THE RAMPAGE 武知海青、プロレスデビューで広げるエンタメの可能性 「痛みを越えた先の感動を届けたい」
ドロップキックや場外乱闘で得た手応え
――ではここからは、当日の試合内容を振り返っていきます。デビュー戦と思えないほど大技をたくさん繰り出していましたが、自分の中で「本番でこれは絶対やりたい！」と決めていた技はありますか？
武知：ドロップキック（ジャンプし、自らの両足裏で相手の胸部などを蹴り飛ばす大技）に関しては、チームメイトのおふたりからも「海青はドロップキックの打点が高いのが強みだよね」と褒めていただいていたので、絶対取り入れたほうがいいなと思っていました。なおかつ、「序盤でドロップキックを決めて衝撃を与えて、ラストの技もドロップキックで締めたらいいんじゃない？」というアドバイスをいただいたので、僕もそのつもりで試合に臨みました。
――『GENERATIONS 24時間テレビ』のプロレス対決でも、メンディーさんとダブルドロップキックを決めるなど、大技を披露して髙木社長を驚かせていましたが、今回もドロップキックが武知さんの身体能力の高さを象徴していましたね。
武知：確かに、初戦にしては高い打点で、インパクトのあるドロップキックをお見せできたなと思います。2年前に大石さんにドロップキックを教わり始めた頃は、できても（相手の）胸あたりにしか足が届かなかったんですが、練習を重ねるうちに高くなってきて、本番では正田さんの顔に……（笑）。あの場でしか発揮できないパワーや技があって、いろんな意味で予想外のことが起こるのがプロレスなんだなと、試合を通して学びました。
――対戦相手とも事前にある程度流れを決めているのかと思っていましたが、そういうやりとりはありましたか？
武知：そんな打ち合わせ、一切してないです（笑）！ 遠藤さんには今の自分の技量をお伝えするために、道場練習でいくつか技をかけさせてもらったんですが、それはあくまでも、お互いがケガをしないための確認にすぎないので。髪を掴まれたら「次に何がくるんだろう！？」って思いますし、遠藤さんのボディスラム（抱え投げ）も、遠藤さんが僕の手をパンッて払った瞬間に「あっ、僕、今からボディスラムされるんだ？」って気づいて、ドキドキしてました。
――遠藤選手に起き上がり小法師チョップ（連続チョップ）をされた後も、身体が真っ赤になっていましたね。
武知：あれも容赦なかったなぁ……（笑）。最初にチョップがきた時、1発くらいかな？ と思ってたんですよ。そしたら、6発くらい連続できたのでビックリ！ ただ、そのおかげで、自分の中でスイッチが入ったというか。このままやられっぱなしではいられないなと反撃モードになりましたね。で、さらに反撃されて、こちらもまた反撃して……という攻防戦が続いて。それがプロレスの面白さなんだなと、身を以て知りました。
――遠藤選手に対する飛びつき式フランケンシュタイナー（コーナーからドロップキックの要領で飛びかかり、両足で相手の頭を挟み込み、バク宙のような形で回転してマットに叩きつける大技）も、かなり迫力がありました。道場練習ではやっていなかった技だそうですが、なぜやることにしたんですか？
武知：クロスボディアタック（スタンディングの相手に体が交差するような形でボディアタックを見舞う）という技もそうだったんですけど、チームメイトのみなさんから「練習してないけど、できそうだね」って言われてたんです。「やれたらやって」って。
――まさか、そんなノリだったとは。 自分でも成功する見込みはあったんですか？
武知：自分でも「教わったことを応用すれば、できそうだなぁ」と思ってました。しかも、試合中はかなりアドレナリンが出てるので、「行くしかない！」と思っちゃって（笑）。思い切ってやってみたら成功しましたね。
――場外乱闘もすごかったですね。武知さんの本気度、プロレスへの熱意が伝わるハイライトだったなと。
武知：ありがとうございます。初めての場外乱闘にビックリした方もいると思うんですが、リング上だけでなく、場外でも戦うのがプロレスの大きな魅力なので、この機会にたくさんの方に伝えたくて。僕のほうから「場外乱闘もしたいです」とお伝えしたところ、チームメイトのみなさんが協力してくれて実現しました。
