Mrs. GREEN APPLE、乃木坂46との対バンで全身全霊のステージ ポップスターの貫禄見せた横アリ公演

Mrs. GREEN APPLE&乃木坂46 対バンレポ

 続けて、この日ライブで初披露された(当日時点の)最新曲「Dear」も素晴らしい名演だった。時におおらかに、時に力強く躍動するビート。その昂りを受けて次第に広がっていくスケール。ロックオペラのように次々と展開していく同曲は、悔しさ、悲しみ、痛みを伴わざるを得ない私たち一人ひとりの人生の歩みを表しているかのよう。そして、その中を鮮烈に貫くように響くのが、輝かしい生の実感が滲む〈私は今日も生きてる〉という言葉だ。思わず息を呑むほどの圧巻のライブパフォーマンスで、今後この曲は、「Soranji」のように、ライブにおいて重要な役割を担う楽曲になっていく予感がした。

 いよいよ、ライブは終盤戦へ。「Magic」でこの日の熱狂のピークを更新した後、短いMC(大森は、乃木坂46のライブにおけるMCパートの安定感に驚いたと語っていた)と10月のKアリーナ横浜での8公演に及ぶ定期公演『Mrs. GREEN APPLE on “Harmony”』の発表を経て、次が最後の曲であることが伝えられる。披露されたのは、乃木坂のデビューシングル曲「ぐるぐるカーテン」のカバー(サビのみ)で、この粋な計らいに会場から大きな歓声が飛び交った。大森は、「間違えちゃった」「普通に俺の好きな曲歌っちゃった」と溢した後、「乃木坂46さん、ありがとうございました」「みんなも乃木坂にお礼言っとこう」とミセスのファンに促し、フロアから大きな「ありがとうございました」の言葉が届けられた。こうして乃木坂へのリスペクトと感謝を伝えた後、この日のライブは、真のラストナンバー「ケセラセラ」で晴れやかな大団円を迎えた。

乃木坂46 ライブ写真(撮影=田中聖太郎写真事務所)

 はじめにも書いたように、ミセスと乃木坂46が自分たちの全身全霊のパフォーマンスをぶつけ合う非常に熱い一夜だった。また、お互いが主戦場とするフィールドは違えど、時代と手を取り合いながらポップスターとしての役割を堂々と引き受ける両者の共通点が浮かび上がった一夜でもあったように思う。今後の展開についてはまだ分からないけれど、いつか再び2組の共演が実現する時が来ることを期待したい。

Mrs. GREEN APPLE ライブ写真(撮影=田中聖太郎写真事務所)

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