THE STREET SLIDERS、40周年再始動を総括 後続バンドに影響を与え続けるロックへの真摯な思い
THE STREET SLIDERSが示した反骨精神やロックへの真摯な思いは、時代や世代を超えて共有されている。昨年リリースされた『On The Street Again -Tribute & Origin-』に参加した顔ぶれを見れば、何が受け継がれているのかいうまでもない。故・チバユウスケが率いたThe Birthdayは無骨なロックならではの色気がある。ザ・クロマニヨンズの熱いロックンロール・スピリットは言うまでもないだろう。新世代バンドALIは、ブルースに始まりファンクやレゲエなどロックの多様性を試していたTHE STREET SLIDERSのチャレンジングな精神を繋いでいる。YONCE(Suchmos)は新バンドでチャレンジングな精神を新世代らしく咀嚼し、ユニークな活動で注目されるGEZANも挑戦的な姿勢で曲を解釈している。土屋とユニット”麗蘭”を組む仲井戸麗市は同世代らしく落ち着いた受け止め方をし、やはり土屋と「美嘉蘭丸」を組む中島美嘉は愛のある歌で応えている。
THE STREET SLIDERSと同世代で同じ頃にレーベルメイトになった渡辺美里の存在感あるカバーは圧巻だ。斉藤和義は飄々と原曲を受けて自分のものとし、T字路sは全身で伊東妙子が歌い返す。SUPER BEAVERも媚びず独自の道を進んでよしとの教訓をTHE STREET SLIDERSから学んだのだろうか。同じエピックレーベルの後輩だったエレファントカシマシは、敬愛しつつも反発していたのは想像に難くない。今もその思いは変わっていないのではなかろうか。このトリビュートに参加したアーティストたちを見れば明らかなように、THE STREET SLIDERSにインスパイアされた人たちは、それを超えた個性を発揮する力を得ていく。ロックに限らずアートを継承するというのはそういうことで矮小なクローンを作ることではないということが、こうした系譜を辿るとよくわかる。
22年ぶりに動き出したTHE STREET SLIDERSの、目下のところ発表されているツアーは4月21日NHKホールで幕を閉じるが、その前哨戦でもある日比谷公会堂のライブは見逃せない。
■番組情報
『生中継!THE STREET SLIDERS 40th Anniversary Final Special GIG[enjoy the moment]』
4月6日(土)午後5:30[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
※放送終了後~5月5日(日・祝)午後11:59までアーカイブ配信あり
https://www.wowow.co.jp/detail/197793
『The Street Sliders [Hello!!] -2023年5月3日@日本武道館-』
4月5日(金)午後6:15[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
※放送終了後~5月4日(土・祝)午後11:59までアーカイブ配信あり
https://www.wowow.co.jp/detail/190233
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