Devil ANTHEM.「過大評価が怖い感覚はなくなった」 急成長した自信と活動休止への本音

Devil ANTHEM.、活動休止の本音

 Devil ANTHEM.がメジャー1stアルバム『Blue Youth』を2月7日にCDリリースした(配信リリースは1月17日)。爽快なメロディで疾走していくメジャー1stシングル曲「ar」、上田剛士(AA=)が手掛けたヘヴィな2ndシングル曲「GOD BLESS YOU!!」を経て辿り着いた本作には、メジャーデビュー以降さらに急激な成長を遂げたDevil ANTHEM.の魅力が凝縮されている。しかし記念すべき結成10周年を迎える年に、彼女たちは活動休止を発表。ファンからも活休を悲しむ声が上がっている。今作のリリースに対して、5人も複雑な想いを抱えているのではないかと思い取材を行ったが、彼女たちからは意外な言葉が語られた。自信作と言える1stアルバム、そして今後の未来について。Devil ANTHEM.の素直な心境をぜひ知ってほしい。(編集部)

ライブでの爆音とレーザー演出は“普通じゃない”

――Devil ANTHEM.(以下、デビアン)のライブって暴力的とも言えるレベルの音圧が特徴で、僕はそれがデビアンの魅力のひとつだと思っているんですけど、実際にステージに立っているメンバーからするとあの音のデカさってどうなんですか。

竹越くるみ(以下、竹越):ワンマンライブも対バンライブもとにかく音が大きいので、イヤモニをしててもしてなくても音の回り込みがすごくて、「あー」って言ったらワンテンポ遅れて「あー」って聴こえてくる感じなんです。逆に、リリースイベントとか音の制限があるような場所で、ほぼアカペラなんじゃないかみたいな音響設備のライブだと、自分がそれまでどれだけ爆音に甘えて歌ってきたかが分かって結構ショックを受けます。でも、今ではわりとどちらにも対応できるようになりました。

安藤楓(以下、安藤):音だけじゃなくて足元からの振動もすごくて、そのせいで足が疲れやすいです。「ブルブルブルッ!」って。一番すごかったのが昨年末のTOKYO DOME CITY HALL(以下、TDC)でのワンマンライブのときで、リハーサルのときには足の振動がすごすぎてそのとき履いてたヒールがガクガクガクって揺れて足が痺れました(笑)。

Devil ANTHEM. 竹越くるみ
竹越くるみ

――耳だけじゃなくて足元もなんですね。それだと、ダンスに支障が出るんじゃないですか。

水野瞳(以下、水野):足の振動と回り込みの音と自分の体で感じるリズムが全部バラバラで、体の中にリズムが3つぐらいあるような感覚なので、常に狂ってます(笑)。リズムの取り方はメンバーそれぞれですけど、みんな一般的なリズムの取り方からズレててそっちに体が慣れてるから、ボイトレでリズムトレーニングをすると先生から「ちょっと速いよ!」って言われたり、その逆もあったりして。あのライブの環境だからリズムが取れるけど、いざ何もないちゃんとしたところで同じことをやろうとすると、上手くいかないんです。

竹越:でも、爆音じゃないところでライブをするのが怖いというか。

竹本あいり(以下、竹本):寂しいよね。

竹越:そう、いまいちノリ切れないところがあって、私たちもファンの人たちも爆音でノルっていう感覚が染みついちゃってるんですよね。一度、何かのときに音が小さいことがあったんですけど、お客さんがいきなりバーッとどこかに行っちゃって、「どこ行ったんだろう……?」と思ってあとで聞いたら、「音が小さいからもっと上げろ!」ってPAさんのところまで言いに行ってたみたいで(笑)。それぐらいみんな爆音を欲してライブに来てくれてるので、もう一生やめられないと思います。

――すごいエピソードですね(笑)。たぶん、デビアンと同じ環境でライブができるアイドルはいないでしょうね。

竹本:それは言われたことがあります。とあるライブで、私たちがリハをしている間にステージ上で音の調整をされていた音響スタッフの方が、「これでよくリズム取れるね……!」ってびっくりされていて。専門の方ですら経験したことがないぐらいデビアンの音は普通じゃないみたいです(笑)。

Devil ANTHEM. 竹本あいり
竹本あいり

――あと、デビアンのライブは大量のレーザーもめちゃくちゃカッコよくて好きなんですけど、あれはステージ上だとどうなんですか。

竹本:カッコいいのは分かりますし、こないだYouTubeで公開されたTDC公演の冒頭SEから「GOD BLESS YOU!!」をつないだ映像もすごくカッコいいとは思うんですけどね。

竹越:ライブ後に復習するために固定カメラで本番の動画を毎回撮ってるんですけど、レーザーの上くらいにカメラが置いてあるので、レーザーが増えれば増えるほど何も見えなくなるんですよ。だからたぶん、2階席とか3階席のファンの人はレーザーの上にいる感覚だったと思います。

安藤:でもレーザーはいつも迫力がすごいなって思いますね。

Devil ANTHEM./「SE - GOD BLESS YOU!!」2023.12.29 LIVE ver.

――僕はレーザーの数が多ければ多いほど興奮するタイプなので、デビアンのレーザーも大好きなんですよね。橋本さんはどうですか。

橋本侑芽(以下、橋本):私は他のアイドルさんよりもレーザー多めでバチバチにカッコいい系の演出がすごく好きなので、自分がもし観ている側だったらあの演出には本当に惚れていたと思うし、ライブに通ってるだろうと思うくらい魅力的だと思います。だから、客席からあの演出を観られないっていうのはちょっと悔しいですね。

――客席に行くなら耳栓必須ですよ。

橋本:ですよね。

安藤:デビアンはグッズとして耳栓があるんですよ。

――そうなんだ!

竹越:だから、公式に「耳栓してもいいよ」ってことになってますね(笑)。

竹本:たまにライブ中に耳を塞いでる人がいるんですよ。そういうのを見てるのが苦しくて(笑)。

水野:対バンイベントだと、私たちの次に出るアイドルさん待ちの人たちがスピーカーの前にいるんですけど、デビアンのライブに慣れてない人たちは口を開けて「わーっ!」ってなってたりして(笑)、「ごめんねー!」って(と言いながら踊る)。

Devil ANTHEM. 水野瞳
水野瞳

――そう思いながら踊ってるんですね(笑)。YouTubeで公開されている、昨年6月のZepp Shinjuku公演のフル映像と年末のTDC公演から抜粋された2曲のパフォーマンスを観比べると、たった半年の間なのに皆さんの歌の表現力が上がっているように感じます。何か変化があったんですか。

竹越:2年前ぐらいにボイトレの先生が変わったんですけど、それからみんな急激に成長した感じがあって。やってることは基礎だし変わらないんですけど、何年も活動してきてちょっとあやふやになってたところを改めて叩き込み直された感じがしています。

――半年でも大きな変化を感じたということは、今も成長している真っ最中ということなんですね。

竹本:ファンの人にもすごく言われます。過去のワンマンと観比べると成長が分かってすごく面白いって。レコーディングした歌を修正してない状態のラフミックスが確認用に送られてくることがあるんですけど、初めの頃はそうやって自分の声を聴くのも嫌だったし、レコーディングは緊張するから行きたくないって感じだったんです。でも、最近はレコーディングが楽しくなったし、歌への意識もすごく楽しいものに変わりました。ラフミックスを聴くのも楽しみになってます。

Devil ANTHEM./「ココロカラ」2023.12.29 LIVE ver.

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる