『日プ女子』練習生にとってのトレーナーの存在 青山テルマ、仲宗根梨乃、YUMEKIらの教え
そして今回、練習生たちがパフォーマンスに対する技術と意識を向上させる上で、ダンスレッスンを担当した仲宗根とYUMEKIの存在は非常に大きかったと言わざるを得ない。
SEASON2から引き続き“日プ女子”でもトレーナー陣に加わった仲宗根は、日米韓でエンターテイナーとして活躍してきたからこそ、「人の心を動かす表現とは何か」を実感のこもった言葉で練習生たちに度々語りかけ、真の表現者へと育て上げようとする姿が印象的だった。
また、様々な練習生の精神状態を的確に見抜き、そのメンバーに本当に必要な言葉を時に厳しく、時にエモーショナルに語りかける姿は心を打つものがあった。特に韓国で練習生をしていた櫻井美羽とのエピソードを覚えている方も多いのではないだろうか。グループバトルを戦い抜くために、自らメンバーを選んで結成したチームの中で、どう役割を果たせばいいのか分からないと悩む櫻井に対して、仲宗根は「違うことをする自分への挑戦に怖がっていると思うんだけど、そことちゃんと向き合おう」と鋭く指摘。涙を流す櫻井を抱きしめながら「日本に逃げてきてここでデビューしようとすんなよ。そんな甘いことでもないからね」「あなたはまだ可能性があるからここにいるんだよ。負けんな」と激励し、櫻井が葛藤を乗り越えるきっかけをつくった。
このほかにも石井蘭や坂口梨乃など、多数の練習生に対しても心のこもった指導を行っており、そうした視聴者を惹きつけるいくつもの名場面が生まれたのも、仲宗根の経験と人を見る目、指導力の高さがあってこそと言えるだろう。
一方でYUMEKIは、若くして世界で活躍しているだけあり、非常に厳しいレッスンを展開した。例えば、レベル分け再評価テストに向けたレッスンでは、ダンスのクオリティが“今一つ”になってしまったFクラスの練習生に対して「この状態でステージ上がる気? 上がらせないけど。この状態だったら」「今すぐ帰っていいよ」と険しい表情で喝破。ただ、そのような厳しさからは彼がプロのエンターテイナーとして求める水準を表しているにほかないことが伝わってくる。だからこそ先述のFクラスの練習生をはじめ、多くの練習生がYUMEKIの言葉を糧として大きく成長を遂げたのだと思う。
そして、YUMEKIは言葉と表情は厳しいものの、実は練習生たちに人一倍の責任感と思い入れを持っているトレーナーであり、そのことを感じられるシーンが番組内で多数見られた。
本気で練習と向き合い、その成果をレッスンで披露した練習生たちに対しては、険しい表情がふっとゆるみ、率直な褒め言葉をかけることも。特に自身が振付を担当したコンセプトバトルでの番組オリジナル曲「AtoZ」では、初回レッスンで散々なダンスを繰り広げた練習生が次のレッスンで完成度をグッと高めてきたことに対して「パッションがすごく届いた」と納得の様子でコメント。リハーサルも含めて直前まで熱血指導を行い、7人の練習生が本番のステージに挑む際は、「震え止まらん」と誰よりも緊張した様子を見せており、YUMEKIらしい愛情深さが垣間見えていた。
厳しいレッスンを行ってきたYUMEKIだが、最後のレッスンでは涙をこらえながら20名の練習生に「一人ひとり見送るのがとてもつらいし寂しいです」「本当に感謝しています」と語りかけた。
最後に1つ言及したいのが、木村カエラの存在感だ。木村が私たち視聴者と同じ目線を持ちながら練習生の成長を見守り続け、司会進行を務めてきたことも番組への没入感を誘う要因となっていたように思う。そんな木村は、最終回で練習生が歌うバラードの作詞を担当。初回から練習生に寄り添い、見守ってきた木村だからこそ書けた歌詞は、きっと視聴者の心を揺さぶるものになっているはずだ。
このように、各トレーナーが、担当領域のレッスンを通じて「人の心を動かす表現とは」「プロのエンターテイナーとは」を全力で伝え続けてきた“日プ女子”。16日放送の最終回で結成される新たなグループは、きっと11名のメンバーが個性を輝かせながら、多くの人を魅了するプロのパフォーマンス集団となるに違いない。JO1やINIのように、グローバルで活躍するであろうガールズグループの誕生から目が離せない。
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