アーティストとレスラーの両立「先陣切って道を作れたら」
――そういうところはみなさんとの共同作業なんですね。試合中はチームメイトに頼ることなく、1人で粘っている印象が強かったですけど。
武知：本音を言えば、おふたりに頼ろうと何度も思いました。「今任せたら一瞬で勝ってくれるんだろうな」って（笑）。でも、僕が果敢に立ち向かうことで伝えられるメッセージがあると思ったので、あえて1人で粘りましたね。もちろん、叩かれたり蹴られたりするのは痛いです。だけど、痛みには全然耐えられるし、傷も数日で治るから、そんなに気にしていなくて。痛みを越えた先にある感動や勇気を届けたいですし、それが誰かの心の中にずっと残ってくれたら何よりも幸せだなって思います。
――その気持ちは、アーティストとしての信念にも通じるものがありそうですね。
武知：僕は“チャレンジすること”を人生で特に大事にしているんですが、新しいことを始める時って、他人から批判されたり、嫉妬されることも多いと思うんですね。そこで諦めてしまう人もいるだろうし、年齢を重ねたことで、「今から始めるのは遅いよなぁ」と自分にストップをかけてしまう人もいると思います。でも、あらゆるプレッシャーを乗り越えて、挑戦することに意味があると思うし。やってみて上手くいかなくても、自分には無理だと知ることで一歩前進できるので、「実質成功でしょ」っていうのが僕の考えで。僕自身も、みなさんが何かを始めるきっかけになれたらいいなと思いながら、日々チャレンジしています。
――パフォーマーとしてパフォーマンスする時と、プロレスラーとして戦う時の肉体の違いは、どんなものがありますか？
武知：パフォーマーとしてステージに立つ時は、そこまで筋肉を大きくしなくていいので、77～78kgくらいが自分の中ではベスト体重なんです。でも、プロレスはたくさん技を受けますし、その技が骨に直撃するとケガをしてしまうので、筋肉や脂肪でカバーする必要があって。デビュー戦の時も、84～85kgくらいまで増やして試合に臨みました。
――プロレスラー仕様の身体のまま、通常のライブパフォーマンスをするのは難しいんですか？
武知：プロレスラーの身体は、攻撃もできて守れる頑丈さが武器なんですけど、持久力的にはちょっと足りない部分があるので、ベストとは言えないですね。逆にパフォーマーの身体は、攻撃力や守りが弱い反面、持久力がすごく強いので、その時々で両極端な身体作りが必要になります。
――そうなると、今後THE RAMPAGEのツアーとプロレスの試合を両立するのは、ハードルが高いのでしょうか。
武知：『覆面D』の撮影時は、ツアーとプロレスの特訓を両立していたんですが、あの時はツアーを優先してそこまで過激な身体作りはしていないですからね。
――当時は「普段は78～79kgくらいをキープしているんですけど、この時期はあえて炭水化物や脂質を摂るようにして、81～82kgくらいの身体で撮影に臨みました」とおっしゃっていました（※1）。
武知：そうそう。だから、両極端な身体作りを継続的にやっていけるのか、両立していけるのかどうかは、僕もまだわかりません。過去にもそういう事例はないので。でも、僕がこのチャレンジを成功させたら、「海青くんができたなら、自分もきっとできる」って、前向きに考え始める人も出てくると思うので、僕自身が先陣を切って道を作れたらいいなと。そしたら、僕に続いてプロレスに挑戦する後輩アーティストが生まれたり、プロレスラー出身でアーティストとしても活動したいという方が、迷いなく挑戦できるようになったりして、エンタメの可能性が一気に広がるんじゃないかなと期待しています。
THE RAMPAGEメンバー、BALLISTIK BOYZ 松井利樹……仲間と掴んだ勝利
――試合会場にはTHE RAMPAGEのメンバーも応援に駆けつけていましたが、メンバーに見守られる中で戦った感想はいかがですか？
