NOA「来年もアルバムをリリースしたい」 新章告げた最新曲「between」と成長の一年を振り返る
「実体験を入れないと感情が乗らない」――新曲「between」で歌う“すれ違い”
――ライブ以外にも、10月には『めざましテレビ』(フジテレビ系)のマンスリーエンタメプレゼンターとして生原稿読みなどを行い、7時台からはMCとして放送終了まで登場されましたが、実際にこなしてみていかがでしたか?
NOA:初日は本当に足がガタガタするくらい緊張しました(笑)。でも、実際に他のキャストやスタッフの方々が1秒単位でこなさなければいけない仕事をされている姿を見ていると、すごくかっこいいなと思いましたね。僕自身、子供の頃からずっと『めざましテレビ』を観てきたので、「裏ではこんなことが起きてるんだ!」という感じで、社会見学というか、そういった気分にもなりました。ただ、出演する立場としては、やっぱり朝起きてテレビをつけた瞬間に始まる番組だから、視聴者の方たちにとってもすごく大きな役割を持った番組なんだなと感じて。でも、本当に番組の関係者の方々は温かい人たちなので、もちろん緊張はするんですけど、気づいたら緊張もほどけてるというか、現場はとにかくすごく楽しかったんですよ。
――出演が発表された際には「むちゃぶりにも対応できるように特訓しておきます」というコメントも出されていましたが、そちらの手応えはいかがでしたか?
NOA:むちゃぶりの対応の特訓に関しては悩んでいて。初日に関しては、VTRでミキのおふたりからむちゃぶりを振っていただいたんですけど、100%で対応できたかと言われるとそうではなかったので、そこはすごく悔しく思っています(笑)。いつむちゃぶりがきてもいいように構えてはいたんですけど、もしかしたらそのせいで緊張してるところがあったかもしれませんね。『めざましテレビ』は生放送だから、秒単位で動いていくものに対して反応しないといけないですよ。でも、それはすごく頭を使うことでもあるから、なかなか慣れてなかった部分ですね。
――アリーナ公演では、新曲の「between」をリリース前にサプライズ発表しましたね。
NOA:去年『NO.A』を作っていた頃と、ワンマンを準備する過程とでは、やっぱり自分が思うことだったり、伝えたいことも変わってきて。「今の自分を最新で届けたい」という意味で、5月のワンマンの時には「BURN」という新曲を初めて披露することにしました。それと同じように、アジアツアーを経てアリーナ公演を準備するなかで、また最新の自分を見せたいという想いがあったので、準備をしている時点でアリーナ公演で新曲を発表することを決めました。そういう意味では、「between」は演出も含めて考えていた曲なんです。これまでは、男5人でパフォーマンスする曲は「Don't Waste My Time」しかなかったので、もう1曲何かラブストーリーのテイストがありつつも、男らしさがあってまた違った一面を見せられる曲があればいいなと思っていたんです。そういうところから曲の内容が決まっていって。こういった曲の作り方は今回が初めてでした。でも、制作自体はスムーズに進みましたし、ライブにも繋がりやすかったので、僕としてはやっていて楽しかったですね。
――「between」は“すれ違い”をテーマにした曲ということですが、どういったことがきっかけになって生まれたのでしょうか?
NOA:今回は2ステップだったり、ハウスだったり、そういう曲調にしたいというアイデアがまずあって。トラック自体は、もともと僕が2019年に作ったものがベースになっています。それをブラッシュアップできたらということで、SUNNY BOYさんに相談させていただいて、その時点ですでに曲名と内容がラブストーリーになるということを決めていたんです。それで「between」という曲名だったら、曲のテーマはすれ違いがいいなと思いつつ、ただ弱い部分だけではなく、男としての強い部分も見せたいなという想いからこの曲が生まれました。
――「between」は、実生活で体験された“すれ違い”にインスピレーションされて歌詞を書かれたのでしょうか?
