Leinaが目指すのは聴く人を抱きしめるような音楽 学生時代の経験や影響源など明かす
「どうでもいい話がしたい」「うたたね」予想外の反響
――サウンドやメロディに関しては、どういうものに影響を受けていると思いますか。J-POPの歌詞の強さやメロディ感が血に流れてはいるんだろうけど、USのポップスの要素もある気がして。
Leina:サウンド感で言ったら、ビリー・アイリッシュさんの楽曲とかを参考にしていたりしますね。メロディは洋楽的な譜割やメロが多いと思うんですけど、ジャスティン・ビーバーさんの曲とかに影響受けてるのかなって思います。他はアデルさん、シーアさん、The Chainsmokersさんとか、色々曲単位で聴いてます。最近はThe Weekndさんの「One Of The Girls」にすごくハマりました。歌い方も多分、洋楽に影響を受けているのかなと思います。5、6歳の時にジャスティン・ビーバーさんに出会って、そこから洋楽の道へ行ったんですけど、14、15歳の時に大人の方から自分の曲が「これはJ-POPじゃない、これじゃいけない」みたいなことを結構言われて。そこで頭を抱えて、J-POPをたくさん聴くようになったんです。やっぱり海外のサウンドは好きなので、そこを取り入れつつ、J-POPってどういう音楽なのかを自分なりに勉強してますね。
――そこのバランス感から、芳醇で聴き心地のよく、新鮮なのにキャッチーな音楽を生み出していると思いますし、曲によってそのバランス具合を変えることで色々な方向性の楽曲を書くことができているということですよね。
Leina:今はいろんな曲が愛される時代になっているので正解はないなと思うんですけど、自分の目指す高いところへ行くには「こういう曲が必要になるよね」とかがもちろんあると思うから。かといって自分の感覚や感性を否定したくはないし、守りたいし、貫きたいし。自分なりのメロディ感を大事にしつつ、みんなが求めてるメロディを見つけていけたらいいなと思ってます。
――そうやってできたのが、バイラルヒットした「うたたね」や「どうでもいい話がしたい」?
Leina:それがちょっと不思議な話で(笑)。正直、「どうでもいい話がしたい」は2年前、「うたたね」は3年前とかに、何も意識せずに作った曲なんですよ。自分の中で「明るい感じにしよう」みたいな感覚では作ったんですけど、J-POPをちゃんと勉強して作ったかと言ったら、全然そんなことはなくて。だからちょっと不思議だと思っているんですけど、自信にもなりましたね。「このメロディがいい」という感覚が合っていたということだから。もっと大きなところへ行くには今のメロディ感じゃダメなんだろうなってわかるんですけど、これはこれで正解だったのかなとは思いますね。
――そもそも「どうでもいい話がしたい」は、どういうきっかけから書いた曲だったんですか?
Leina:当時好きな人がいて、すごくいい感じだった気がしていて、それで書いた曲ですね。浮かれていたんでしょうね(笑)。明るい、あったかい曲を書きたいなと思って書きましたね。
――コラム(※1)にも書きましたけど、「どうでもいい話がしたい」は、理想の恋を歌ってるようにも聴こえれば、片思いや失恋の切なさを歌ってるようにも聴こえるし、女の子が可愛くわがままを言ってるようにも聴こえる。聴き手がそれぞれの印象を抱けるポップスになっていると思うんですけど、書いている時は特に意図してなかったですか?
