NGT48 藤崎未夢&佐藤海里、新たな体制で目指すグループの大きな目標
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NGT48の目標が明確になった(佐藤海里)
――この取材は、りかさんの卒業からもうすぐ1カ月というタイミングですが、グループの空気というのは少しずつ変わってきていますか?
藤崎:りかさんが卒業された実感がまだ大きく湧いているわけではないんですけど、メンバーそれぞれがどこかで今度は自分がしっかりしなきゃって思った部分がきっとあるので、メンバー個々の活動の中でMCをフォローする部分が増えたりだとか、レッスン中に意見を言い合えるようになったり、それぞれの意識が変わってきてるなっていう実感はあります。
佐藤:りかさんが一緒のステージとかフェスへの出演では、りかさんが真ん中に立つだけで、後ろにいる私たちにまで自信をくれる存在でした。NGT48を引っ張ってくださっていたので、今度からは私たちが後輩を安心させられる立場にならないといけないですし、レッスンから意識は変わりましたね。ここを揃えたいとか、今までよりも発言するようになったかなって思います。
――未夢さんは、りかさんが出演する旅番組『ふわり愛』でロケに行ったということですが、あれはNGT48卒業後ということですよね。
藤崎:りかさんはNGT48を卒業したことをそこで実感されたらしいんです。NGT48のスタッフさんに温かくしていただいていたんだなっておっしゃっていました。私はりかさんと初めての2人でのお仕事だったんですけど、「未夢がしっかりしてくれていたから、安心してロケに臨めた」って言ってくださった時に、りかさんが卒業されてからのNGT48をちゃんと引っ張っていかなきゃいけないと、そこで私も実感しました。りかさんに安心してくださいっていうのを少しでも示すことができたんじゃないかなと思えて嬉しかったです。
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――『サマーコンサート2023』にはこれからのNGT48を提示するというコンセプトがありましたが、先日の『NSTまつり2023』は2期ドラと3期生だけという1期生がいないステージでもありました。そこで未夢さんは「青春時計」のセンターを務めていましたよね。
藤崎:りかさんが卒業されてから初めて披露する「青春時計」で、しかもその場所がまさに「青春時計」のMVの撮影地だったので、このタイミングで「青春時計」のセンターに立たせていただくことは意味のあることだし、私でいいのかなっていう気持ちもありました。1期生がいない初めてのイベントで、私たちがこれからのNGT48を見せていかなければいけない中で、グループの新しい時計の針を進めるという意味を込めて、その場所に立たせていただきました。
――「青春時計」は、これから未夢さんがセンターを引き継いでいくということになるんですか?
藤崎:そうではないと思います。りかさんも、3期生の水津菜月ちゃんにその場所に立ってほしいと継承の意味を込めて言ってらっしゃったので、これからはイベントごとにセンターに立つメンバーは変わってくると思うんですけど、オリジナルのセンターがいないからこそ、その場所に立つメンバーの個性が出ると思いますし、誰がそこに立っても魅力的なグループになれたらいいなと思います。
――「Maxとき315号」では海里さんがセンターを務めていました。感慨深いステージだったと思います。
佐藤:ドラフト候補生時代に前座として、同じ万代シテイのステージで「Maxとき315号」を披露させていただいたんです。未夢が、センターは海里がいいんじゃないかってマネージャーさんに言ってくれて。6年越しにNGT48のメンバーとして、「Maxとき315号」をセンターで披露できました。大切な楽曲ですし、STU48さんもいらっしゃる中で、曲が止まってしまって(笑)。そこで機転を利かせて「海里の声が大きかったからだよ」ってすぐに助け合うことができたのは、私たちも大人になったなと思いました。
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藤崎:当時、私は同じドラフト候補生ではあったんですけど、HKT48さんの方のステージに立たせていただいていて、海里がNGT48のステージに出る日は観客として観に行っていたんです。同じNGT48志望で、新潟出身で、同学年と共通点が多かったからこそ、お互いの中でライバルみたいな気持ちもあったので、海里がNGT48に入ってほしいと思う反面、いろんな感情が入り混じっていました。今、同じNGT48のメンバーとしてステージに立つとなった時に、「Maxとき315号」を披露するなら海里にセンターに立ってほしいと思ったので、マネージャーさんを説得しました。
――2人はドラフト3期生ですが、「2期ドラ」として2期生とくくられることに抵抗はないですか?
