サンドリオン、ファンとの絆を確認し合った“旅路” 初の東名阪ライブツアー最終公演レポ

サンドリオン、初ツアーレポ

 黒木ほの香、小峯愛未、小山百代、汐入あすかによる声優ユニット サンドリオンがライブツアー『サンドリオン 1stライブツアー ~Bon Voyage~』を開催した。

サンドリオン
サンドリオン

 サンドリオンにとって初めてのライブツアー。11月に行われた名古屋、大阪での2公演を経て、12月24日に東京・山野ホールで行われたツアーファイナルの模様をレポートする。

 オープニングムービーがバックスクリーンに映し出され、白とメンバーカラーを基調としたフライトアテンダント風の衣装に身を包んだ4人がステージに登場。「盛り上がっていくよ!」の掛け声で始まったのは「タイムトラベル」だ。この日の旅の始まりを飾るにふさわしいオープニングナンバー、キュートな歌声とダンスに会場は早くも熱が上がる。

 2曲目は「S. T. A. R. T」。ハイテンポでポップな楽曲が続く。ファンの間を駆け抜け、客席中央に設置されたサブステージに移動。「コン!ソン!ドン!」では、コール&レスポンスや4人のキュートなダンスとポージングで、観客の温度がさらに上がっていく。

 自己紹介と衣装を紹介したMCに続いて、曲名が紹介されると大きな歓声が上がるほどの人気曲「ダッサイ」を披露。大人の雰囲気を纏ったダンスとクールなボーカルで魅了する。さらに客席が揺れるほどの盛り上がりを見せたパワフルなロックナンバー「Zodiac Sign」、激しいフォーメーションダンスに加え、妖艶さを携えたボーカルが冴えわたる「Imitate Fiction」と続き、声優ユニットならではの多種多様な表現を繰り出した激しいブロックとなった。

 会場の熱気を受け、ステージに焚かれたスモークを指さし「これ、スモークだよね? みんなの湯気じゃないよね?」「汗が止まらないんだけど!」と交わされるナチュラルなやり取りが微笑ましい。和やかな空気感のまま、「Be Shine! Sound x Orion」へ。サブステージでファンに囲まれる形で歌われた自己紹介ソングだ。ペンライトの色を次々と変え、コールで曲に参加する観客もパフォーマンスの一翼を担い、会場の一体感がますます強固になっていく。さらに「メグル・オモイ・メグル」、「ゆびきりの唄」と、メッセージ性の強い楽曲が続き、小峯のまっすぐに響く高音の美しさや、小山のエモーショナルなボーカル、黒木のキュートさを帯びた美声、汐入の魅惑的なウィスパーボイスなど、それぞれの個性ある歌声と確かな歌唱力が光り、客席のファンをぐっと惹きつける。

サンドリオン

 幕間映像では、ツアーで訪れた名古屋と大阪のご当地クイズが出題され、正解すれば名物が食べられるというバラエティコーナーが展開。クイズに不正解しても、方言で会場をキュンとさせる台詞を言えばOKというルールで進められた。客席からは終始歓声と笑いが巻き起こり、サンドリオンのバラエティ力の強さが垣間見られるひと時だった。

 メンバーカラーのタータンチェック柄をあしらった衣装にチェンジし、ステージに再登場した4人。続いて披露したのはポップなダンスが印象的な「LINE LOOP」。そして、はじけるようなジャンプやコール&レスポンスが楽しい「カラフルイロドル」、スタイリッシュでありながらどこか情熱的なダンス&ボーカルで魅せた「ブランコリック」と、ライブ後半に入ってもそのペースを落とすことなく歌い続ける。

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 ピュアな世界観に合わせたダンスと4人の声のかわいらしさが遺憾なく発揮された「Angel Ladder」は、客席から贈られるハンドクラップと共にあたたかい空気の中歌われた。次の「Go!Action」ではお祭りムード全開でコールやジャンプが繰り広げられる。

 サブステージで披露された「Familiar base」では、客席にサインボールが投げ込まれるなど距離の近い演出がなされた。〈どんな遠く行ったって 感じるんだ絆を 大好きなこの場所は Familiar base〉という歌詞をそのまま表すように、手拍子に乗って伸び伸びと歌う4人の笑顔が印象深い。サンドリオンとファンがあらためてその絆を確かめ、未来を約束するような幸福感にあふれた時間だったと言えるだろう。

 本編最後の曲は、今やサンドリオンの代表曲と言える「天体図」。歌い出しのハーモニーはもちろん、交差する歌声と目を合わせながら織りなすダンスが、彼女たちの声や身のこなしの美しさを余すことなく表現した作品性の高いパフォーマンスだった。

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