Vaundy、imase、go!go!vanillas、IVE、&TEAM、Nissy……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はVaundy「Gift」、imase「エトセトラ」、go!go!vanillas「来来来」、IVE「CRUSH」、&TEAM「青嵐 (Aoarashi)」、Nissy「そうしようか」の6作品をピックアップした。(編集部)

Vaundy「Gift」

 映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』主題歌「ホムンクルス」と同じくVaundyが手がける同作エンディング主題歌「Gift」。アコギの凛とした響き、〈その光の/渦は人々引き連れていった。〉というフレーズから始まり、生々しいバンドサウンド、美しいコーラス、そして、壮大なストリングスが加わった瞬間に一気にスケールを上げ、シンフォニックな音像へと変貌していく。ミニマムからマキシマムまでを内包する構成からは、彼の音楽の規模がさらに広がっていることが感じられるはずだ。歌詞の軸は、愛や痛みからもたらされる“gift”について。それは『ヒロアカ』の世界観とつながっていると同時に、現在のリアルな世界においてもきわめて大きなメッセージになっていると思う。(森)

Vaundy「Gift」

imase「エトセトラ」

imase「エトセトラ」

 今年5月に1stフルアルバム『凡才』をリリースした後、東京スカパラダイスオーケストラの「一日花 feat.imase & 習志野高校吹奏楽部」に参加、フェスや対バンイベントに出演するなど活動の幅を一気に広げているimaseから新曲「エトセトラ」が到着。Netflix『君に届け 3RD SEASON』のオープニング主題歌として書き下ろされたこの曲は、素朴なピアノのリフレイン、生楽器の響きを活かしたアレンジのなかで、切なくも愛らしいメロディを響かせるミディアムチューン。思春期の恋愛における繊細な感情をシンプルに描いたリリック、転調で主人公の感情の変化を想起させる構成など、ソングライティングやアレンジの巧みさが伝わってくる。わかりやすいポップさと曲としての深みを共存させた1曲と言えるだろう。(森)

go!go!vanillas「来来来」

go!go!vanillas「来来来」

 “らいらいらい”、と読む最新配信シングル。じっくり焦らすギターリフと、UKロックの色気みたいなものを強く感じるボーカルから始まり、開始25秒で一気に加速。めくるめく速度で言葉とメロディが飛び交い、バンドサウンドと鍵盤を織り交ぜたアレンジが見える景色を鮮やかに変えていく。一度踊り出したら絶対に止まれない、夏フェスの定番曲になりそう。〈無頼無頼無頼〉から〈来来来〉、次は〈Why, Why, Why?〉から〈愛愛愛〉へ。サビの中毒的なワンフレーズは魔法の合言葉のように響くが、実は〈喰らい暗いCry〉など、読みものとしての面白さが多分にある。邦ロックと分類されてはいるが、洋楽ロックに憧れる日本人だから出せる味わいが満載だ。(石井)

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