水樹奈々、宮野真守ら2日間29組が勢揃い 夢のコラボ実現した『KING SUPER LIVE 2024』を振り返る

 休憩を挟んでスタートした後半戦は、ステージ上空からゴンドラで登場した高橋洋子のパフォーマンスで幕を開けた。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』BGMである「Bataille Decisive(EM20)」に歌詞を乗せた「TENSIONS – welcome to the stage」と「残酷な天使のテーゼ」が魂の込められたボーカリゼーションによって披露されることで、会場はクライマックスのような盛り上がりを見せた。「行くぞ、おまえら!」という煽りでフロアを猛烈な熱気に包み込んだのは蒼井翔太。低いトーンが印象的なハードナンバー「Eclipse」と最新楽曲「EVOLVE」の2曲でオーディエンスのハートをロック。ラストは全員でジャンプを決めて次のアーティストへと繋ぐ。その熱気を引き継ぎ、さらに爆発させたのはangelaだ。キングレコードを象徴するライオンのぬいぐるみを肩に乗せたatsukoと、アグレッシブにギターサウンドを操るKATSUが一瞬でその場の空気を掌握していく。振り付けをレクチャーしての「KINGS」を披露した後は、atsukoが蒼井を呼び込み、angela×蒼井による「晴れのちハレルヤ!」(劇場版『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』主題歌)へ突入。楽しいコラボレーションにオーディエンスは歓喜の拍手を贈った。

蒼井翔太
蒼井翔太
蒼井翔太&angela
蒼井翔太&angela

 際限なく熱量を高め続けるKアリーナ。次に登場したのは内田雄馬。ダンサーを交えてのダンスを見せながら、時に激しくヘッドバンギングを決めてみたり、華麗な側転を披露したりと、アグレッシブなパフォーマンスで観る者を魅了していく。彼が放った「(キングレコードが築いてきた)長い歴史を僕もみんなも、これからも一緒に紡いでいってもらいたい!」というメッセージは、『キンスパ』の未来を輝かしく照らしていく強い意志が込められていたように思う。大歓声に導かれてステージに現れた水瀬いのりは、映像や照明を巧みに利用した演出を織り交ぜることで楽曲の世界観をより鮮明に届けていく。内田の「Hope」からの流れを受け継ぐように、TVアニメ『デッドマウント・デスプレイ』(TOKYO MXほか)関連楽曲「スクラップアート」「アイオライト」を披露してくれた。そしてDAY2の大トリを務めたのは、DAY1のトップバッターでもあった水樹奈々。広大な会場の隅々にまで思いを飛ばすように、ステージを駆け巡りながら、炎が立ち上る演出に負けない熱い歌声によってライブのクライマックスを彩っていく。ラストに選ばれた楽曲は「ETERNAL BLAZE」。水樹の高らかな歌声からは、7年後に創立100周年を迎えるキングレコードと、スタートから9年、4度目の開催となった『キンスパ』の炎が永遠に燃え続けることへの願いが込められていたように感じた。

内田雄馬
内田雄馬
水瀬いのり
水瀬いのり

 ここまでですでに4時間が経過。この日の出演アーティストのライブはすべて終わったわけだが、『キンスパ』の本番はまさにここからとも言える。出演アーティストが縦横無尽に絡み合うスペシャルコラボステージのスタートだ。angelaのatsukoと愛美、カノエラナによる「アノーイング!さんさんウィーク!」。堀江由衣、上坂すみれ、岡咲美保、七人のカリスマ声優による「スクランブル」。森口博子、保志総一朗、七海ひろき、KATSUによる「ターンAターン」と、大人数によるにぎやかな、『キンスパ』ならではのコラボレーションが実現していく。

カノエラナ&atsuko&愛美
カノエラナ&atsuko&愛美
蒼井翔太&宮野真守&内田雄馬
蒼井翔太&宮野真守&内田雄馬
水樹奈々&岡咲美保
水樹奈々&岡咲美保
水樹奈々&水瀬いのり
水樹奈々&水瀬いのり
『KING SUPER LIVE 2024』DAY2
『KING SUPER LIVE 2024』DAY2 フィナーレ

 次のパートでは宮野真守のレパートリー3曲が連続で披露された。1曲目「カノン」は宮野と蒼井翔太、2曲目「シャイン」は宮野と内田雄馬、そして3曲目「オルフェ」では宮野、蒼井、内田というTVアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ(TOKYO MXほか)出演声優がそろい踏みするという眼福極まりないステージとなった。さらに水樹奈々の「DISCOTHEQUE」を水樹とともに岡咲美保が歌唱。同じく水樹の「Glorious Break」は水樹と水瀬いのりが歌唱した。岡咲と水瀬はともに水樹が憧れの存在であることを公言していることもあり、ここでのコラボは本人たち同様、多くのファンにとっても感涙を呼ぶにふさわしいものだったと思う。そしてDAY2のオーラス、50曲目に披露されたのは出演者全員による「Shangri-La」。巻き起こるoiコール、オーディエンスが回すタオルが生み出す激しい旋風、そしてそこにいる全員での大合唱。キングレコードが紡いだ絆を確認するかのように生まれていくピースフルな光景は、atsukoによる「ここKアリーナが私たちのShangri-La!」という一言を鮮やかに証明し、2日間でトータル100曲、約10時間にわたって展開された巨大イベントは大団円を迎えたのだった。

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