HYBEが描く“都市型コンサートプレイパーク” SEVENTEENツアーと連動のプログラム「THE CITY」体験レポ

 SEVENTEENが、9月6日より日本ツアー『SEVENTEEN TOUR 'FOLLOW' TO JAPAN』を開催中だ。このツアーは、HYBEが近年力を入れている、コンサートと地域活性化の取り組みを連動させたプログラム「THE CITY」が連動したものとなっている。

 その「THE CITY」とは、具体的にどのようなものなのか。コンセプトや構想、詳細な取り組み内容を紹介する記者向けの説明会が、東京・大門にあるHYBE JAPANのオフィスにて行われた。日本では、今回で2回目の開催となる「THE CITY」。HYBE JAPAN CEOのハン・ヒョンロックより、まずはそのコンセプトや構想について説明があった。

 「オンラインとオフラインが融合し、HYBE全体の力を結集させた総合的なプロジェクト」――「THE CITY」の構想が描かれたスライドを前にして、そのように語り始めたハン氏は、そのコンセプトを「都市型コンサートプレイパーク」だと説明した。HYBE傘下の各レーベルに所属するアーティストがコンサートを開くと、それだけで数十万人規模の人の流れが生まれる。その流れをコンサート会場が立地する地域のなかへ向けていくべく、地元企業や自治体と連携してさまざまな関連イベントを開催し、ファン/参加者の体験価値もさらに向上させていくのが「THE CITY」の全体像である。

 この取り組みを成功させるうえで鍵となるのは、HYBEがかねてより力を注いできたグローバルファンダムライフ・プラットフォーム「Weverse」をはじめとした、オンラインの施策だ。コンサート会場ではグッズ販売を行わず、「Weverse」上で購入したものを事前に受け取るだけにしたことで、開場前にファンが他の体験に費やせる時間を生み出した。多くのファンがコンサート開催地でさまざまな体験や関連コンテンツを楽しめれば、そのぶん、地域の企業などの活性化へと繋がることとなる。アーティストにとっても、コンサート開催地の各スポットで自分たちの楽曲が流れたり、ビジュアルが展開されたりすることによって、ファン以外の層へのアプローチも期待できる。ファン、アーティスト、地域の自治体・企業の三者にとって、「三方よし」の設計がなされる点は、「THE CITY」の大きな特徴と言えるだろう。

 「THE CITY」はこれまで、BTSが2022年4月に「BTS PERMISSION TO DANCE THE CITY - LAS VEGAS」を開催。2週間の開催期間で計4回行われたオフラインコンサートには約20万人が来場し、ポップアップストアや写真展にも11万人以上が来場するなど、大きな経済効果を生み出した。2022年10月には、2030釜山万博誘致祈願コンサート『BTS <Yet To Come> in BUSAN』に連動する形で、「BTS <Yet To Come> THE CITY in BUSAN」が行われた。

 日本では、SEVENTEENが2022年10月から12月にかけて行った日本ドームツアーに連動する形で、大阪・東京・名古屋の3都市で「SEVENTEEN BE THE SUN THE CITY」を展開。ツアーでは全6公演で約27万人を動員し、「THE CITY」プロジェクトとしては計46カ所でプログラムを展開、25以上もの企業・団体がプロジェクトへ参加した。ハン氏によれば、同イベントでは特に東京で行われたアフターパーティーが盛り上がり、大阪で行われたデジタルスタンプラリーも人気コンテンツになったという。

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 そのような背景のなかで行われる今回の「SEVENTEEN 'FOLLOW' THE CITY」は、埼玉・東京・大阪・名古屋・福岡で実施され、30社以上の参画と70カ所以上でのプログラム展開が予定されており、史上最大規模の開催になる見込み。昨年は大阪限定で行われたスタンプラリーを全国に拡大し、池袋のサンシャインシティや名古屋の中部電力 MIRAI TOWER、OSAKA WHEELといった各都市のランドマークや地元企業とのコラボも行われる。

 また、福岡ではスターフライヤーとコラボレーションし、SEVENTEENのメンバーのビジュアルがラッピングされた機体が運航されており、ハン氏はこのコラボについて「ファンがアーティストを誇りに思うことにつながる取り組み」「『THE CITY』の根底に流れているのは、ファンにより楽しんでいただいたいという想い。だからこそ、飛行機でのビジュアル展開などには、私たちからファンの皆さんへの感謝のメッセージも込めている」とコメント。そして、今後も「ファンの体験価値向上」を主軸に置きながら、訪日外国人の参加も見据えた「THE CITY」の設計を検討していくと説明した。

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