LIL LEAGUE、成長したからこそ魅せられる鮮烈なギャップ 内面を重ねた葛藤表現への挑戦
“表と裏”を表現した台湾でのMV撮影秘話
――「Lollipop」の振付についても教えてください。
岡尾:「Rollah Coaster」や「Hunter」に続き、「Lollipop」もKAITAさんが振付してくださっていて、KAITAさんらしい、スキルフルでありながらキャッチーな振付になっています。キャンディを舐めるような仕草が特徴のサビの振りは、TikTokでも「#Lolipop_challenge企画」をやっているので、ダンスが苦手な方もぜひ一緒に踊ってみてほしいですね。簡単ではないですけど、頑張れば真似できるレベルで、達成感を味わえる振付になっているので。で、ダンス頑張るぜ! ダンス大好きだぜ! っていう方は、MVを観ながら振りを再現してもらえると、全身で「Lollipop」の世界を感じられると思います(笑)。
――MVを撮影する際に、パフォーマンス面でこだわったことはなんでしょうか。
中村:MVはリーダー(岩城)を中心に、「このシーンはこういうコンセプトだから、こういう表情で撮ろう」っていうのを話し合ってから撮影したんですけど……。
百田:ダンスに関して、メンバーの共通認識として決めたのは、「操られているところと、人間味のあるところのメリハリを意識して踊ろう」ってことですね。同じ振りでも場面ごとに雰囲気を変えていて、1サビは人形のように操られている表現で、2サビ以降は感情を剝き出しにした表現でダイナミックにパフォーマンスしています。身体の動きはもちろん、MVでは表情から伝わるものも多いと思ったので、振付自体はキャッチーなんですけど、それをあえて真顔でやったり、怖い顔でやることで、嫌々操られている様子が伝わればいいなと思っていました。
――ちなみに、怖い顔ってどういう顔ですか?
百田:えっ!? (睨みながら)こういう……(笑)。
中村:可愛い~(笑)。
百田:笑顔と違って、シリアスな表情は今後の自分の課題ですね。でも、「Lollipop」をパフォーマンスしていくことで表情管理が上手くなりそうな気がしていますし、1曲の中でいろいろな表情を楽しめる楽曲なので、ライブに期待していてほしいです。
――MVは遊園地が舞台ですが、こちらは日本で撮影したんですか?
中村:いえ、今回は台湾に行ってきました。現地に着いてからは、スタッフさんの8割が台湾の方で、初めましての方も多い中で、みなさんと協力しながら撮影していきましたね。表の世界と裏の世界の二面性を表現するために、セットや衣装もガラッと変えていますし、撮影方法も斬新なものがあって新鮮でした。ナンちゃん(難波)のソロシーン、すごかったよね?
難波:斬新でしたね~。でもあれ、なんて説明したらいいんだろう?
山田:ナンちゃんがジャイロ回転しました(笑)!
――どういうことですか(笑)。
難波:実際は後ろのセットは動かさずに、自分自身が動いて撮影しているんですけど、それがMVでは、背景と自分の間に違和感が生まれて、不思議な空間に迷い込んだような仕上がりになっているんです。そういった特殊な撮影方法にも挑戦したので、シーンごとに撮影風景を想像したり、ストーリーを考察しながら観ていただけると、より深くMVを楽しめるんじゃないかなと思います。
ボーナストラックでも魅せるLIL LEAGUEのギャップ
――そして、アルバムのボーナストラックには、「タングステン」(Lyrics by FAST LANE/Composed by ERIK LIDBOM, FAST LANE)と「アイドンケア」(Lyrics by 佐伯youthK/Composed by 佐伯youthK, Kevin Charge)という新曲も収録されています。新曲をあえてボーナストラックに収録しているところにも遊び心を感じますが、もしかして、「タングステン」を歌っているのは“せなたつ”(岩城・中村)ですか?
