目は「SuperStar」だ。疾走感あふれるサウンドにボーカルの春賀楽翔役・masaの伸びやかな声が美しく乗り、会場を一気にJAXX/JAXXの空気感へ染め上げる。メンバー全員が弾けるような笑顔で楽器を奏でる姿は、前向きな楽曲が示すJAXX/JAXXそのものだ。疾走感はそのままに「ライアー」「STORM's EYE」と続き、客席もハンドクラップと歌声で負けじと応戦。パワーがぶつかり合うバンドならではの熱いうねりが生み出される。メンバー同士でたびたび交わされるアイコンタクトも彼らの強固な絆を感じさせ、エモーショナルだ。
そしてまた新しいJAXX/JAXXの一面を引き出したのは、新曲「JOKER」である。高度な演奏テクニックを求められる楽曲を、クールかつ情熱的に奏でていく。曲の内省的な世界観、彼らのポテンシャルの高さや表現力を際立たせる赤い照明の演出も心憎い。シリアスな空気感から一変して笑いに包まれたMCタイムでは、自己紹介とコール&レスポンスで盛り上がり、最後は各々楽器を手放し5人でのボーカルが展開する人気曲「A.P.P.L.E.」を歌唱。ボーカルワークでもコンビネーションを見せつつ、客席に向けてのアピールもあり、笑顔と幸福感が溢れるステージとなった。
最後のブロックはPROTOSTARだ。幕開けは「星瞬My wish!」。フレッシュさ、かわいらしさ、心からの歓びが垣間見える表情など、まさに王道アイドルだからこそ成せるパフォーマンスで会場を煌めきで満たしていく。「ついに3人揃いました!」と初めてPROTOSTARとして3人揃ったことの喜びを口々に語る。「ライブはみんなと一緒に作り上げるもの」とコール&レスポンスコーナーでファンの対応力を試して絆を再確認するなど、ライブを楽しんでいる様子が微笑ましい。さらに「絆の三連符」と紹介された「トリプレット」は、3人の澄んだ歌声が胸を打ち、息の合ったダンスと笑顔がまぶしい「YOU」とキラキラとした時間が続く。
「最高だね!」「超楽しい!」と笑顔で語り、さらなる盛り上がりを求めて振り付けのレクチャーが行われたのは新曲の「シュガーHi Hi!」。ライブ映えすること間違いなしと期待が寄せられていたが、ここで待望の披露となった。ステージを左右に大きく動き、歌詞をなぞった表現がステージ上で次々に繰り広げられると、そのキュートさに客席からも大きな声が上がる。最高潮の盛り上がりの流れのまま、「吠えろ!クロスファイヤー」へと続く。3人揃った完全体のPROTOSTARから放たれる大きなパワーを再確認できる、そんな熱いステージだった。