武知：めっちゃ嬉しかったです。ヤマショー（山本彰吾）さんと（岩谷）翔吾さん、龍が観に来てくれたんですけど、やっぱりメンバーの応援もすごく力になりました。僕が入場する時に流れていた楽曲も、龍が僕をイメージして作ってくれたものですし。そんな仲間のためにも負けたくないと思っていたので、一緒に手にした勝利だったなと思います。
――デビュー戦の入場という緊張する場面にも関わらず、武知さんが笑顔を見せていたのは、そういう背景があったからなんですね。
武知：それもありますし……実は今回のデビュー戦、僕の大好きな声優・稲田徹さん（アニメ『僕のヒーローアカデミア』エンデヴァー役など）が試合前の映像のナレーションをしてくださっていたんですよ（笑）。その状況がすごく嬉しくて！ しかも、試合後に稲田さんのSNSを拝見したら、僕のファンになってくださったそうで。THE RAMPAGEのCDやDVDも買ってくださっていたので、こんな素敵な出会いもあるんだなと思いました。
――また実況席では、BALLISTIK BOYZの松井利樹さんが特別ゲスト解説として、熱い実況を繰り広げていました。
武知：利樹はもともとお忍びでプロレス観戦に行っていたくらい、プロレス好きで詳しいので、技の名前がすぐに出てくるんですよね。コアなプロレスファンの方にも褒められるくらい的確だったみたいで、すごいなと思いました。なおかつ、根がプロレスファンだから、みんながワァーって盛り上がる場面では素直に歓声を上げてて。その反応もリングに立ってる立場としては嬉しかったです。自分が試合に集中している間も、利樹が実況という形でずっとサポートしてくれていたことで、プロレスの知識が少ない方も楽しめたと思いますし、一緒にデビュー戦を迎えられてよかったなと思います。
――直接感想を聞いたりはしましたか？
武知：ドロップキックの打点の高さは、利樹も褒めてくれましたね。あと、「攻防中の表情がすごくよかったです」と言ってました（笑）。
――無事に試合が終わった安心感からか、試合後の会見では利樹さん、感極まってましたね。
武知：目をウルウルさせてましたね。あの涙を見て、利樹も同じ空間で、僕らの死闘を全力で受け止めてくれていたんだろうなと思いました。むしろ僕が感じていた以上に、利樹も利樹の中のフィルターを通して、痛みや苦しみの先にある絶景を見てくれていたんだろうなって。
――今回はアイドルレスラー的な立ち位置でしたが、武知さんはヒール（悪役）に挑戦したい気持ちはあるのでしょうか。
武知：あります！ 今回の試合中も、僕が倒れている頭上で華麗にバク宙をする遠藤さんを見て、敵ながら「かっけぇ……！」と思ってたので（笑）。いつかは僕もヒールに挑戦してみたいですし、その時はダークな武知海青をお見せしたいです。
――『覆面D』ならぬ、“覆面海青”に変身して暴れてほしいです。素顔はヒーローだけど、覆面をつけるとヒールになるっていう。
武知：あはははは！ 覆面ヒールとしてある程度話題になったら、「実は僕でした」って明かしましょうか（笑）。
――DDTには、ヨシヒコ選手や男色ディーノ選手など、キャラの濃い選手もたくさんいるので、そういうオリジナリティ溢れる演出も受け入れられるのかなと。
武知：そうですね。方向性は違いますけど、僕もオリジナリティは大事にしていきたいです。例えば、THE RAMPAGEにはMA55IVE THE RAMPAGEというラップに特化したグループがいるので、MA55IVEに僕がリング入りする時の楽曲を作ってもらうとか。THE RAMPAGEらしい技を作りたいな、とか。
編集担当：「FULLMETAL TRIGGER」（THE RAMPAGEの楽曲名）とか、技の名前みたいですよね。
武知：あはははは！ それいい！ その名前に見合ったカッコいい技を考案したいと思います。
――では最後に、プロレスラーとしての次なる目標を聞かせてください。
