ヰ世界情緒、初の有観客ワンマンで溢れた喜びの涙 ステージの上で燦然と輝く“創作”と“歌”への情熱
余韻に浸る間もなく、後半戦へ。ここからは、たくさんのゲストと共にライブを盛り上げていく。同じKAMITSUBAKI STUDIO所属のバーチャルガールズグループ・VALISとは、「異世界転調リクヱスト」「ぼくらの逃避行」をメドレーで歌い、キュートなフォーメーションダンスで会場を魅了。AiobahnをDJに迎えたステージでは、2人のコラボ曲「new world」を披露。リアルタイムで繰り出されるデジタルサウンドとヰ世界情緒の柔らかい歌声の親和性は、生バンドとはまた違う魅力を感じさせてくれた。
さらに、怒涛の新曲ラッシュも。複雑なリズムと怪しげなメロディが独特の魅力を放つ「Capullo」、ダークでシニカルな「アンビバレント」と新たな表情を次々と見せていく。荒廃した建物を背に、心を浄化してくれるようなバラードソング「ANGELIC」をたっぷりと聴かせた後は、先ほどアナウンスを担当していた星界がステージに登場し、「シェイク」をデュエットで披露。まるで姉妹のような二人が並んだだけでも大歓声が沸き起こっていたが、星界の肩辺りにヰ世界情緒が手を触れさせると、割れんばかりの悲鳴が響き渡った。このライブに向けて制作されたという新曲「眠りゆく芽吹き」では、観測者参加型のMV制作企画として、なんと撮影OKに。たくさんのカメラが向けられる中、真っ赤なライトに包まれながら、高揚感溢れる歌声をエネルギッシュに届けた。
「当たり前のようにあなたの未来に私を居させてくれたから、いま舞台に立って歌うことができます。Tシャツや鞄につけているグッズ、おめかししたペンライト、キラキラした表情や大きな声。あなたがこの場所にいてくれたことがなにより嬉しいです。明るい気持ちだけを歌えるような毎日じゃなかったけど、あなたが喜んでくれるならそれでいいのかなって。私には私だけの繋がりがあること、その気持ちが5年の活動の中で何度も思い立った、大切でかけがえのない気持ちです。諦めずに前を向けるのは、あなたがいつだって私の歌を信じてくれて愛してくれていたから。創作とヰ世界情緒とあなたが私の世界の中心です。何度生まれ変わってもヰ世界情緒でいたいと思います」
途中、涙で声を詰まらせながらも思いの丈を伝えると、大きな拍手に包まれながら本編ラストの「ARCADIA」を届ける。虹色の光が差しこむ廃墟に巨大な花が咲き誇る、生命の息吹を感じさせる幻想的な光景を背にして歌うヰ世界情緒の姿は、すべての観客の胸に大きな感動を残した。
アンコールでは、白と黄色のワンピースに、ひまわりの髪飾りをつけた、“普遍体 Sunflower(サンフラワー)”なる新衣装をお披露目。これまで完全に隠れていた右目が垣間見えるスタイルでもある。新境地を感じさせるこのスタイルで披露したのは、未来への希望と温かさを感じさせる「かたちなきもの」、そして“今の自分の輪郭を言葉にした”という新曲「みらいのかたち」。ラストに相応しい、感情豊かに届けられた壮大な歌声からは、「歌と創作は、私の生き方、そして命そのもの」「歌や創作で、あなたの力になりたい」と語ったヰ世界情緒の魂が感じられるようだった。
バーチャルからリアルへと次元を変えても、緻密に作りこまれた独自の世界観と奥深い魅力を完璧に表現し、芸術的なステージで魅了し続けたヰ世界情緒。初めての有観客ワンマンライブを大成功させた次は、一体どんな世界を見せてくれるのだろうか。
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