Leina:〈どうでもいい話がしたい〉というフレーズが出てきて、そこから続きも出てきてすぐにぱっと書いた曲で。恋愛ラブソングを書こうみたいな感覚で書いたので、「悲しく聴こえる」みたいなコメントにびっくりしたんですよね。でもきっとそれって、Leinaの声がもたらしてる印象なのかなと思って。改めて、自分の声はそういう声なんだというふうに思いました。自分的にはめちゃくちゃ明るい曲として作ったんですよ。弾き語りの時から自分的には頭で音が鳴っているからポップなイメージだったんですけど、みんなはバラード的な感覚で聴いていて、自分の中で考えてる曲に対しての印象と、みんなが受け取る印象が全然違ってびっくりしましたね。
――〈来世は貴方のギターになりたい/密着しながら激しくゆれたい〉というインパクトある歌詞をサビにした「うたたね」は、どういうきっかけから書き始めた曲だったのでしょう。
Leina:その時はローテンポの曲が多かったのでアップテンポの曲を書きたいなと思って、ちょっと面白くしたいなとも思ったんですよ。クリープハイプさんにもハマっていたので、官能的な、面白い、コミカルな曲を書きたいなと思って。ステージに立ってるバンドマンに恋してたとして、ギターとピンクな言葉が繋がるなと思って。その比喩の感じが面白いなと思ったところからあの曲ができました。
――「うたたね」の官能的な詞の書き方にクリープハイプからの影響があるというのは、納得です。
Leina:歌詞にこういうのも落とし込んじゃっていいんだ、ということをクリープハイプさんの曲から思いました。自分もそういうことしちゃおうって。生々しくはしたくない。可愛く、面白くしたい。普通に聴いてたら普通の曲で、じっくり歌詞を見て、じっくり想像した時に「あれ、これって?」みたいな、そういう品のあるエロさにしたくてあの歌詞の感じになりましたね。
明日につながる1曲を誰かのために書けたら
――EP『tulip』でもさまざまな音楽性の表現をされていましたけど、この先もいろんなジャンルの曲を書いていきたい、という想いですか。
Leina:そうですね。曲の幅としてはいろんな曲を書けるようになりたいなって思います。バンドもすごく好きなのでロックテイストな曲もやりつつ、やっぱり洋楽で育ったのでR&Bの要素やサウンドも取り入れつつ、弾き語り1本でやる時もあれば、「tulip」みたいにジャジーな曲もやったり。いろんなLeinaを見せられたらなと思ってますね。いろんな生活の場面に寄り添いながら、明日につながる1曲を誰かのために書けたら嬉しいなと思います。
――Leinaさんはこれから、たくさんの「誰か」に届く音楽を作って、一人ひとりの明日を作っていくのだなと、今日取材をさせてもらって確信しました。
Leina:誰かに届く時って、いろんなことが交差したり整った瞬間だと思うので、その時が来るまで磨いていきたいし、その時が近づくように自分から駆けつけたいなと思います。流れに身を任せつつ、やるべきことはやって、自分自身を信じて頑張りたいなと思いますね。一時期、「オゾン層になりたい」と思っていたことがあって(笑)。
――オゾン層?
Leina:地球をまとってるじゃないですか。それくらい「包む」というか、「抱きしめる」というか。そういう音楽を作りたいんですよ。エド・シーランさんのライブに行った時も、演出とかよりは根本的な音楽の力や「愛」というのを改めて実感して、音楽はこうでなくっちゃって思ったんですよね。お客さんがハモってるだけで泣けるというか。あの感覚、感動を味わうことがすごく幸せなんです。みんな生活してる中でつらいことや悲しいことがあるけど、それでもハッピーになれる、あの感覚が好きなんですよね。きっとこの1秒にもどこかで泣いてる人もいるだろうし、生まれた子もいるし、死んだ子もいるし、いろんな感情が飛び交ってる中で、1個になりたいというか……言葉にするのが難しいんですけど、そういう感動が好きで、だからそれを作り上げたいし、自分も感じたいんだと思います。
※1:https://realsound.jp/2024/01/post-1551963.html
■リリース情報
「HAITE」
2024年1月31日(水)配信
orcd.co/leina_haite
yaffle×Leina「Highway」
2月28日(水)配信
■ライブ情報
『Leina Live Tour 2024』
2024年3月30日(土)BIG CAT(大阪))open17:00/start18:00
2024年4月12日(金)BEAT STATION(福岡)open18:00/start19:00
2024年4月29日(月祝)SPADE BOX(名古屋)open16:00/start17:00
2024年5月17日(金)LIQUIDROOM ebisu(東京)open18:00/start19:00
チケット
前売り全自由5,000円(税込・整理番号付・入場時別途ドリンク代)
■関連リンク
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