武知：因縁の相手である岡谷さんとも試合をしたいんですけど、僕にはもう1人因縁の相手がいまして。（試合前のマイクパフォーマンスのように挑発しながら）僕の前に試合をされていたMAOさん！ MAOさんには、僕のファンの方を結構釘づけにされてしまったので、近々取り返しに行きたいと思います。今度はTHE RAMPAGEのライブに、MAOさんファンの方々を連れて帰るつもりなので、覚悟しておいてください（笑）。あと、次の試合時期がまだ決まっていない中で、こんなことを言うのはおこがましいんですけど……今年は『プロレス大賞』での新人賞を狙いたいですね。前人未到の大型新人プロレスラーとして1年を締め括れたら最高だなと思います。
※1：https://realsound.jp/tech/2022/10/post-1153887.html
THE RAMPAGE 武知海青 プロレスデビュー戦 写真一覧
◾️リリース情報
THE RAMPAGE『24karats GOLD GENESIS』
2024年7月24日（水）リリース
＜LIVE盤 【CD+DVD】＞
品番：RZCD-67065/B
価格：¥7,700（税込）
初回仕様：スリーブケース仕様
初回特典：トレーディングカードA(全16種中1種ランダム封入)／スマプラフォト(LIVE ver.)封入
＜LIVE盤 【CD+Blu-ray】＞
品番：RZCD-67066/B
価格：¥7,700（税込）
初回仕様：スリーブケース仕様
初回特典：トレーディングカードA(全16種中1種ランダム封入)／スマプラフォト(LIVE ver.)封入
＜MV盤【CD+DVD】＞
品番：RZCD-67067/B
価格：¥2,500（税込）
初回特典：トレーディングカードB(全16種中1種ランダム封入)／スマプラフォト(MV ver.)封入
＜CD ONLY＞
品番：RZCD-67068
価格：¥1,500（税込）
初回特典：トレーディングカードC(全16種中1種ランダム封入)
収録内容
＜CD＞ ※4形態共通
1. 24karats GOLD GENESIS
2. Light Up The Night
3. BALMY BALMY
4. 24karats GOLD GENESIS (Instrumental)
5. Light Up The Night (Instrumental)
6. BALMY BALMY (Instrumental)
＜DVD / Blu-ray＞※LIVE盤のみ収録
『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2023 “16” NEXT ROUND at SAITAMA SUPER ARENA』
01. 16BOOSTERZ
02. THROW YA FIST
03. SWAG & PRIDE
04. SHOW YOU THE WAY
05. BIONIC
06. ROLL UP
07. WAKE ME UP
08. VIP
09. "16" NEXT ROUND SPECIAL MEDLEY（Fandango /HEATWAVE / LA FIESTA / Summer Riot ～熱帯夜～）
10. FEARS
11. Over
12. Nobody
13. All day
14. Starlight (Xmas ver.)
15. MY PRAYER
16. Only One
17. 片隅
18. INTO THE LIGHT
19. Love Will Find A Way
20. Dream On
21. ELEVATION
22. TOP OF THE TOP
23. Dirty Disco
24. BOND OF TRUST
25. Seasons
26. TOUR"16" KAZUMA'S RAP
27. Everest
28. 24karats STAY GOLD
29. 100degrees
＜DVD＞※MV盤 のみ収録
1. 24karats GOLD GENESIS (MUSIC VIDEO)
2. 24karats GOLD GENESIS (SPECIAL EDITION)
3. 24karats GOLD GENESIS (MUSIC VIDEO MAKING MOVIE)
