HiHi Jets、アイドルとしての実力を見せつけたステージ リッチな演出で見応えあるアリーナツアーに

HiHi Jets、ぴあアリーナ公演レポ

 3月21日、HiHi Jetsがアリーナツアー『HiHi Jets Arena Tour 2024 BINGO』をスタートした。5月17日までの間に神奈川、福岡、新潟、大阪、愛知の5都市21公演を回る。本稿では神奈川・ぴあアリーナMMにて開催された3月24日昼公演をレポートする。

 スロット型のセットから飛び出してきた5人が最初に歌うのは彼らの冠番組『HiHi JetsのHiしか言いません!』(テレビ東京)の主題歌でありステージ初披露となる「Hi Hi Let’s go now」。待ちに待ったコンサートの開幕に〈ウィークエンド待ってたよね〉という歌詞がぴったりで、気持ちの高まる一曲となった。「BINGO」のツアータイトル通り、ラスベガスショーのような装飾が施されている会場によく合った楽曲「$10」(SMAP)ではお札を振らせるなどさらに雰囲気を作り上げると、次は自己紹介ソングである「だぁ~くねすどらごん」へ移る。雪崩れ込むような秀逸なラップと名前のコールで一気に会場を温めていった。

 次の「FRONTLINE」では彼らのパフォーマンスの見どころのひとつであるローラースケートを履いて再登場。ここまでの曲に比べ重低音がよく響きBPMの低いこの曲は一曲目から加速し続けてきたような雰囲気を僅かに変える。火を吹くステージを縦横無尽に駆け巡る姿はまさにFRONTLINE=最前線を突破しひた走るような力強さが感じられ、次の「BOOOOOST UP!!!!!」ではカラフルな光線を駆け巡らせたり一面をゴールドの照明で染め上げたりとリッチな演出で魅せ切った。

 ステージに腰掛けるなどゆったりとステージを舞い踊った作間龍斗のソロ曲「two」(大野智)とステッキを巧みに操った髙橋優斗のソロ曲「Kissからはじまるミステリー」(KinKi Kids)を経て、「NEVER STOP -DREAMING-」。井上瑞稀の甘く透き通った綺麗な歌い出しで始まり、センターステージ上の上下するセットを活用して5人が宙を舞うシーンも。シンプルな衣装とお洒落な曲調で魅せ、次の「ZENSHIN」へと繋げた。

 続くは井上と猪狩蒼弥のユニット曲「Lazy」。猪狩が作詞作曲を手掛けたこの曲では近未来なセットと衣装で機械的なシンクロダンスを披露することで表現の幅を広げていき、夢から醒めるように暗闇に消えていくラストも印象的だった。そして次のソロ曲「care」(赤西仁)では橋本涼がギターを持って登場。「人を助けられる人を目指せるように」と言い、曲の後半にかけてだんだんと荒く掠れた声で歌う姿は、彼の甘く柔らかな笑顔が一枚剥がれ、歌詞に込めた感情が剥き出しになって見えるようだった。

 そのまま橋本がギターをかき鳴らして始まった「baby gone」、乗りやすいキャッチーなサビが魅力の「純情ウォーアイニー」を披露し、MC後にメンバーによるビンゴで決まる日替わり曲は「青にDIVE」。爽やかな疾走感のあるこの曲の後は「となり」で会場を夕日のようなオレンジ色で包み、青い朝からだんだんと日が暮れていくような対比が感じられた。井上自ら作詞作曲を手掛けたソロ曲「PUPPET」では、エフェクトをかけたことで血の気の感じられない歌声と心の奥底を映し出したような抒情的な歌詞のチグハグな組み合わせが彼の新たな表現を生み出し、演技掛かった表情とともに観客を惹きつけた。

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