藤崎:ないですね。最初の合宿で、初めてドラフト3期生と2期生が一緒に活動したんですけど、その時は2期生もドラフト3期生を先輩として扱ってくれていたので距離感があったんです。その後一緒に研究生公演をするようになってからは、1つのステージを一緒に作る仲間という意識が強くなったので、壁はなくなったなって思います。グループにとってもいろんなことがあった中で、今残ってるメンバーはそれを一緒に乗り越えてきたメンバーなので、仲間意識は年々強くなっているんじゃないかなと思います。
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――『サマーコンサート2023』では3期生から北村優羽さん、水津菜月さん、杉本萌さんの正規メンバー昇格が発表されました。
藤崎:昇格発表のあったメンバーは特に今年の夏、フェスにもいっぱい出演してくれていて。タイトなスケジュールの中でもついてきてくれましたし、3期生にとっては初めて覚える曲もたくさんあったんですけどしっかり覚えてきてくれて、急遽空いた立ち位置にも入ってくれたので、頼もしさを感じています。昇格の発表があったメンバーだけではなく、3期生全体が最後まで参加する初めてのコンサートで頑張っている姿を見て、これからのNGT48を一緒に作っていくメンバーとして頼もしい存在だなと思いました。
――この3人には光るポイントがあったということですか?
佐藤:杉本萌ちゃんはお仕事終わりやコンサート前にも自主練に行ったりするぐらい熱心ですし、北村優羽ちゃんと水津菜月ちゃんは劇場公演の先輩のポジションを何個も覚えてくれています。私たちは劇場公演にはいないこともあるんですけど、そのいなかった時のためだけに覚えてくれていて。頼もしい後輩が来たな、私も頑張らなきゃといい刺激になります。
――ほかにこの子は頑張ってると感じるメンバーはいますか?
佐藤:この間、磯部瑠紅ちゃんが急遽前日に言われたポジションを覚えてきてくれて、救われたことがあります。高校1年生で学業もある中で、瑠紅ちゃんはダンスも得意で、レッスンでも分からないメンバーに教えているのを見かけたこともあるし、『リバイバル公演』も支えてくれています。
――『NSTまつり2023』を観ていて、自己紹介で自分を「凛々花様」と呼ぶ、鈴木凛々花さんが強烈だったのですが、彼女は一体何者なんですか……?
藤崎:NGT48の最年少なんですけど、ちょっと変わってる部分があって。まだ中学生で、しっかりしてるのかしてないのか分からない不思議な発言があったり。凛々花も最近は私たちと一緒に公演に出演してくれているんですけど、ステージに立った時の華はすごくある子で。ユニットではセンターに立ったりもしていて、リハーサルの時は自分に自信がないのか、どこかなよなよしてる部分があって、でもステージに立った瞬間に放つキラキラしたオーラは今後も見逃せない、期待のできるメンバーだなって思います。
佐藤:この前、凛々花と一緒に移動してる時に、「今は自分が最年少だけど、4期生が入ってきたらたぶん同年代だからどうしよう」って口にしていたんです。ふにゃふにゃしてる部分もあるけど、そんなことを考えてるんだって思いました。芯のある、これからNGT48を盛り上げてくれるメンバーだと私も注目しています。
――もうすぐ4期生も加入します。
藤崎:私たちもまだ会ったことがなくて、何人入るかも分からない状況なんです。
――りかさんは「NGT48にまだいないキャラ」「飛び抜けてキャラが立つ子」がいいと話していましたが、お2人はどんなメンバーが入ってきてほしいですか?
藤崎:今いるメンバーはどちらかというと1期生の作ってきてくださったNGT48に憧れて入ってきた子が多いと思うんですけど、これから入ってくる4期生の子たちは2期ドラだったり、3期生のような新しいNGT48に魅力を感じて入ってきてくれる子が多いのかなって思います。それは最新のグループの魅力を知ってる子たちだと思っているので、今のNGT48をどんどん発信していけるような子が来てくれてたらいいです。
佐藤:NGT48はAKB48グループの中でも人数が少ないグループなので、周りをそんなに気にせずに、思いっきり前に出られる、即戦力になれるような子が来てくれたら嬉しいです。
――秋元康さんが、『潟ちゅーぶ』(NST新潟総合テレビ)のインタビューで、これからのNGT48に対して、「個性を出すこと」「自由にやること」が大事だとおっしゃっていましたけど、そこはりかさんの言葉と通ずる部分があると感じます。
藤崎:今のNGT48にはまだこれというものがないからこそ、グループの枠に囚われることがないんじゃないかなって思います。NGT48らしくこうじゃなきゃいけないっていうのがないからこそ、それぞれの個性がしっかりと生かせる環境なのかなって思いますし、今いるメンバーもそれぞれの特技や趣味を生かしてお仕事に繋げている子が多くいます。これから入ってくる4期生も、自分の好きなことを貫くことによって、幅の広いオールジャンルなグループになれるんじゃないかなと思います。それがグループの強みになるような気がするので、個性爆発で来てほしいです。
――自分はこれまでNGT48を取材してきて、2021年10月に開催された荻野由佳さんの卒業コンサートでメンバーのみなさんが口々に言っていた「私たちを朱鷺メッセに連れてきてくれてありがとう」という言葉が印象的に残っています。そういった意味でも、朱鷺メッセという会場は、今もう一度NGT48が目指すべき場所なのではないかと思うのですが、それについてお2人はどう感じますか?
