Leina、バイラルヒット連発の18歳シンガーソングライター バズの渦を生む言葉選びや歌のグルーヴ
「どうでもいい話がしたい」、「うたたね」と、着実にヒットソングを生み出している新星シンガーソングライター、Leina。
「新星」と書いたが、彼女はここに至るまで一歩ずつ経験を積み重ねてきた。現在18歳のLeinaは母と姉の影響で幼少期から音楽に触れていたという。中学3年生の時に初めてオリジナル楽曲を制作。そして母親のスマホからInstagramに弾き語り動画を投稿すると、すぐさま業界関係者から声がかかり、2019年11月(当時14歳)に「Crying memories」でデビュー。清水翔太がSNSでフィーチャリング相手を探す「Lazy feat. XXX」企画を通して歌声が高く評価され、昨年は清水翔太の全国ツアー『SHOTA SHIMIZU LIVE TOUR 2023 "Insomnia" supported by Taica』でオープニングアクトを務めた。そのツアーファイナルにて、日本武道館のステージに立つこともすでに経験している。
現在、彼女の最大のヒットとなっているのが「どうでもいい話がしたい」だ。昨年7月頃から楽曲の一部をカップル動画やVlog風映像とともに8本ほどTikTokにて投稿。9月6日にフル尺を配信リリースし、同時にミュージックビデオも公開。「どうでもいい話がしたい」はその曲の力でもってじわじわとリスナーに浸透し、10月にはSpotifyバイラルチャートで3位にランクイン、ミュージックビデオの再生回数は現在170万回を超える。そして、それらの反響を受けて1月17日にはアコースティックバージョンもリリースされた。
「どうでもいい話がしたい」は、〈愛し過ぎぐらいがちょうどいい〉〈他愛もない事したい〉〈連絡は多めにしたい〉など、好きな相手に対する欲望が歌われる楽曲で、聴けば聴くほどソングライティングの巧みさを感じさせる。アコースティックバージョンで聴けば、そのメロディや歌のニュアンスには切なさが漂っていることがよくわかるのだが、編曲が加わると、さらにはSNSで曲の一部だけを聴くと、片想いや失恋の曲ともとれるし、夢や理想を語っているともとれるし、わがままを歌っているようにもとれる、そんな絶妙な言葉回しで描かれているのだ。つまり、曲の一部と出会った人たちが、それぞれの印象を曲に抱くことのできる余白がある。また、サビだけでなくすべての行の語尾を「い」行で終わらせていて、曲全編を通して妙に癖になるグルーヴを生み出しているのも特筆すべきところ。
「どうでもいい話がしたい」をリリースした翌月には、「うたたね」でもバイラルを起こした。〈来世は貴方のギターになりたい/密着しながら激しく揺れたい〉というサビがキャッチーなこの曲は、10月3日、5日にTikTokへ投稿した歌唱映像がどちらも立て続けに100万再生をリーチし、フォロワーが急増。4日には振付動画を自ら投稿し、6日以降もライブハウスでのステージ歌唱、スタジオライブ、部屋での弾き語り、本人のダンス、イラストのリリックビデオ、公園でのリップシンク、コード譜の公開など、さまざまな動画を積極的に投稿している。その努力が実を結び、浅見めいやマリナなど100万フォロワーを超える人気インフルエンサーたちがこの音源を使った動画を投稿し、さらにはGROVE/sejuのインフルエンサーたちとのコラボでも楽曲を拡散させた。1月13日にはJO1のアカウントでも「うたたね」の振付動画が投稿されたこともあり、バズの渦はこの先もまだまだ大きくなりそうだ。