松本潤の独立を機に考える演出家としての功績 エンタメの可能性を広げたステージへの情熱

 そんな彼の熱意や姿勢に触れられるのが、2019年にNetflixにて全世界独占配信された『ARASHI’s Diary -Voyage-』だ。第10話で、松本はニューヨークに降り立ち、YouTubeの音楽部門グローバル責任者 リオ・コーエン氏と対面した。彼の元へはこれまでにカニエ・ウエストやJAY-Z、ブルーノ・マーズなどが訪問したといい、日本からは松本が初だと歓迎ムード。コーエン氏は「ワクワクしてる? それとも不安?」と問いかけると、松本は「楽しみしかない」と答えていた。

 松本は、嵐の楽曲を世界で聴いてもらえるようにと、デビュー日である11月3日(2019年)にYouTubeで配信したい意向を伝えるも、コーエン氏は首を振りながら「(YouTubeチャンネルの)開設と曲の発表が同時ではいけない」と早急の開設、同時に様々な音楽プラットフォームでの展開を促した。当時はまだ嵐がYouTubeチャンネルを開設していない頃。嵐の楽曲を世界へ発信するべく、自ら足を運んで積極的に主体的に動く姿が印象的だった。

ARASHI - Turning Up [Official Music Video]

 続く第11話では、2019年11月3日にYouTubeで公開された「Turning Up」のMV撮影の裏側に密着。ここで印象的だったのは、松本のプロデューサーとしての顔と演者としての顔の切り替えの速さだ。嵐の5人とダンサーたちとのダンスシーンの撮影でのこと。予定していた楽曲と異なるバージョンが流れ、すぐさま指示を出すも、スムーズにいかない様子を見かねた松本は、ステージを降りてスタッフの元に駆け寄った。そして再びステージに戻ると、笑顔を浮かべて踊っていた。当人はそう多くは語らないが、単に演者と裏方を掛け持ちしているのではなく、プロとして両輪で進んでいるのだとその姿からは感じ取れた。

【開催決定!!】WE ARE! Let's get the party STARTO!!

 直近で、松本が演出を手がけたのは、4月の東京ドーム公演に続き、5月29、30日と京セラドーム大阪で行われる『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』だ。松本とともに演出を手がけるSUPER EIGHTの大倉忠義は、5月17日に配信「39やん!オンライン飲み会」で、彼のの独立の一報を受けて卒業する寂しさを口にしながらも、スタッフやタレントと正面から向き合う姿勢や仕事の仕方を学んだと感謝を込めた様子で語っていた。

 ファン想いで、常に新しい景色を通して驚きと興奮、感動を与えてくれた松本。所属を離れることへの寂しさはあるが、嵐としてのエージェント契約は継続することを発表しているだけに、活動の幅を広げて得たものを、いつかステージにも還元してくれるのではないかと前向きな期待をしながらその日を待ちたい。まずは『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』で松本・大倉の演出面での共演を堪能し、景色を心に刻みたい。

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