中村:そうなんです。なんと初めて、僕と星那の2人で歌わせていただきました。
岩城:過去には、オーディションの最終審査の日本武道館で、THE RAMPAGEさんの「MY PRAYER」をカバーさせていただいたことがあるんですが、今回は初のオリジナル曲ということで、オーディションからの流れを考えるとすごく感慨深いですね。そもそも、タイトルの“タングステン”は、ダイヤモンドでしか壊すことができない硬い金属のことなんですけど。社会の中で生きていると、言いたいことが思うように言えなかったり、突出した個性をあえて潰して、周りに合わせないといけなかったり、自分のやりたいことを否定されたり……そういう場面に直面することが多々あると思うんです。でも、この曲は、そんな世の中に逆らうように、世間の考えに流されていいのか、そんな人生で大丈夫なのか? って問いかける楽曲になっています。
――夢を追う人へのエールソングのようにも聴こえますし、夢を必死に追いかけて見事に掴んだみなさんが歌うことで、より説得力のある言葉として響きますね。
岩城:そう思ってもらえたら嬉しいです。アルバム『TRICKSTER』や「Lollipop」のコンセプトにも通じるんですけど、キラキラとした夢を掴むまでには、辛いこともたくさんあると思うので、僕らがあえて飾らない言葉で歌うことで、聴いてくださっている人を奮い立たせられたらいいなと。「こんな世の中でも、自分を信じて頑張っていくことが大事だよ」っていう想いを込めて、歌わせていただきました。
――ボーナストラックの1曲目が“せなたつ”曲ということは、「アイドンケア」のほうは?
百田:こちらは4人(山田・岡尾・百田・難波)で歌わせていただきました!
山田:個人的には、この曲はメロディがお気に入りですね。年下組も僕もまだ現役の学生なんですが、そんな僕らが歌っているにも関わらず、「アイドンケア」は“せなたつ”が歌う「タングステン」よりも大人なイメージの楽曲になっているんですよ。だから、中には「逆じゃね?」って思う方もいると思うんですけど(笑)。そのギャップがアルバムコンセプトに繋がるところであり、僕もアルバムならではの特別感に浸りながらレコーディングさせていただきました。
――歌詞はどのように解釈しましたか?
山田:表現こそ違うものの、根本的には「タングステン」と近い心情を歌っている曲だなって思いました。僕は、〈愛情も恩情もアイドンケア〉という歌詞には“切れていく縁に惑わされずに、自分の信じる道を突き進む姿”が表れていると思っていて、「アイドンケア」は「お互いに好きなようにやろう!」っていうエールソングに聴こえるんですけど。それを年下組が歌うと、少し強がって「気にしてないし」って言っているようにも聴こえるし。聴いてくださった方の状況によっても、意味合いが変わってくる楽曲なんだろうなと思います。
岡尾:それがこの曲の面白いところで、聴いてくださった方一人ひとりにとって、どんな歌になったのか、みなさんの解釈を聞いてみたい1曲ですね。
――では最後に、読者のみなさんへメッセージをお願いします。
中村:1曲1曲に僕らの想いが詰まっているんですが、『TRICKSTER』にちなんで、曲順にもこだわっているので、アルバムを手に取った方には、ぜひ1枚を通して聴いてほしいですね。Blu-rayにも昨年開催した初の単独ツアー『LIL LEAGUE LIVE TOUR 2023 “LIL GATEWAY”』のライブ映像が収録されているんですけど、音源もツアーのセットリストをなぞるような流れになっているので、ライブの空気感を味わえると思います。また、デビューからの成長を収めた集大成でありながら、この先のLIL LEAGUEを感じられる内容にもなっていますので、記念すべき1stアルバムを手に取っていただき、2024年もLIL LEAGUEの成長を見守っていただけたら嬉しいです。
一同:2年目も応援よろしくお願いします!
◾️リリース情報
LIL LEAGUE
1st Album『TRICKSTER』発売中
<商品形態>
①初回生産限定盤【CD】¥3,500(税込)
②LIVE盤【CD+Blu-ray】¥7,700(税込)
③MV盤【CD+Blu-ray】¥5,500(税込)
④【CD ONLY】¥2,500(税込)
購入リンク:https://lilleague.lnk.to/0228_1stAL
アルバム詳細:https://lilleague.jp/news/detail.php?id=1112972