Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」はグローバルに勝負できる楽曲 ダンス動画で世界的バイラルヒット中
Viral Chart Focus
Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの1月24日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:swetty「junkie」
2位:Number_i「GOAT」
3位:Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」
4位:Christell「Dubidubidu (Chipi Chipi Chapa Chapa)」
5位:QWER「Discord」
6位:TWS「Oh Mymy : 7s」
7位:Enfants「Play」
8位:J.Tajor「Like I Do」
9位:J1rock「Seasons」
10位:kiwano「コンパクトミラー」
バイラルチャートは、その名前が示すように口コミ(=バイラル)を切り口に楽曲をランキング化したチャートだ。裏を返せば口コミが伝播する範囲に閉じたチャートであると言えるかもしれない。とりわけ言語の壁は、これまで大きな障壁として立ちはだかり、口コミが伝播する範囲を限定していた。特に日本では、SNSを中心に楽曲の評判が広がっていく過程で、日本語以外の情報にまでリーチしている音楽リスナーは少なかったように思える。このような背景もあり日本のバイラルチャートでは、国内だけのトレンドを反映することが多く、グローバルなバイラルチャートとは、連動しにくい状況が続いてきた。しかし、その傾向は徐々に変化してきているようだ。その要因となっているのはTikTokを代表とした動画共有サイトの飛躍的な影響力拡大である。テキストコミュニケーションを主軸にしたXと異なり、動画を主軸においたTikTokのようなSNSでは、言葉がわからなくとも映像で直感的に情報が入ってくる分、言語の壁は薄い。このようにバイラルチャートにおける日本とグローバルの差が埋まりはじめ、その傾向が前景化しているのが今回のチャートである。たとえば、4位にランクインしているChristellの「Dubidubidu (Chipi Chipi Chapa Chapa)」は、TikTokやYouTubeショートでネットミーム化しているチリの子役による楽曲で、グローバルバイラルチャートでもトップ10圏内に。また、8位のJ.Tajor「Like I Do」 もTikTokを中心にダンス動画が流行しており、グローバルバイラルチャートでも15位にランクインしている。