澤田 空海理×古川本舗、対談で解き明かす稀有な価値観の根源 出会いと憧れ、初ツーマンライブまでの物語
「澤田くんのなかで曲の解釈には絶対的な正解がある」(古川本舗)
――音楽史のターニングポイントでしたね。先日、澤田さんのニューシングル「已己巳己」がリリースされました。今作もとんでもなく濃厚な曲で。没入感高い音世界、物語性ある歌詞展開。繊細なる音作りから、途中ノイジーに爆発する瞬間など、思いの強さ、感情の大きな振れ幅を感じる曲だと思いました。古川さん、もう聴かれましたか?
古川:聴きました、聴きました。携帯の覗き見をしました(笑)。メジャーレーベルと契約してどんな曲なのかなって思っていたら、どこ行ってもわがままを言う人なんだなって(笑)。スタッフを困らせる曲を作るんじゃないよ!
澤田:あははは(笑)!
――すごく濃い作品に仕上がりましたよね。心情を表すノイジーな展開までありつつ。
古川:さすが、メロディの美しさも押さえるところは押さえていて。でも、反骨精神を捨てられないんだなとも感じて。
澤田:それは古川さんから受け継いだものですよ。
古川:すごく“らしい”作品だと思いました。
澤田:恐縮です。
――タイトルを『已己巳己』=「いこみき」とするセンスも、澤田さんらしさですよね。
澤田:八つ当たりが根底にある曲で。中盤、〈あなたに出会いさえしなければ/こんな惨めな化け物にならずに済んだのに。〉という歌詞があるんですけど、そこから作り始めて。要は、自分が選んで自分でやっていることだし、自分が責任を持たないといけないのは本当にそうなんですけど、それを差し置いてでも何においてもどこか他責的なんですよね。「あなたに出会ってなければ音楽やっていないし、やっていたとてこんな人を蔑ろにするような人間にはならなかったよ」というか。だからと言って、責任を取ってくれとは思っていないし、書いていない。「噛み合わないものはしょうがないし、だけども確実に俺は化け物になってしまったけどね」と、人のネチャっとした嫌さがありますよね。
古川:聴いていて思ったのは、澤田くんのなかで解釈には絶対的な正解があって、それを読み解くゲームなんだなって。僕は、自分の曲は自分のなかでの正解はあるんですけど、各々で好きにしてくださいって感じなんです。でも、澤田くんの曲からは「この詞が理解できなかったら死ね!」とでもいうような感じが伝わってきて。
澤田:あははは、その通りでございます(笑)。
澤田 空海理×古川本舗、初ツーマンライブ『手 vol.1』への期待
――そして、4月5日には渋谷PLEASURE PLEASUREにて、澤田さんが古川さんを迎えてのツーマンライブ『手 vol.1』が開催されます。
澤田:最初、古川さんがツーマンライブのオファーを受けてくれないんじゃないかなと思って。誰かと一緒にライブをやるイメージがなくって。
――孤高なイメージ、ありますもんね。
古川:孤立してるんだよ、独立愚連隊というか。でも、ただそれは誘われないからだよ(笑)。
澤田:最初にお会いした飲み会でもそう言っていて(笑)。でも、僕は思い込みが強いので、僕のなかでの古川本舗は他の人と対バンライブをしないんだろうなと勝手に思って。
古川:ははは!
澤田:ファンから始まっているので、どこまで行っても厄介ファンの思想なんですよ。古川本舗は人と馴れ合わない、みたいな(笑)。でも、人柄は直接お会いしてわかっていたので、ある種確信をもって受けていただけるだろうと思い、声をかけさせていただきました。僕自身、初の主催ツーマンライブなんです。なので妥協したくなかったんです。
――古川さん、お声をかけられていかがでしたか?
古川:「自分なんかでいいのかなあ?」って思いましたよ。嬉しかったです。
――公演タイトルが『手 vol.1』となりました。シリーズ化され、今回が第1弾となります。
澤田:僕にとっての手は握るものではなく、差し出すものだと思っていて。なので、「Shall we dance?」ってかしずくイメージなんです。柔らかい手をイメージしていて。ガッツリ握手する感じではなく、僕のほうからかしずく感じ。でも、このイメージを文字にすると難しいんですよ。端的には伝えられない。なら、想像の余地は残して、あとはフライヤーや公演の内容で表現していきたいです。
古川:バトルではないんだね?
澤田:バトルじゃないです(笑)。
古川:対バンっていうと、なんか戦うみたいな感じがあるよね(笑)。
――最近のバンドマンはみんな仲良いですけど、少し前まではそんな匂いがたしかにありましたよね(笑)。でも、そうではないということで。渋谷PLEASURE PLEASUREは着席で落ち着いて観られる劇場ですから。
澤田:そうなんです。ちなみに、ライブ中に一曲、僕は古川さんの曲をカバーさせていただきます。
――おお! それはスペシャルで楽しみですね。では、おふたりのライブを楽しみにしています。
古川:ありがとうございます。
澤田:楽しみにしていてください!
■リリース情報
配信シングル『遺書』
配信中
配信URL:https://sorisawada.lnk.to/isho
1.遺書
2.遺書(instrumental)
配信シングル『已己巳己』
配信中
配信URL:https://sorisawada.lnk.to/ikomiki
1.已己巳己
2.已己巳己 (instrumental)
■公演情報
『手 vol.1』
2024年4月5日(金)渋谷PLEASURE PLEASURE
OPEN 18:00/START 19:00
出演者:澤田 空海理 /古川本舗
イープラス1次先行>
受付期間:2月14日(水)12:00~2月25日(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/te-vol1/
<イープラス2次先行>
受付期間:3月2日(土)12:00~3月10日(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/te-vol1/
<一般発売>
受付期間:3月12日(火)10:00〜
受付URL:https://eplus.jp/te-vol1/
お問い合わせ:HANDS ON ENTERTAINMENT
MAIL:info@handson.gr.jp/TEL:03-6812-9539(平日12:00~18:00)