カメレオン・ライム・ウーピーパイ、『SXSW Sydney』で掴み取った観客の心 異なるカラーの2公演をレポート

CLWP『SXSW Sydney』で掴んだ観客の心

 続いて10月21日には、Dr. Martens Presents SXSW Sydney at The Chippo Hotelのステージに登場したCLWP。こちらはいわゆるライブハウスで、19日のPhoenix Central Parkに比べると思いっきりアンダーグラウンドな雰囲気。ステージの目前までオーディエンスが詰めかけるなか、「LaLaLa」からパフォーマンスをスタートしたChi-とWhoopiesのふたり。ぎゅっと緊密な距離感で、タフなステージングを披露していく。ステージ全面に投影されたVJ映像が3人の衣装に様々な色を映し出し、徐々にライブはヒートアップ。「Mushroom Beats(Orange ver.)」では間奏パートでフロアを煽り立て、手拍子を求めるChi-。続く「Where Is The Storm」では「シドニー、調子はどう?」とコール&レスポンスを巻き起こし、曲が終わると大きな歓声を浴びた。

カメレオン・ライム・ウーピーパイ『SWSX』ライブ写真

 一転してチルなビートが流れる中「とっても楽しいです、ありがとう!」と英語で気持ちを伝え、「Chair」へ。気だるげなサウンドのムードに合わせてゆらゆらと体を揺らしながらパフォーマンスすると、「もっと近くに来て!」とオーディエンスに呼びかけ「Stand Out Chameleon」へと突入。Chi-の動きに合わせて一緒に飛び跳ねるオーディエンス。さらに間奏部分では「しゃがんで、しゃがんで!」と呼びかけてみんなで一斉にジャンプ! 会場の温度が一気に上がる。ホームから遠く離れたシドニーでも、CLWPのお客さんを巻き込んでいくライブのエネルギーはいかんなく発揮されていてなんとも頼もしい。いつの間にか集まったオーディエンスもすっかり自由になっていて、曲の合間には「Yeah!」という声が飛び交っている。

 「ラスト3曲、準備はいい?」とファニーでアグレッシブな「Whoopie is a Punkrocker(CLWP ver.)」に突入。激しいリフとテレビゲームみたいなチープなビートが独特の空気を演出するなか、フロアからはシンガロングも生まれる。そして会場もすっかり温まりきったころ、ライブはクライマックスを迎える。まずは「Crush Style」。CLWPが誇るライブアンセムだ。さらに畳み掛けるようにして「Love You!!!!!!」へ。Chi-が叫ぶのに合わせてフロアからも声が上がり、力強いグルーヴが会場を揺らす。言葉も文化も超えた、エモーショナルな一体感がThe Chippo Hotelを包み込む。Chi-にWhoopiesも加わって手拍子を打ち鳴らせば、それに同調してフロアからも手を叩く音が響く。

 じつはこの日のライブでは機材トラブルがあり、予定されていたセットリストを大幅に変更してのパフォーマンスだった。しかしそんなこともものともせず、ここでもCLWPはこの日しかないステージを楽しみきった。ライブが始まった頃とはまったく違う熱を帯びた会場の空気と、終わった後に聞こえてきた「Love You!!!!!!」を口ずさむオーディエンスの声が、彼らの圧勝ぶりを物語っていた。

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