百田夏菜子の全力バラエティ、氣志團から高城れにへのエール……本家超える勢い見せた『ももいろ歌合戦』

 ももいろクローバーZが主催する年越しカウントダウンイベント『第7回 ももいろ歌合戦 2023→2024』が2023年12月31日、約8時間にわたって開催された。

 年末恒例となっている同イベント。今回は「乱れた世の中にももいろ歌合戦が次の世代へ紡ぐ新たな品格を示していく」という思いを込め、“品格の向こう側”をテーマに出演者たちがジャンルの垣根を越えて出演。笑いあり、涙ありのにぎやかな内容となった。

BE:FIRSTカバー、ももクロ×のんコラボ……「最強アイドルメドレー」

 特に華々しかった企画が、総勢113名が参加した「佐々木彩夏プロデュース 100人超えノンストップ最強アイドルメドレー2023」である。

 人気アイドルたちがメドレー形式で数々の話題曲を歌い踊った同企画。佐々木彩夏が超特急とコラボした「Boom Boom Back」(BE:FIRST)のカバーパフォーマンスは、佐々木が力強いダンスでいつもとは一味違う“かっこいいあーりん”を見せた。百田夏菜子がピンク・レディーの増田恵子とコラボした「UFO」では、歌、振付だけではなく、ピンク・レディー特有の艶かしい視線の送り方まで百田が“カバー”していたのが印象深かった。

 興奮がより一層高まったのが、ももクロとのんによる「黒い週末」のコラボ。お馴染みの曲冒頭の咳き込みをのんが真似ると、観客からどよめきが起きた。ちなみに1月1日には、のんのYouTubeチャンネルにて「Road to ももいろ歌合戦-のんの舞台裏-」と題された練習動画が公開。そのなかでは「本当にキツい」「これを歌いながらやってるんだ」と口にしながら、ハードパフォーマンスに取り組む様子がのんの姿が映し出されていた。みっちり練習に励んだこともあって、本番では見事にメンバーと一体化していた。のんはステージを終えたのち、「すごく好きな曲で、リクエストしたら夢が叶った」と充実した表情を浮かべていた。

Road to ももいろ歌合戦 -のんの舞台裏-

 「メドレー」企画のゲスト勢では、森口博子、ファーストサマーウイカ、松崎しげる、大江裕による「オトナブルー」(新しい学校のリーダーズ)に大笑い。森口は迫力たっぷりの歌唱で、そしてウイカは同グループのSUZUKAの舌出しなどを“完コピ”して観る者を魅了。一方で学ラン姿の松崎、大江のいかにも“昭和”な出立ちが面白く、ふたりによる首振りダンスは独特すぎて目が離せなかった。

高城れに感涙、氣志團から愛ある“イジり”

 本編序盤で繰り広げられた、高城れにへの愛のある“イジり”はとても感動的だった。

 12月14日に人生の分岐点を迎えたことを発表した高城。そんなこともあってか、高城が「『ももいろ紅白』はかわいいだけじゃできない。おもしろ担当なので」と自己紹介すると、一緒に紅組を率いた玉井詩織から「やめてください!」とマジレスされ、MCの飯塚悟志(東京03)からも「高城さんは“人生がおもしろ”みたいなところもありますから」とツッコミを入れられ、高城は「すみません、なんかいろいろと!」と苦笑いを浮かべる場面もあったほど。

 しかしそのあと、氣志團が「喧嘩上等」のパフォーマンスのなかで、〈うらんでもいい WOW…言っとくけど 高城はいい女〉〈そのままでいい WOW…生き抜くのよ そうよ 高城だったら〉などと歌詞をアレンジして歌うと、それを聴いていた高城は堪えきれずに大泣き。

 氣志團なりのエールを受け取った高城は、「泣くつもりなかったけど、氣志團さんのあたたかさが染みました。本当に頑張ります」とコメント。今回の『ももいろ歌合戦』のなかでも、最高のハイライトだったように思える。

「マツケンサンバⅡ×行くぜっ!怪盗少女」ライブで完全再現

 松平健とももクロのコラボは、音楽的にも実に素晴らしい内容だった。12月24日にリリースされた松平、ももクロ、TeddyLoidによるマッシュアップ曲「マツケンサンバⅡ×行くぜっ!怪盗少女 -TeddyLoid ULTRA MASHUP ver.-」をなんとライブで再現したのだ。

松平健・ももいろクローバーZ・TeddyLoid【MV】
『マツケンサンバII×行くぜっ!怪盗少女 -TeddyLoid ULTRA MASHUP ver.-』-MUSIC VIDEO-

 同曲は、「マツケンサンバⅡ」とももクロの「行くぜっ!怪盗少女」のいろいろな要素がブレンド。たとえば、メロディは「マツケンサンバⅡ」なのに歌は「行くぜっ!怪盗少女」だったり、両曲の歌詞が交互に歌われたり、「行くぜっ!怪盗少女」のメンバー紹介のパートには「松平」と名前が混じっていたり、「行くぜっ!怪盗少女」の〈ももいろのハートを 狙い撃ち〉のあとに「マツケンサンバⅡ」の〈あぁ 恋せよ アミーゴ/踊ろう セニョリータ〉と展開していくなど、TeddyLoidによるミックス構成の完成度がとにかく高い。

 それをライブパフォーマンスとして表現する松平、ももクロの凄みに感嘆させられた。何度もあのライブ映像が観たくなるほど、中毒性たっぷりのコラボだった。

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