アンジュルムを彩る佐々木莉佳子の言葉たち 満員の“ひまわり畑”が送り出した横浜アリーナ公演

アンジュルム横浜アリーナ公演レポ

 スマイレージ・アンジュルムの歴史を振り返ると、一番の転換期はやはり2014年の改名になるだろう。ここから楽曲の方向性も大きく変化し、“日本一スカートが短いアイドル”だったスマイレージが“最強アンジュルム”に進んで行った大きな分岐点になっている。そんな渦中に加入したのが相川茉穂・室田瑞希、そして佐々木莉佳子だ。この3人の存在はアンジュルムが打ち出す力強くパワフルなイメージを作る上で大きな役割を果たし、この3人なくして現在のアンジュルムはなかったと言っても過言ではないほど、グループのイメージを大きく変えた存在であった。相川、室田が先に卒業してもその雰囲気は残されたまま、むしろ彼女たちが持っていたイメージはグループの外にも伝播し、現在のハロー!プロジェクトが持つガールズクラッシュなイメージが世の中に定着していったように感じる。その立役者の1人が佐々木であることは言うまでもないだろう。今回は10年間、グループのみならず事務所全体をダンスで牽引し、誰にも負けないしなやかな強さを持った佐々木の卒業公演『ANGERME CONCERT 2024 SECRET SECRET 佐々木莉佳子 FINAL「愛情の世界へ、君もおいでよ』をレポートする。

 横浜アリーナ一面を埋め尽くす黄色のペンライト。アンジュルムが単独でこの場所に立つのは前リーダー竹内朱莉の卒業公演ぶり。当時と比べるとファンもあまり緊張感を感じず、佐々木の登場を待ち構えていた。会場の照明が落とされ、大歓声が巻き起こるがそこから一転し静かにメインステージを見守ると登場したのは真っ赤な衣装で登場した佐々木。横浜アリーナの注目を1人で集めて踊るダンスパフォーマンスは圧巻で、卒業への寂しさやこれからの不安を一切感じさせない美しいパフォーマンスだった。そこから佐々木が舞台裏に捌けてメンバー紹介映像が流れ大歓声の中登場したアンジュルムメンバー11人。最初に歌うのは佐々木が加入して初のシングルより「大器晩成」だ。最新シングルより「美々たる一撃」も含みつつ、「出すぎた杭は打たれない」「七転び八起き」と佐々木が新人として参加していたシングル楽曲が多く含まれたこのブロック。単独横浜アリーナ公演の場で聴くと、47都道府県ライブ達成直後の改名やメンバーの脱退など、当時“絶体絶命”だったアンジュルムが、まさに“大器晩成”を果たすというストーリーを予見して作られていたような気さえするが、“次のチャンス”をものにしてきたのは他の誰でもない、アンジュルムメンバーだ。リリース当初から佐々木が担当しているマイクを持たずに一曲通して踊るダンスメンバーも現在は橋迫鈴と為永幸音が共に選出。10年近くこの楽曲を踊り続けている佐々木にくらいつくように、でも表情は余裕の微笑みを浮かべている姿が印象的だった。

 MCでは佐々木が「頭から攻め攻めのセットリストになっているんですけど、ここにいる誰1人後悔させない公演にできれば」と挨拶。次のブロックは最新シングルより「うわさのナルシー」からスタート。〈宇宙でいちばん Happy〉と歌う11人は本当に楽しそうで、客席まで幸せなムードに包まれる。そこから「Uraha=Lover」「23時のペルソナ」と“強さ”のアンジュルムが持つもう一つの一面、気持ちを素直に表現できない切ない、ある意味での“弱さ”を認めるような楽曲が続く。「全然起き上がれないSUNDAY」はアウトロで上國料萌衣以外が寝そべる形で楽曲が終了し、そのまま「忘れてあげる」の冒頭のパートも上國料が歌い継ぐ形になっていたが、そこから伊勢鈴蘭のみが立ち上がり2人で曲を進めていく演出が印象的で、楽しいだけでなく、落ち着いた楽曲もじっくり聴き入るようなパフォーマンスも楽しめるパートとなっていた。

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