I Don't Like Mondays.の最新モードを目撃 『RUNWAY』ツアーファイナルを振り返る

I Don't Like Mondays. ツアー最終公演レポ

 10月に幕を開けたI Don't Like Mondays.の全国ツアー『2023 A/W TOUR "RUNWAY"』。このツアーは、9月にリリースされた最新アルバム『RUNWAY』に収録された楽曲を軸としたものであり、また、今年のワールドツアーを経て行われた凱旋ツアーとしての意味合いもあった。最新曲をライブで体感する。そして、世界各地で数々のステージに立ちながらビルドアップを果たした彼らの最新のモードを目撃する。そうしたふたつの大きな意義を持った同ツアーは、12月2日、Zepp DiverCity(TOKYO)にてツアーファイナルを迎えた。本稿では、サプライズでスペシャルゲストも登場した同公演の模様を振り返っていく。

 会場に入ってまず目に飛び込んできたのは、最新のアルバムおよび今回のツアーのタイトルとして冠されているランウェイを模したステージセットだ。ステージの背景には「RUNWAY」のネオンオブジェが設置されており、また、フロントメンバーのYU(Vo)、CHOJI(Gt)、KENJI(Ba)が立つポジションには、それぞれの両サイドに複数のライトが直線上に置かれていて、3本のランウェイがフロアに向かって伸びているように見えるセットとなっていた。開演時間を少し過ぎた頃、高揚感を煽る4つ打ちのSEと激しく明滅するライティングを受けてメンバーがステージに登場する。モノトーンを基調としたクールでスタイリッシュな今回のセットとメンバー4人の佇まいの相性は抜群で、登場した瞬間から伝わってくる彼らのロックスターとしての輝かしいオーラに痺れた。

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 今回のライブにおいて特筆すべきは、やはりアルバム『RUNWAY』に収録された最新曲の数々である。このアルバムには一貫したコンセプトがあるわけではなく、MCでYUが語っていたように、彼ら自身が自分たちらしいと思った音楽がふんだんに詰め込まれている。それゆえに、今回のライブも多彩な最新曲が次々と披露されていくバラエティ豊かな一夜となった。

 YUの「Make some noise!」「Fuckin' ready?」という高らかな叫びと共に口火を切った今回のライブ。オープニングナンバーは、先行シングル曲のひとつ「Umbrella」だ。YUは、シャープに洗練されていながらもパワフルな気迫を放つバンドサウンドを華やかに乗りこなし、切実でエモーショナルな歌を堂々と響かせていく。極彩色のシンセサウンドによるキメの連続が冴え渡る「WOLF VIBES」では、フロアをマイクに託して観客からコーラスを引き出し、続く「Mmm...」では、「東京、みんなの声を聴かせてよ!」と呼びかけながら、ライブ冒頭とは思えないほど熾烈なコール&レスポンスを成立させていく。

 「いろいろなところで得たバイブスを今日ここで全部ぶちかましていきたいんですけど、準備はできてますか!」という呼びかけの後に披露された「Strawberry Night」も圧巻で、また中盤の「ダイナマイト」が生み出した狂騒と、それに続けて披露された「Summer Ghost」の深く胸を締めつけるような切ないムードのコントラストも鮮やかだった。どの曲も、音源で聴くよりライブならではの気迫と豊かさをもって体と心にダイレクトに響いてくる。そして何より、彼らが世界各地を周るなかで得た深い自信と、自分たちはこの道を行くのだという輝かしい確信が全編にわたって滲んでいて、堂々たるパフォーマンスの数々に何度も心を動かされた。同期のビートと生のドラミング、シンセベースを軸として新しいバンドアンサンブルを創出していく「conversation」も、彼らの最新モードを色濃く反映した名演だった。

 激烈なバンドセッションを経て、ここでスペシャルゲストとしてセリーナ・シャーマがステージに登場。怒涛の歓声のなか、最新のコラボ曲「What’s going on? feat. Celina Sharma」を披露する。力強く、それでいてしなやかな響きを放つ彼女の歌声は、息を呑むほどの美しさだった。時おりYUと顔を見合わせながら展開される両者の掛け合いも見事で、そのあまりの特別なコラボレーションを前に、フロアからは何度も熱い歓声が飛び交った。また、続けてセリーナの楽曲「24/7」を披露するというサプライズも。極上のマイクリレーを観客がかざしたスマホの白いライトが彩る光景は、この日の公演のなかでも屈指のハイライトとなった。

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