ももいろクローバーZによる本気の“歌の戦い” 『ももいろ歌合戦』の歴史と今年の見どころを解説

 ももいろクローバーZが主催する年越しカウントダウンイベント『第7回 ももいろ歌合戦 2023→2024』(ニッポン放送/ABEMA)が2023年12月31日に開催・放送される。今回は「乱れた世の中にももいろ歌合戦が次の世代へ紡ぐ新たな品格を示していく」という思いを込めた“品格の向こう側”をテーマに、さまざまな出演者がジャンルの垣根を越えて出演する。

 『ももいろ歌合戦』の起源となったのは、2015年のカウントダウンライブ『第一回 ゆく桃くる桃「笑顔ある未来」』だ。2012年から3年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場していたももクロが同年11月、『NHK紅白歌合戦』へ出場しないことを報告。そして「冬の軽井沢、5大ドームツアー、そしてその先も私たちは私たちのやり方で、みなさんと一緒に“私たちの道”を歩き続けます」として、『ゆく桃くる桃』の開催を発表した。

『ももいろ歌合戦』では刺激的なジョークや遊び心も企画・実現

 『ゆく桃くる桃』の第一回は「笑顔ある未来」をサブタイトルとし、ライブだけではなく、映画監督の本広克行、タレントの武井壮、フィギュアスケート元五輪代表選手の村主章枝、漫画家の所十三、『女川さいがいFM』パーソナリティーの阿部真奈、教育評論家の尾木直樹と「2015年最も笑顔になれたエンターテインメント」「笑顔を届けるためにももクロがすべきこと」をテーマに議論を交わすなどした。ほかにも加山雄三が出演し、VTRで笑福亭鶴瓶、当時メジャーリーガーの田中将大選手や福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手らも登場するなど華々しい内容となった。そしてなにより大きなトピックスとなったのは、ももクロにとってこれが全メンバー揃っての初カウントダウンイベントとなったこと。同年、佐々木彩夏が高校を卒業して19歳になったことから、年齢的な制限をクリアして開催が叶ったのだ。翌年は『第二回 ゆく桃くる桃「年またぎ笑顔三昧」』として、東京03、ハライチ、千鳥のノブ、永野らお笑い芸人たちが多数出演し、笑いで一年を締め括った。

 そして、2017年より『ももいろ歌合戦』へとタイトルを変更。この年はももクロが率いるももクロ軍と、田中将大選手率いる田中軍が歌で対決する形で開催され、豪華出演者が登場。大黒摩季の代表曲「ら・ら・ら」や加山雄三の楽曲「蒼い星くず」などをももクロがコラボ演奏するなど、スペシャルなステージが繰り広げられた。ほかにも、シングル曲「夢の浮世に咲いてみな」でコラボしたKISS、「サラバ、愛しき悲しみたちよ」を楽曲提供した布袋寅泰、ニコニコチャンネル「YOSHIKI CHANNEL」への出演で交流が生まれたYOSHIKIといった大物アーティストの応援映像も流されるなどした。

 以降も第2回(2018年)はTRF、大友康平(HOUND DOG)ら、第3回(2019年)は倖田來未、西川貴教、NOKKO(レベッカ)ら、コロナ禍の影響で無観客開催となった第4回(2020年)はHYDE、河村隆一、広瀬香美、木梨憲武、EXITら、第5回(2021年)は五木ひろし、華原朋美、MAX、錦鯉ら、第6回(2022年)はToshl(龍玄とし)、SOPHIA、FANTASTICS、Novelbrightといったジャンルを横断した華々しいメンバーが出演した。

 さらに『ももいろ歌合戦』では、ももクロらしい刺激的なジョークや遊び心も企画・実現させてきた。第3回では、“裏”の『NHK紅白歌合戦』でビートたけしが自身の曲「浅草キッド」を歌っている時間にぶつけるように、ツービートの相方・ビートきよしに同曲を歌ってもらう“禁断演出”でも大きな話題を集めた。第5回では、『紅白』を勇退したばかりの演歌歌手・五木ひろしを『ももいろ歌合戦』へ引き込んだほか、Da-iCEなどその年のトレンドに名を連ねたアーティスト、さらに前年より休止になった大晦日の名物番組『笑ってはいけない』シリーズの出演者・遠藤章造(ココリコ)らも顔を揃えた。さながら“日本の大晦日エンタテインメント”を結集させたような内容となった。

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