JO1、多くのファンを虜にするライブの魅力 『KIZUNA』ツアー配信を機に考える

 映像配信サービス・Leminoにて、JO1が2022年に開催した『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』が配信されている。豪華なバンド演奏とバックダンサーを従え、全国5都市13公演をまわった彼らの初めてのアリーナツアー。ダブルアンコールまで配信されており、オープニングから1曲目の「Move The Soul」は無料で視聴できるようになっている。デビュー以来どんどん人気の輪を広げ、たくさんのファンが詰めかける彼らのライブの魅力を紐解きたい。

JO1|'Algorithm' - 2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR 'KIZUNA'

 JO1といえば一糸乱れぬシンクロダンスが大きな武器だ。11人という比較的人数の多いグループならではのコロコロと変わるフォーメーションと、腕の角度や足音までもが揃ったハイクオリティなダンスは、まるでひとつの生き物を見ているような感覚すらある。また、最近ではただ揃っているだけでなく、全体でのシンクロを大前提とした上で一人ひとりのダンススタイルが確立されているようにも思える。機械的なシンクロだけでなく、それぞれの個性が光るパフォーマンスは見る者を飽きさせない。

 “それぞれの個性”というのはダンスだけでなく、もちろん歌声もだ。ボーカルとラッパーのポジションが決まっているとはいえ、それにとらわれすぎない全員の確かな歌唱力と11人の声の違いも彼らのライブの魅力を支える。例えば、同じメロディや同じ歌詞のパートでも1番と2番で違うメンバーが歌うだけで大きく印象が変わるのだ。歌い出した瞬間に空間を掌握するような唯一無二の声を一人ひとりが追求していることも、彼らのパフォーマンスの彩りに直結しているように思える。

JO1 | 'Trigger' - 2023 JO1 'BEYOND THE DARK:RISE in KYOCERA DOME OSAKA' (第65回 輝く!日本レコード大賞 優秀作品賞 受賞曲)

 また、曲中の煽りやファンとの一体感はライブならではの魅力。例えば、公式YouTubeにライブ映像が投稿されている楽曲「Trigger」では、冒頭で川西拓実が観客を煽る一言が見どころのひとつになっている。それに加え、ファンであるJAMがライブを盛り上げる声のパワーも圧倒的で、特にYouTubeで掛け声の動画が投稿されている曲ではJAMのコールも曲の一部のようになる。メンバーが観客を焚きつけ、観客もまた彼らを盛り上げる相互的な姿勢が相乗効果となり、ライブの一体感を生み出している。

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