千葉雄喜「チーム友達」バイラル首位 自由に楽しむダンス動画、シンプルだからこそ際立つ個性

Viral Chart Focus

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの2月28日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:千葉雄喜「チーム友達」
2位:Gyubin「Really Like You」
3位:Christell「Dubidubidu (Chipi Chipi Chapa Chapa)」
4位:swetty「junkie」
5位:Omoinotake「幾億光年」
6位:LIL LEAGUE「Lollipop」
7位:Djo「End of Beginning」
8位:Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」
9位:WOLF HOWL HARMONY「Frozen Butterfly」
10位:YG Marley「Praise Jah In The Moonlight」

 今回ピックアップするのは1位の千葉雄喜「チーム友達」。2月13日にデジタルリリースされた同曲は、2月26日付デイリーバイラルチャートで初登場1位にランクインして以降、首位をキープ。今なお1位を独走中だ。TikTokなどを中心に曲に合わせたダンス動画がすごい勢いで拡散された形だが、そのダンス動画にこれまでにない新しいパターンが見られる。

 「チーム友達」は、バースのパターンがミニマルなヒップホップチューンで〈チーム友達〉と〈契り〉という言葉が何度も繰り返される、一度聴いたら耳から離れないディープインパクトな1曲。ドープな低音のリズムがループされ、ラップのフロウもシンプルで覚えやすい。

千葉雄喜 - チーム友達 (Official Music Video)

 さらに同曲のMVは“友人の大集団”(この場合クルーと呼ぶのが適切か)の中心にいる千葉がリップシンクを始め、大集団がリズムにのって身体を揺らす、つまりそこにいる全員が自由に楽曲を楽しんでいるという内容だ。さらにパフォーマンスグループ KING OF SWAGが「チーム友達(Dance Video)」を2月14日に第1弾を投稿したのを皮切りに、約2週間の間に、何パターンものDance Videoを連続で投稿。このDance VideoもMVの“集団で楽しむ”というシチュエーションを踏襲している。

千葉雄喜+KING OF SWAG - チーム友達 (Dance Video)

 「チーム友達」のダンス動画は、ダンサーやパフォーマー、加えて渡辺直美、岩田剛典といった著名人もチャレンジしており、オリジナルの手振りダンスなど、これまでのTikTok拡散パターンに加え、“大集団で自由に曲を楽しむ”という新たなシチュエーションが出てきていると思う。基本のダンスパターンはあるが、投稿者のオリジナルなスタイルで踊っている動画が多くあるのも、前述したシチュエーションが曲とともに浸透した結果だと考察する。また、リリースが卒業シーズンと重なったことも冒頭で触れたチャート首位を独走する後押しとなったように思う。例えば、卒業証書を手に、校庭で「チーム友達」BGMに、リズムにのって飛び跳ね、喜びを体現する動画の投稿が増えてきているからだ。タイトル、言葉、MVによって可視化された“チーム友達”というシチュエーション、そしてフリースタイルでもOKという、様々な要素が重なり、チャート首位という結果に結びついたのだろう。

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