NOA:そうです。僕自身、いつも実体験を大事にしています。もちろん、何かの作品から受けたインスピレーションをもとに作る曲もありますが、そういう場合でもやっぱり必ずどこかで自分の実体験を入れないと感情が乗らないというか。誰かのストーリーを書いている感じになってしまうんです。だから、ちょっと実際には違ったものだったとしても、曲に合わせて形を変えて自分の実体験を入れてみることはよくありますね。
――個人的に「between」で2ステップが取り入れられていることが印象的でしたが、もともとこういう楽曲や要素自体に興味があったのでしょうか?
NOA:2ステップ自体はずっと好きですし、ディープハウスもめちゃくちゃ好きなので、常にそういった曲はトレンドに関係なく聴いていました。そういった曲を作るのも好きだったので、こういうスタイルの曲のストック自体はすごくたくさんあるんですよ。でも、今年に入ってから2ステップがすごく流行り始めたので、リリースのタイミングとしても今がいいなと思いました。がっつりR&Bのサウンドで大人っぽさを出すというよりは、2ステップだと少し爽やかさで、躍動感が出ると思うんです。だから、ライブでパフォーマンスするとなった時も、しなやかな動きだったり、そういったことがすごくイメージしやすかったこともあって、今回はこういったジャンルを選びました。
――曲のストックがたくさんあるということですが、『NO.A』などでもストックのなかから発展させた曲は多かったのでしょうか?
NOA:『NO.A』の収録曲のなかにはストックから作ったものもありますが、たとえばニュージャックスウィングを取り入れた「Runaway Love」など半分以上は新たに作ったものでした。「Purple Sky」もストックではなく、この時に書き下ろした曲で。これはようやく自分がライブをできる状況になったからこそ、ライブでみんなで一緒に歌えて一体感が生まれるような曲を作りたいという想いからスタートした曲なんですよ。
――「between」では、作曲をSUNNY BOYさん、作詞をSUNNY BOYさんと常楽寺澪さんと一緒にやられていますが、コライト作業は実際にどのように進められたのでしょうか?
NOA:最初にまず僕がこういう形でやりたいというトラックをSUNNY BOYさんのところに持っていって、そこからギターの音を入れたり、ブラッシュアップして。その段階で、僕とSUNNY BOYさんのなかでは、「between」の具体的なストーリーがかなり固まっていたので、それを常楽寺さんにお伝えして歌詞を作っていきました。そこからまた僕が言い回しなどを変えながら曲を発展させていったので、作業自体はスピーディーに進んでいき、すぐに出来上がったという感じです。
――では、おふたりと作業をされている時は、あまり意見の食い違いもなかったというか。
NOA:なかったですね。特に、SUNNY BOYさんと一緒に作業をする時は、僕のことをよく知っていただいているということもあって、いつもいい感じにしていただけるんですよね。僕自身、曲を作る時は自分のなかで歌い方も含めて慣れているやり方でやってしまうところがあるんですけど、SUNNY BOYさんはそういうところも活かしつつ、「今回はこういうのもちょっとトライしてみたら?」「こういう捉え方もかっこいいよ」と、そういった提案をしてくださるので、そこでまた新たな自分の一面に出会えて、曲としても新たな魅力が引き出してもらえることがあるんですよね。歌い方にしても、自分だけでは生まれないであろう歌い方――たとえば色気などのように特徴のある歌い方に関しては、SUNNY BOYさんを真似させてもらっている部分がたくさんあります。
――作詞において、先ほどおっしゃったような言い回しに関してなど、具体的には意識している部分はありますか?
NOA:僕は、作詞する時はいつも英語と日本語のバランスをすごく大事にしていて。やっぱり曲調によっては、それがうまく釣り合わないこともあるんです。今回の「between」だと、それこそラップのパートは英語がありつつも日本語もあるという絶妙なバランスになっているのですが、僕としては日本語と英語、どちらともそれぞれで完結してしまうのは避けたいと思った。だから、ちゃんと日本語から英語に繋がるような入りやすい英語にしたり、そういった部分は自分なりに意識して言い回しをアレンジしました。もともと日本語が多かった部分をあえて英語に変えたりもしましたね。