First Love is Never Returned、jo0ji、離婚伝説ら出演 満員のO-EASTを揺らした『Spotify Early Noise Night #16』

『Early Noise Night #16』レポ

 ここで登場したのは、冒頭で述べた通り昨年の『RADAR: Early Noise 2023』に選出されたFurui Riho。ドラム、ギター、キーボードを従え、まずは2022年のアルバム『Green Light』から「青信号」を披露。ソウルフルなハイトーンボイスとアクの強いラップをスムーズに行き来しながら、〈NO NO NO NO no more cry yeah / NO NO NO NO nobody can stop me〉と歌うこの曲は、「自分の道は自分で切り拓こう」というメッセージが込められたガールエンパワメントな曲だ。

 「これマジなんだけど……ほんっとうにマジなんだけど、『RADAR: Early Noise』に選んでもらって私、人生変わりました。ありがとう!」と、今日の出演アーティストたちへのエールにも取れる感謝の言葉を述べるとフロアからは温かい拍手と声援が巻き起こる。そして、〈We are we are we are / もう1人じゃない〉と歌う「We Are」でコール&レスポンス。最後に披露した「Purpose」のサビでは、「お手を拝借!」と叫びハンズアップを促すなど、初見のオーディエンスを前に貫禄すら感じさせるパフォーマンスを披露した。

 そして、この日最後に登場したのはサバシスター。2022年に結成され、わずか2年でPIZZA OF DEATHとマネージメント契約を果たし、さらに先日3月8日(サバの日)にポニーキャニオンよりメジャーデビューしたばかりのスリーピースバンドだ。

 Spotifyのロゴを描いたスケッチブックを掲げ、サポートメンバーのサトウコウヘイ(Ba)と共に現れたなち(Vo/Gt)、るみなす(Gt/Cho)、ごうけ(Dr/Cho)の3人。1stフルアルバムタイトル曲「覚悟を決めろ!」で幕を開けたライブは、ツンのめるようなシャッフルビートの「ナイスなガール」、疾走感あふれる「スケボー泥棒!」と畳み掛ける。日常の中から拾い上げたテーマを独特の視点と切れ味鋭い言葉で綴る歌詞、それを歌い上げるポップでキャッチーなメロディ、そして同期演奏を使わずたった3人(+1人)で作り上げる鉄壁のバンドアンサンブルは、同世代の若者たちだけでなく90年代メロディックパンク世代のハートも鷲掴みする。

 「いいことも悪いことも、全部受け入れて生きていきましょう」、そうなちが叫んで「タイムセール逃してくれ」を演奏し、本編は終了。鳴り止まぬアンコールに応え「サバシスター's THEME」で、この日のイベントを締め括った。

 この日出演したどのアーティストも、これまでありそうでなかったオルタナティブな感性を持っており、それが今度どのように開花していくのかが今から楽しみになるような、実に有意義なイベントだった。

■セットリスト
<First Love is Never Returned>
1.シューズは脱がないで
2.泡と文學
3.OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT
4.ファンデーションの前に
5.Unlucky!!
6.Twenty-Twenty

<jo0ji>
1.escaper
2.明見
3.一ぶる
4.cuz
5.言焉
6.≒
7.不屈に花

<離婚伝説>
1.あらわれないで
2.スパンコールの女
3.愛が一層メロウ
4.萌
5.メルヘンを捨てないで

<Furui Riho>
1.青信号
2.PSYCHO
3.Super Star
4.We are
5.LOA
6.Purpose

<サバシスター>
1.覚悟を決めろ!
2.ナイスなガール
3.スケボー泥棒!
4.マイベストラブ!
5.キラキラユー
6.ジャージ
7.タイムセール逃してくれ
En.サバシスター's THEME

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