藤崎:先日開催した『NGT48ファン総会』で、今後のNGT48の目標を発表したんです。グループの目標をファンの方に伝える機会が設けられているのは、アイドルとしてはなかなかないことだと思いますし、今回『ファン総会』を通じてグループの目標を言えたからこそ、ファンの方も一緒になって目指していけると思っています。由佳さんの卒業コンサートは、由佳さんのおかげで立てた朱鷺メッセという印象が強いんですけど、今のメンバーとファンの方と一緒に、また朱鷺メッセに立てるよう頑張っていきたいと思っています。
佐藤:当時は先輩が作ってきてくださったNGT48があって、その敷かれたレールの上に乗って進もうとしていた段階だったので、朱鷺メッセという場所の意味を知らずにいました。今、NGT48が何を目指しているのか、どこに進んでいるのかが分からくなっていた中で、こうして目標が明確になったことは、より一層みんなの士気が上がり、頑張ろうという意欲が高まったと思います。
――前回の1期生インタビューでは最後に「みなさんにとって新潟という街は、今どんな場所になっていますか?」という質問をしたのですが、新潟出身のお2人にとって東京という街は、今どんな場所になっていますか? というのも、8thシングル表題曲「渡り鳥たちに空は見えない」は、新潟出身の日陽さんがセンターという意味合いもあると思いますが、新潟と東京を行き来する姿を渡り鳥として表現しているのだと解釈しています。東京が憧れの街で、そこに夢があるという曲だと思いますが、お2人にとっては東京に夢があるのか、それとも新潟に夢があるのか、そこはどう考えていますか?
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藤崎:私は、地元の新潟を盛り上げたいという意識があるので、卒業後も個人として新潟でお仕事ができたらいいなと思っているんですけど、グループとしてはNGT48は新潟を拠点に活動しているグループなので、新潟の皆さんに知っていただき、愛していただくことはもちろんなんですけど、多くの方に知ってもらうためには、東京だったりほかの地域での活動も大事にしていかなきゃいけないと思っています。私個人としては新潟で頑張りたい、でもグループは外に向けて発信をしていかなきゃいけないという狭間で、特にグループのキャプテンというのもあって迷っていた時に、あるスタッフさんから「それって鶏が先か、卵が先かの話に似てる」と言われたんです。どちらが大事かではなく、それぞれの場所での仕事に意味があると思うので、東京で頑張ることによって新潟に繋がることも、新潟で頑張ることによって東京に繋がるお仕事もあるという話を聞いて納得しました。グループを知ってもらい、これから上を目指していく上で、東京という場所は特にこれからのNGT48にとって未来の、夢のある場所だとは思いますけど、地元の新潟を拠点としているからこそ、そこも大事にしたいなと思っています。
佐藤:新潟でアイドルをやることに私は意味があると思っています。中学生の時に、生まれ育った新潟にAKB48グループが誕生すると知ってすごく嬉しくて、新潟県民の誇りだなってその時に思ったんです。私はその時の気持ちが忘れられずに、新潟の方に新潟にはNGT48があるんだって思ってもらえるような、愛されるグループでありたいと思っています。もちろん東京も魅力的だと思いますけど、新潟でしかできないお仕事がいっぱいあると思うので、もっと地域に密着したNGT48ならではの活動をしたいっていうのが、今の私の気持ちですね。
――こうして東京でお仕事をして新潟に帰ると、改めて新潟の大切さを実感したりもしますか?
藤崎:安心感があると思う一方で、東京でお仕事に来させていただくことによって会えるファンの方がいたり、今回のお仕事も新潟ではできないことをやらせていただいているというのはあるので、東京は成長できる場ではあるのかなと思います。
――『渡り鳥たちに空は見えない』『あのさ、いや別に…』ときて、次のシングルがある種のキーポイントになるのかなと思いますが、そこはどうですか?
藤崎:前作2作は1期生の先輩がセンターを務めているので、これからセンターに立つのは、今後のNGT48の未来を背負うメンバーになることもあり、意味のあるシングルになると思います。メンバーみんなで盛り上げていけたらいいなと思いますし、センターが誰になるかは楽しみですね。
※1:https://realsound.jp/2023/08/post-1417416.html
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