連載『lit!』第109回:RIIZE、ZEROBASEONE、Red Velvet……ライブでも盛り上がる夏に聴きたいK-POP楽曲

tripleS「Girls Never Die」

tripleS(트리플에스) 'Girls Never Die' Official MV

 かつて女性12人組のLOONAが、比較的小規模な芸能事務所の所属であるにもかかわらず、神秘的な世界観と独自のサウンドカラーのおかげでアメリカをはじめとする海外でブレイクしました。このグループのコンセプトを立案したのが、プロデューサーのチョン・ビョンギ。tripleSはそんな彼が手掛けたニューフェイスということで大きな話題になっています。K-POPのガールズグループではおそらく最多となる24人が在籍。清潔感のあるビジュアルに加え、活動期ごとにファンの投票を通じてメンバー構成やリードトラックを決めるシステムもウケたのか、国内外でただいま人気急上昇中です。しかし、個人的にはそれよりもLOONAの路線に近いハイブリッドなポップスに関心があり、こうした面を分かりやすく提示した「Girls Never Die」を高く評価しています。

イ・ヨンジ「Small girl feat. 도경수 (D.O.)」

イ・ヨンジ「Small girl feat. 도경수 (D.O.)」

 イ・ヨンジは、HIPHOP系のオーディション番組『高等ラッパー3』と『SHOW ME THE MONEY 11』(ともにMnet)で優勝した経験を持つ実力派で、若者たちから絶大な支持を得ている女性ラッパーです。押しの強いパワフルなフロウが持ち味ではあるものの、この新曲ではソフト&メロウなボーカルで勝負。長身の彼女が「私は小柄な女の子に憧れがあるの/Baby, それでも私を愛してくれる?」と可愛らしく歌う姿に多くのリスナーが共感し、リリース直後に主要ヒットチャートの1位になりました。チルなトラックも歌詞の世界に寄り添った仕上がりで、彼女のセンスの良さを強烈にアピールしています。

 いずれもポジティブな気分にさせてくれて、どんなシチュエーションにも合うナンバーです。K-POPでこうしたサウンドが多いのは、やはり海外のリスナーを意識しているからなのでしょうか。今回選んだ5曲を聴くと、性別、年齢、国籍を問わず楽しめるものを作ることにかけては、韓国は他の国より1歩も2歩もリードしているとあらためて思いました。今後もK-POPの勢力が拡大していくのは間違いなさそうです。

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