ChroNoiR、豪華演出で見せたエンタメ満載のステージ 叶と葛葉の絆が成し得た大阪城ホール初ワンマン

ChroNoiR、大阪城ホール初ワンマンレポ

 本編最後の曲は「Twilight」。二人の声の魅力が最大限に発揮されたバラードだ。表現力・歌唱力の高さはもちろん、2人の声が合わさりChroNoiRの声となる美しさは唯一無二のもの。この日の二人の現在地を示すかのようだった。

 曲が終わると間髪入れずにアンコールの声が挙がり、その声に後押しされるように初期衣装に身を包んだ二人がステージに再登場する。始まったのは「終末じゃない」(ぬゆり)。初めて公開した歌ってみた動画で歌われたはじまりの曲だ。

ChroNoiR

 葛葉は、「最初は『歌ってみた』とか恥ずかしかった」と語り、「でもまあやってよかったわ、こんなところに立ってるんだもん!」と感慨深げに語る。それを受け、叶も「みんなが喜んでくれることが一番の喜びですから」とにこやかに語る。どんなに大きなステージでもあくまでも等身大を貫く2人に、客席からも「ありがとう!」の声が贈られた。

 この日のラストナンバーは「Lily」。イントロが始まりフィンガースナップの音と共に冒頭の衣装にチェンジ。まっすぐ客席を見つめ言葉を丁寧に紡ぐように熱唱、時にお互いの表情を確かめるように手を伸ばす。そしてファンの方へ手を差し伸べるような振り付けからは、この煌めいた時間への愛おしさがあふれていた。

ChroNoiR

 最後はライブTシャツに着替え、バンドメンバーとダンサーと共に記念撮影が行われた。「ありがとうございました!」と声を揃えて挨拶すると銀テープが飛ぶ。名残惜しそうにしつつも、等身大の二人のままステージを去っていった姿が印象的だ。

 最後に、ChroNoiRの新曲MVが6周年を迎える7月17日に公開されることと、叶・葛葉からのメッセージがボイスと共にモニターに映し出されると、驚きと喜びの声が沸き上がる。喜びと興奮に包まれたまま、この日のステージは幕を下ろした。

 トーク中「MCが下手だ」と自称していたが、日々配信を視聴しているファンにとっては、2人が見せる仲の良さや自然体の変わらなさこそが嬉しい要素だ。観客だけでなく配信で鑑賞しているファンへも思いやりを忘れない優しい姿勢も相俟って、ChroNoiRにしか出せないあたたかい空気感があった。

 スケールアップしたダンスやボーカルはもちろん、車の演出やマフラータオルや大きなフラッグなどを使ったダンスといったリアルなステージングも、VTuberのライブステージの無限の可能性を感じさせた。ChroNoiRの2人が織りなす斬新な表現とその絆に今後も注目していきたい。

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