連載『lit!』第109回:RIIZE、ZEROBASEONE、Red Velvet……ライブでも盛り上がる夏に聴きたいK-POP楽曲

 日を追って暑くなってきました。まもなく本格的な夏がやってきますね。日本ではこの時期、野外フェスが多く行われるイメージがありますが、韓国では春フェスも秋フェスもそれなりにあって、1年中フェスをやっているような感じです。いつも盛り上がりたい陽気な人が多いので、どんな季節でも生のライブは必須なんでしょうね。というわけで今回は、そのような国民性が伝わってくるとともに初夏にもぴったりなK-POP楽曲をセレクトしました。

RIIZE「Boom Boom Bass」

RIIZE 라이즈 'Boom Boom Bass' MV

 最近の音楽シーンは90年代のポップス/ロックにアプローチするのがトレンドになっています。なかでもRIIZEはそのチョイスが上手で、しかも自分たちのカラーに染め上げているところが素晴らしいと思います。少し前に「Impossible」のハウスビートで老若男女を喜ばせた彼らは、今回の「Boom Boom Bass」ではディスコ/ブギーを採用。さらに、再び注目を浴びているジャンル=フュージョンを意識したコードを加え、他とは少し違うムードに仕上げています。“レトロだが、ひと工夫ある”サウンドメイクは、彼らの所属事務所・SM ENTERTAINMENTの得意技であり、RIIZEはその正統な継承者と言えるでしょう。

ZEROBASEONE「Feel the POP」

ZEROBASEONE「Feel the POP」

 RIIZEとは別の角度からK-POPの魅力を広めているのがZEROBASEONE。どんなときでもアジア出身のアイドルらしさを忘れないボーイズグループのひとつです。「自分たちの一挙手一投足はファンをときめかせるためにある」と言わんばかりの見せ場が多いパフォーマンスは、彼らならでは。「Feel the POP」はこのような特徴を最大限に活かしたナンバーで、“かっこよさ”と“キュート”をバランスよく配合したスタイリッシュなサウンドにぐっときます。サビのフレーズ「心臓が爆発するようなPOP」のポップな響きも最高です。

Red Velvet「Cosmic」

Red Velvet 레드벨벳 'Cosmic' MV

 祝・デビュー10周年。よくぞここまでK-POPの最前線でがんばってきた、という印象の彼女たち。歌はもちろん、ダンスやビジュアル、コンセプトなど、すべての要素がハイクオリティなのは誰もが認めるところですが、f(x)やSHINeeといった先輩たちから受け継いだサウンド面でのチャレンジ精神も評価すべきポイントです。とはいえ、今回はいつものアグレッシブな音作りというよりも、粘っこいファンクビートとユーロポップの組み合わせによって独自の世界を生み出しています。NewJeansの独自性にスポットライトが当たりがちな昨今、Red Velvetを含むSM ENTERTAINMENT所属の歴代のアーティストたちが試してきた“音の実験”も忘れてはいけない――。そう思う今日この頃です。

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