緑黄色社会、Creepy Nuts、SUPER BEAVER、Ado、菅田将暉、片寄涼太×DOBERMAN INFINITY……注目新譜6作をレビュー
Ado「ショコラカタブラ」
ロッテ チョコレート60周年記念CMソングとして制作された「ショコラカタブラ」は可愛らしいエキゾチズムをたたえたサウンド、次々と雰囲気が変化していくメロディを軸にしたナンバー。1曲で何度も美味しい、マジカルでキュートなポップチューンは、またしてもAdoの新機軸と言えるだろう。愛らしさ、強さ、さらにダークな表情など、驚くほどに幅広いボーカリゼーションも圧倒的。メジャーデビューから3年以上が経過したが、歌い手としての彼女のポテンシャルはまさに無尽蔵だ。この曲を使用したCMの企画・プロデュースは、川村元気、監督・キャラクターデザインは吉成曜、アニメーション制作はTRIGGER。日本のカルチャーの粋を集めたプロジェクトであることにも注目してほしい。(森)
菅田将暉「谺する」
『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』書き下ろし主題歌。作詞作曲は菅田将暉と相棒のドラマー・タイヘイの手による一曲。イントロはエレクトロニカ風だが、曲を引っ張っていくのはエレキギター主体のバンドサウンド。どこか歌謡曲の匂いを引きずるマイナー調のメロディ、情感を大事にするあまりタメ気味になっていく歌い方も含めて、他のバンドで喩えるなら、スリリングに魅せるKing Gnuではなく、泥臭さを爆発させるTHE BACK HORNあたりに近い感触。時代性やスピードではなく、人情や熱量で勝負するタイプの曲なのだ。決して最先端ではないけれど、その温度が菅田には不思議とよく似合う。自身初のアニメーション映像となるMVにも注目。(石井)
片寄涼太×DOBERMAN INFINITY「NO FEAR NO MORE」
宝塚スターとLDHメンバーが活躍する戦国時代活劇『HiGH&LOW THE 戦国』の舞台主題歌。片寄涼太率いる須和国のテーマソングであり、対立する武尊国のテーマソングなども同時配信されている。歪んだギターを散りばめたEDMサウンドで、伸びやかな歌唱、DOBERMAN INFINITYのマイクリレーはもちろん魅力だが、全員が野太い声を張り上げる「Hey!」のコーラスが最も印象的。観客をいよいよ舞台に引き込んでいく効果音としての作用も十分だ。一曲単位で聴くと、とにかく威勢がよくてワイルド、ただし曲を聴いただけでは何のメッセージなのか具体的にわからなかったりするのだが、これは劇中でこそ輝く曲でしょう。書き下ろしとして満点のプロ仕事。(石井)
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